手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
ジョイス・キャロル オーツ, オットー ペンズラー, Joyce Carol Oates, Otto Penzler, 横山 啓明
ベスト・アメリカン・ミステリ アイデンティティ・クラブ
うーん、厚いポケミスだなあ。本体価格だけで1900円もしますよ。まあおかげで、このやたらと長いタイトルも余裕で2行使って表記できてる訳なんですが。
日本のミステリも昔に比べると異常なまでの長編化の一途を辿っておりますが(講談社ノベルスなんて、昔なら上巻・下巻に分かれてた厚さですよあれは)、海の向こうも似たようなことになってるみたいです。レジナルド・ヒルなんて、最近の作品は昔の倍ぐらいの長さになってますからねえ。で、また、それを日本で出版する早川書房も、昔は上下巻に分けてたP・D・ジェイムズを最近では1冊で出しちゃうとか、「1冊の本の適正な厚さ」について明らかに許容範囲が広くなってます。
もっともこの本は、そういう超長編ではありません。全20編収録の短編集です。
毎年刊行されている「年間ベスト」の2005年版とのことですが、なるほど、どれも読み応えのあるものばかり。ただ、これが「ミステリ」の作品集、であるということに、人によっては戸惑いを覚えるかもしれません。所謂「探偵小説」的なものはひとつもないんですね。
日本には新本格ブームというものがあって、人工の極致としての「名探偵もの」というジャンルが今でもしっかりと生きています……決して「時代遅れ」でも「今さら」でもありません。受け手を選ぶ「オタク」「マニア」要素がどうしても強くなるのは否めないところではあるものの、一般読者にとって受け入れ難いようなものだとは決して思われてはいない。
そういうものに比べると、この本の20編は、何というかもっと「リアル」です。読者に、読むことの快楽を堪能させるためではなく、考え込ませるために書かれたもの、とでもいうのかな。今起こりつつある犯罪、過去に起こった犯罪、これから起こる犯罪。主眼は犯人探しではなく、なぜその犯罪は起こったか、避けることができなかったか、巻き込まれた人々のその後の人生はどうなるのか。
アンソロジーというのは選者の性格も出ますから、この1冊だけで判断するのも早計でしょうが、アメリカの人はやはりイギリスの人よりは生真面目というか、素直なのかもしれませんね。全20編、「笑える」ところのある作品がひとつもないんですよ。これがイギリスのミステリ作家だったら、現代社会の悲惨な現実を映した作品であればこそ、痛烈な皮肉とジョークをきかせようとするところです。
ひとつひとつは短いけれど、どれも、この本全部と同じ厚さの長編にも負けていない、ずしりとした存在感のある作品ばかりでした。一気読みではなく、ひとつずつ、ゆっくりと読んで下さい。
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