手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
山前 譲
文豪の探偵小説
前にも確か書いたことがありますが、ミステリ好きの悪癖で、何でもかんでもミステリを見る目で読んでしまうことがあります。また太宰治とか幸田文とかね、ミステリとしても読めちゃう短編や掌編がいくつもあるんですよー(久世番子のマンガ『番線』を読んでたら、教科書に載ってる児童文学の古典も、オタクの目で今読んだら萌え要素満点だとかいう話をしてました……同類だな/笑)。
で、これもそういうアンソロジーなのかと思ったのです。顔ぶれは谷崎潤一郎、川端康成、芥川龍之介……昔の文豪達の、「罪や悪を扱っているので、ミステリとして読もうと思えば思える作品」を集めた、いわば牽強付会(笑)に近いものなのかと。
ところが実際に読んでみたら、そんな「無理やり感」のあるものでは全然ありませんでした。まず最初が谷崎の「途上」、これはもうはっきりミステリです。実に見事な「プロバビリティーの犯罪」。もっとも作者自身は「探偵小説臭くもあり、論理的遊戯分子もあるが、それはあの作品の仮面であって」なんて言っていて、夫に命を狙われていることを自分では全く気付いていない妻の運命を描きたかったということなんですが、しかし現代では探偵小説、もといミステリの定義も広くなってますからね。この作者もともとの意図もまた、充分にミステリの範疇に含まれます。
佐藤春夫「オカアサン」、これは殺人も何も起きませんが、ハリイ・ケメルマン『九マイルは遠過ぎる』を思わせるような純粋論理・推理の世界です。本格原理主義「日常の謎」派。
三島由紀夫「復讐」は、心理ホラーの世界ですね。
太宰治「犯人」は、これは前に太宰の短編集で読んでいました。柄に合わない犯罪をしでかしてしまった青年の、哀れきわまる自滅の話。巧い!としか言いようがありません。
……ただ、川端康成「死体紹介人」は……ええと、猟奇耽美趣味というか、もっとはっきりグロというか(汗)なんですが、これは、「ミステリ」という感じはしませんね。どこからどう見ても「文学」です。ということはどういうことかというと……作中に死体が出てくるのは単にそういう設定だからじゃなくて、作者自身がほんとに死体趣味があったんじゃないのかひょっとして、という気がしてきてしまうということであります……(冷汗)。
うちの母親がこれを読んで、「そういえば昔から何か川端は好きになれなかったんだけど」と言ってました。この中編の不気味さに通じるものが他の作品にもあった気がする、というんですね。私がまともに読んだのは『掌の小説』だけなんでそこら辺はよく判らないんですけれども、でもそう言われてみれば、確かにあの掌編集も何かちょっと怖い感じの話が多かったかも。
AD
いいね!した人  |  コメント(2)  |  リブログ(0)

青空百景さんの読者になろう

ブログの更新情報が受け取れて、アクセスが簡単になります

AD

Ameba人気のブログ

Amebaトピックス

      ランキング

      • 総合
      • 新登場
      • 急上昇
      • トレンド

      ブログをはじめる

      たくさんの芸能人・有名人が
      書いているAmebaブログを
      無料で簡単にはじめることができます。

      公式トップブロガーへ応募

      多くの方にご紹介したいブログを
      執筆する方を「公式トップブロガー」
      として認定しております。

      芸能人・有名人ブログを開設

      Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
      ご希望される著名人の方/事務所様を
      随時募集しております。