手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
藤島 大
スポーツ発熱地図

毎週読んでる連載なのに、今まで気がついていませんでした。
「週刊サッカーマガジン」、「無限大のボール」藤島大。カメルーン代表と中津江村、クロアチア代表と十日町のかかわりを通じて、日本人論(というほど肩肘張ったものではないけど)に至る、その文章にいたく感心してしまった訳です。で、コンサドーレ曽田雄志の記事が載ってた時以来久々に、立ち読みですませないで雑誌をレジへ持って行ったのですが。
ページの隅、小さな文字の筆者略歴の最後は著書の紹介。立ち読みの時は記事だけ読んだらすぐさま次のページですが、今回はゆっくりと全部に目を通して……ん? 『スポーツ発熱地図』!? えーっ、本になってたんだ!
という訳で慌ててアマゾンで買いました。2000年から2003年まで「Number」誌に隔号連載されていたものですが、文春ではなくポプラ社から、それも連載終了後2年近く経ってからの刊行です。しかもその時に気付くことなく、更に2年半以上が経過……いやあ、下手したら永久に出会い損ねていたかもしれなかった本でした。
北は北海道から南は沖縄まで、その土地ならではの「スポーツのある暮らし」を綴った33篇、文章の手触りは、スポーツドキュメンタリーと旅行ルポが一緒くたになったような感じです。能代工業高校バスケットボール部の試合を観た後は、秋田の地酒がずらりと並ぶ酒屋さんに教えて貰った店で、くじら鍋。筑豊の高校柔道を観た後は、ホテル「エクレール博多」のアイリッシュパブでギネスビール。全国飲み歩きガイド本としても成立するんじゃないかと思えるほど(笑)。
本棚の奥に1冊だけ、これの連載中の「Number」が残ってました。2000年の12月28日号。買ったのは、「Jサッカーファイナル2000」と銘打たれた特集記事の中に「岡田武史とコンサドーレ札幌」があったから。で、ついでに(笑)他の記事も全部読んでみたら、たまたま掲載の順番に当たってた隔号連載の「スポーツ発熱地図」、苫小牧のアイスホッケーの話でした。これを狙って買った訳じゃないのに北海道の話にちょうど当たって、ツイてたなーと思ったのを憶えています。
改めて本で全部読み返してみたら、北海道の話はあと2つ、常呂(カーリング。これは立ち読みしました)と旭川(ばんえい競馬。これは未読)。そして舞台は北海道じゃないけど、浦和の回は、2000年9月28日J2第35節、駒場スタジアムでのレッズvsコンサドーレ首位決戦の話でした。この号、買ったと思ったんだけど、今見当たらないんですよねえ……間違って捨てちゃったのかなあ。繰り返しになりますが、ほんとにこの本、買えてよかった。
それにしても。
今改めて読み返すと、時間の経過というものをつくづく思い知らされます。
ばんえい競馬は帯広だけの開催になって、もう旭川では観られない。2000年のホークスは、「ソフトバンク」ではなく「ダイエー」で、球場は「福岡ドーム」、対戦相手は「大阪近鉄バファローズ」で。2002年、J1に昇格したばかりのベガルタ仙台がホームに迎えたヴィッセル神戸には、三浦カズと城彰二がいて……。
今やJ1で勝って当たり前の浦和レッズ。この前のさいたまダービーでは、降格の危機にある大宮アルディージャに対して、「ライバル視」などとはとても呼べない、あからさまに侮蔑であり嘲笑である横断幕とゲートフラッグをこれみよがしに林立させた「日本一の」サポーター達。まさかの完封負けにブーイングの嵐だったようだけど、でも7年前はレッズもJ2に落ちていたんだよ。その頃のこと、君達、本当に憶えているのかい?
新庄剛志がアメリカに行ってしまって、ノムさんが監督だった頃のタイガース。こんな風に書かれているのです。


「優勝したころは、ミナミでも9割が阪神ファン、いまでは半分でしょ」
 1985年、戎橋からフライド・チキン店の創設者、カーネル翁が西道頓堀川へ突き落とされた。バブル到来前夜の泡のごとき夢。翌年は3位、以後、昨年度までAクラスが1度、最下位は9度を数える。
 本日のヤクルト戦観衆は「18000」と発表された。とても実数ではあるまい。村を出た宇宙人のはつらつもあって、にわかにメジャーは身近に迫り、ますます阪神タイガースの存在はちっぽけだ。


そうか、そういえばそうだったんだ。タイガースが普通に強いチームになったのって、ほんとにここ数年のことだったんだ。
そして、長嶋茂雄がジャイアンツの監督だった頃のキャンプ取材。宮崎ではなく鹿児島、千葉ロッテマリーンズ。


 到着。野球場に吹く風は、耐えられる程度に冷たい。スタンドへの階段をのぼる。踊り場の無人パイプ椅子に段ボールは置かれ、メンバー表が風に飛ばぬよう置き石をして積んである。「御自由にお取り下さい」。マジックの走り書きは、ここが人気球団のキャンプ地でない事実を告げている。
 わかってはいた。それにしても見守る人間が少ない。午前10時8分の段階で、ざっと97名。どんなに図々しい主催者発表も、せいぜい「観衆250」が限界だろう。
 いつか隣の県で、「ミスター」と呼ばれる初老の天使が、背番号を披露するためグラウンド・コートを脱がんとするや、確か、5万超のファンが息を詰めて凝視したのではなかったか。5万人と97人。それは、この国の職業野球の現実である。


そういえば、そうだったんだ……。
時々買ってるスポーツ雑誌、たまる一方で家族からはたまに苦情が出ます。ファイターズやコンサドーレの記事の部分だけスクラップしておいて、残りは捨てろと。でも何となくそういう気にならないのは、この本を今読んで覚える感慨が理由です。
後になって読み返してみる時、「そういえば、この頃にはそうだったんだ」という雰囲気を思い出させてくれるものを、なるべく丸ごと残しておきたくて。

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