手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
A・A・ミルン, 石井 桃子, A.A. Milne
クマのプーさん プー横丁にたった家
ほんとは昨日書こうと思ってた話題なんですが、コンサドーレ初勝利に押し出されまして(汗)。
3月10日は日本児童文学界の宝・石井桃子さんのお誕生日です。石井さん、昨日で何と満100歳を迎えられました!(拍手)
100歳で、しかもお元気なんですよ。凄いなあ。
石井さんが手がけた作品は、創作から翻訳までもう色々ありますが、私にとって筆頭に来るのはやはりこれですね。自己紹介欄にも書いてますが、『クマのプーさん』。遡ることウン十年前、まだ赤ん坊同然の幼児に読み聞かせするのにわざわざこれを選んだうちの母親の意図もよく判りませんが、それが全ての元凶、いや違った、始まりになりました。その後の成長過程を通じてずっと、「ヘンリーくん」シリーズよりは「ミス・ビアンカ」シリーズ、ルパンよりはホームズ、クイーンも好きだけどクリスティーはもっと好き……果ては音楽の好みに至るまで、理屈抜きでイギリス好きになるもとをつくった1冊かと。
作品世界の設定は、最初の章で明らかにされます。幼い息子クリストファー・ロビンに、お父さんがしてやるお話。息子と、彼が大事にしている縫いぐるみの動物達を登場人物にして、皆がどこかの森の中で暮らしているという物語。だから、ほんとのクリストファー・ロビンと物語の中の彼とは違うんですよね。それは絵でもきっちり描き分けされています。ほんとの彼は縫いぐるみを引きずって歩くあどけない幼児ですが、物語の中では動物達のお兄さん的存在。5、6歳の子供の姿でいながら、仕草や態度はもっと年かさの少年風に描かれてるんですね(ディズニーアニメの「プーさん」が気に入らない理由は多々ありますが、ひとつがこれ。クリストファー・ロビンが、ほんとにお兄さんになっちゃってるんですよね。「お兄さん的に振舞う6歳児」じゃないんですよ。あれじゃどう幼く見積もっても10歳にはなってる)。
ええと、石井さんの翻訳の話だ。
いつだったか忘れましたが、これのペーパーバックを見かけて買ったことがあります。英語なんて殆ど判りませんが(苦笑)、翻訳が手元にあるんだから照らし合わせて読んだら面白いんじゃないかと思いまして。そしたら。
高い木の上にある蜜蜂の巣に近付こうとして、風船で宙に浮かんでいるプー。下の地面に立っているクリストファー・ロビンに声をかけ、その度に彼は「なんだァい」「あいよう!」「あーい」と怒鳴り返してるんですが、原文を見たら、彼の返事はこうでした。最初の「なんだァい」は“Hallow!”。次は2つとも“Yes?”。
当たり前のことだけど、直訳、逐語訳しただけじゃ、小説を訳したことにはならないんですよね。原文が同じ表現でも、訳文では違う言葉を使い分けることもある。それが全く何ということもない会話文でも。
当然の配慮と言えばそれまでですが、訳者・石井桃子のきめ細かさに感心させられたものでした。
この本の対象年齢だった幼児の頃、最後の章の意味がよく判りませんでした。クリストファー・ロビンが森からいなくなるとは、つまりどういうことなんだろう。最後にプーと2人で魔法の丘にのぼり、そこからまたどこかへ出かけたのに、「ふたりのいったさきがどこであろうと、またその途中にどんなことがおころうと、あの森の魔法の場所には、ひとりの少年とその子のクマが、いつもあそんでいることでしょう」って……どこかに行ったのにいつもいるだなんて、変じゃないか。
気が付くまで何年もかかりました。自分自身が子供じゃなくなるまで。プーに世の中の色んなことを話して聞かせながら、急に「ぼく、もうなにもしないでなんか、いられなくなっちゃったんだ」と言ったクリストファー・ロビン。小学校に入ったんだ。もう、縫いぐるみを抱っこしてお父さんのお話を聞く小さな子供ではなくなってしまったんだ。……でも、どんなに大きくなっても、彼の心の中に、その思い出だけは残っている。
私にとって、「無人島に持って行く1冊」かもしれません。
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