手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


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SIGHT (サイト) 2007年 04月号 [雑誌]

季刊の上にどこの書店でも置いてるという訳じゃないので、気をつけてないと買い逃しそうになります。今回も、発売から1箇月もの間見つけられませんでした。
内容に限らず買うことに決めてる雑誌なので、定期購読しちゃえばいいんですけれどもね。出来うる限り、本は本屋で買いたい、という自分内ルール(無意味)があるもので(苦笑)。
創刊の頃は、「Cut」のもうちょっと一般向け、みたいな感じだった雑誌です。それが去年、渋谷陽一編集長は総合誌に衣替えすると宣言。「文藝春秋」とか「中央公論」とかのジャンルですね。おやどういうことだろうと思ってリニューアル1号目を買ってみたら、渋谷さん、巻頭にこんなことを書いていました。


雪崩のように保守化する日本の論稿シーン(そんなものがあるのか、という議論はまた別にするとして)を見ながら、僕が待っていたのは、既存のリベラル系と思われるメディアの反攻である。しかし、リベラルと思われるメディアは一様に腰の引けた論陣しか張れず、歯切れの悪いメッセージしか出せないでいる。ニール・ヤングは若い世代を待つのを止めたようだが、僕も既存のリベラル系メディアの反攻をただ待つのを止めた。


切り口はシンプルである。常に知的で批評的でありたい、ということだ。別にとりたてて強い思想的な背景があるわけではない。あえて言うなら、ロックに植付けられたラヴ、ピース、そしてフリーという、中学生レベルの思い込みである。


この“ロックンロールな”宣言に、かつての「サウンドストリート」リスナーとして「うお、渋谷さん格好いい!」と思ってしまった訳です(赤面)。
と、いわば「意気に感じる」形で買い始めてみたら、特集のタイトルこそ「小泉靖国参拝で日本は何を失ったか」「格差正当化社会と闘う」と、いかにも総合誌っぽく堅いんですが、中身はやっぱりロッキング・オンのつくる雑誌でした。ミュージシャンへの突っ込み鋭い20,000字インタビュー、容赦なさ過ぎる(笑)新譜レビュー、それらと全くおんなじノリで政治経済外交等々に斬り込んでいて、こう言うとちょっと語弊があるかもしれませんが、読んでて実に面白いんですよねえ。
で、今回の特集は「誰にも聞けない、鬱のリアル」。宮台真司の「うつ体験」インタビュー、編集部のうつ体験者による「初めて行く心療内科・精神科ガイド」、専門医の先生への治療のメカニズムについてのインタビューなど、いってみれば「実用的」な記事が並ぶ中、こんなインタビューもある辺りがいかにもロッキング・オン。
「世間に蔓延する心の病の“虚実”とは」──現役精神科医の先生が、うつ病に限らず色んな「心の病」について、素人の思い込みや誤ったパブリックイメージを判り易く訂正して下さっているのですが。
これがまあ身も蓋もない!(笑)
たとえば「『多重人格』は、よく幼い頃の性的虐待が原因になり発症すると言われていますが」と振られたこの先生、まず言ったのが、「『24人のビリー・ミリガン』のケースは僕の先輩の中谷(陽二)先生も書いてるんですが、詐病の可能性がかなり強いですね」……あ、そ、そうなんですか(絶句)。
勿論、多重人格の症状自体は確かにあるんだそうですが、しかし、


現象としては別にさほど珍しいものではなくて、昔からあるし今もときどきあるんだけれども、多重人格だけを取り上げてことさら言うほどのことでもないと思うんですよ。実際にヨーロッパだと、多重人格の報告はほとんどないんです。アメリカはそこだけ変に持ち上げて、それがちょっとでもあれば多重人格という病気だっていうふうにしちゃうところがけっこう強かったんで、あれだけ患者の数も多く報告されたと思うんですけどね。


独立した病気というよりは、ヒステリーの1症状、らしいです。
更には、ちょっと前に盛んに言われた「アダルトチルドレン」について。私はこれ、新聞とかで簡単に紹介されたのだけ読んで、問題のあった親に育てられた問題のある子供、のことだろうという捉え方だったんですが、これ、拡大解釈なんだそうで。もともとは、アルコール依存症には遺伝的素因があるのではないかというアメリカの研究が始まりとのことです。


それがどんどん拡大解釈されて、親がアルコール依存症だと子供は精神障害になるんだということになり、その後「親がアルコール依存症」というのすら外されて、家族に何らかの問題があると子供がおかしくなり、すなわちそれがアダルトチルドレンであるということになってしまったんですね。ただ普通、問題のない家族なんてないと思うんですね。言ってみれば人類みなアダルトチルドレンだろうという説なわけで、これは結局何も言わないのと同じことなんです。もうひとつ、この理論はトラウマ理論と基本的には変わらなくて、子供の頃の何らかのファクターが影響して成人になると精神的な変調を来たすという非常に単純な理屈で、内容にはほとんど実はないんじゃないかと。


あらら……幽霊の正体見たり枯れ尾花、だったんですか、ひょっとして(汗)。
雑誌でも新聞でもテレビでも、今現在「旬」の話題、これから「旬」になりそうな話題には先を争って飛びつきますが、かつて「旬」だったもの、の実体を検証するメディアは殆どありません。
こうやって、蒸し返していく、という姿勢があるところも、この雑誌の好きなところです。

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