手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
中村 彰彦
幕末入門 (中公文庫 な 46-6)
内容よりもむしろ、著者名で買った1冊ですね。
市民大学講座で語った内容をもとに再整理したもの、だそうです。文字通りの幕末「入門」。海音寺潮五郎司馬遼太郎、そして中村彰彦さんご本人の著作等々でもう頭に入っている、幕末史の基本おおまかな流れが書かれている本です。既に持ってる本と重複するのに、何もわざわざ読まなくたっていいようなもの、といえなくもないんですが。
中村さんといえば会津藩や新選組に関する著作の印象が強く、この本も「第一章 会津藩」「第二章 新選組」と始まります。しかし幕末史全般について語っている訳ですから、勿論それだけでは終わらない。以下、長州・薩摩・土佐についての話になっていきます。「入門」ですから特別突っ込んだ話や珍しいエピソードが出てくる訳でもありませんが、中村彰彦が討幕派を語る、ということ自体がまず私には目新しく面白かった訳でした。
会津びいきの著作家の中には、百何十年が経過しても未だに当時の価値観のまま生きているとでもいうかのように、「真の賊軍はどちらだったのか!」みたいなことを言いたがる、とにかく長州に関することは何から何までみな憎いというような人もいたりするのですが(苦笑)、中村さんにはそういうイデオロギーに凝り固まったようなところはありません。長州藩毛利家が反・徳川幕府の態度をとるのは成り立ちからいっても無理からぬのだということ、吉田松陰や大村益次郎は大した人物だということ、ちゃんと冷静に押さえています。
ただ、維新を手放しで礼賛もしない。革命やクーデターで誕生した政権は、良くないことは全て旧体制に押しつけ、自分達には光のみがあるように装いますが(それこそ大昔の「大化の改新」からしてどうもそうだったらしいですから)、世の中そんな単純に善玉悪玉に分けられる筈もないんですよね。奇兵隊に代表される長州藩諸隊の数千人が、戊辰戦争終結後にどんな運命を辿ったか。広く一般に知られていない、顧みられることが少ないという点ではむしろ、戊辰の敗者の死以上に哀れな末路だったかもしれないとさえ感じました……。
そして面白かったのが最終章「幕末史四つの謎に迫る」。姉小路公知暗殺犯の正体、孝明天皇毒殺説、坂本龍馬暗殺黒幕の正体、「倒幕の密勅」の信頼性。この4点について史料と作家の想像力とを存分に駆使して考察しています。
中村さんは、龍馬暗殺は薩摩藩(西郷隆盛)が仕組んだという説を採っていますね。実行犯・京都見廻組の佐々木只三郎は歌人でもあった人ですが、彼が参加していた歌の会に、薩摩藩士もいたのだそうです。そのルートを使って薩摩藩が見廻組に龍馬の居所を告げ、襲わせたという可能性も成り立つのだと……。
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