手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
大沢 在昌, 秋本 治
小説こちら葛飾区亀有公園前派出所

何はともあれ、西上心太氏の解説をまず。


 今や国民的な漫画となって久しい『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(以下『こち亀』)と、日本推理作家協会を代表する七人の作家の小説世界が融合した、前代未聞、空前絶後のコラボレーションが誕生した。『こち亀』の「週刊少年ジャンプ」連載30周年と、日本推理作家協会設立60周年を記念したトリビュート・アンソロジーである。やはり創刊40周年という「週刊プレイボーイ」に06年秋から順次連載された作品をまとめたものだ。


はい、そういう本なんです。
参加メンバーに、柴田よしき京極夏彦といった御贔屓筋が入っているのを知り、これは読まなきゃと連載前から思ってたんですが……普段読む習慣のない雑誌って、どうしても忘れちゃうんですよねえ。本になってくれていやあ良かった♪
このアンソロジー、何が面白いって、『こち亀』と「七人の作家の小説世界が融合した」というところにあります。ただ単に、小説家が文字で『こち亀』を描いた、というだけじゃないんですよ。たとえば大沢在昌の代表作「新宿鮫」シリーズ、あの作品世界と『こち亀』が一緒になる訳です。鮫島警部が両さんと会って言葉を交わしてる! さあどうだ! 一体どういうことになるのか、全然想像がつかないでしょう(笑)。
全7編、途切れることなく掲載されてたようですが、これって各執筆陣の締め切りってどうなってたんでしょう。何となく、全員一斉に書いてたようには思えないんですよねえ。順々に、他の人が書いたものを見て自分も書き進めていったのではないかと。
というのは、どんどんメチャクチャになっていくんですよ(笑)。大沢在昌「幼な馴染み」、石田衣良「池袋⇔亀有エクスプレス」、今野敏「キング・タイガー」、ここまでは非常にまとも、いってみれば真っ当な普通の小説です。両さんもただ変わり者の警官という程度で、『こち亀』として読むならば全然おとなし過ぎる。ダルジールとかフロストとか、破天荒刑事の出てくるミステリは多いですからね。このくらいじゃちっとも驚かない。
それが、柴田よしき「一杯の賭け蕎麦」からおかしくなってきます(笑)。ここで初めて両さん以外の『こち亀』メンバー、中川・秋本両巡査が登場するんですね。続くは京極夏彦、「ぬらりひょんの褌」で更にヒートアップ。そして逢坂剛「決闘、二対三!の巻」、東野圭吾「目指せ乱歩賞!」へとなだれ込んでいく訳です。この後半4編は前半に比べて『こち亀』度(笑)が格段に上がっておりますが、しかし紛れもなく柴田よしきは柴田よしき、京極夏彦は京極夏彦。まさに「融合」です。お見事!(……しかし京極さん、この話は、全国の関口巽ファンが読んだら泣くぞ!)
さてこの本、冒頭に引いた西上氏の解説を読んでみると、普通のミステリ好きとは違う層が買うことも念頭に置いてるんだなというのがよく判りますね。『こち亀』は好きだけどミステリはよく知らん、という人のために、日本推理作家協会とは何なのか、参加メンバー7人はどういう作家なのか、が懇切丁寧に説明してあるんです。


 亀有公園で開かれた『こち亀』祭りに参加した、七軒の出店の味はいかがだったろうか。気に入った方は、各「本店」をぜひとも訪れてほしい。そこには出店では味わえない、さまざまな味を持つ、豊富なメニューが用意されているからだ。このアンソロジーがきっかけとなり、読者の方々の味覚が、より一層豊かなものに広がれば幸いである。

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