手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
司馬 遼太郎
以下、無用のことながら
父の本棚まるまる一つを占拠している現状ながら、まだ全点揃えていないのは確かな司馬遼太郎。リストを作ってチェックしたりしている訳ではないので、ダブり買いを何度かやらかした時点で、購買意欲に衰えが生じて参りました。小説の主要作品はもう揃ってるし、『義経』とかは買ってないけどそもそも鎌倉時代にあんまり興味ないし。
それに、没後に未刊行のものを集めて新たに編まれたエッセイ集、なんていうのもあるんですよね。そういうのって何だか、厳密な意味で「司馬遼太郎の本」ではないような気がして、どうも食指が動かなかったんです。悪く言っちゃうと、出版社がもう亡くなった作家の名前にまだ一稼ぎさせようとしてるみたいで。
とか何とか言いながら、読んだらめっぽう面白かったこのエッセイ集。そりゃそうだ、収録の文章はみんな、紛れもなく「司馬遼太郎の作品」なんだもの。
エッセイ集と言いましたが、所謂エッセイの範疇に入らないものもかなり混じってます。他の著者の文庫本巻末の解説だったり、旧知の人の追悼文だったり。
「街道をゆく」シリーズなどを読んでいると、音楽のことは判らないと何度も繰り返していて、その通り、どこへ行っても音楽の話は殆ど出てきません。かろうじて、ポルトガルでファドを聞かせる酒場に行ったことを書いていたくらい。でも絵画や彫刻や陶芸など、眼で味わうものについては、これまたどこへ行っても実に熱心です。美術がほんとに好きだったんだなあ、というのがこの本を読んでいても判りますね。美術展の図録に寄せた文章がいくつも収められています。追悼の文章を書いている対象にも、「街道をゆく」の名(迷?)コンビだった須田剋太画伯を筆頭に、芸術家が何人も。
所謂普通のエッセイでは、題材が歴史ではなく現代の物事であっても、やっぱり小説と同じ司馬遼さんがいます。冷静で、落ち着いていて、でもどこか温かくて可笑しくて、ひょいっと思わぬ文献からの引用があったりして。
でも、追悼文はどこか違うんですね。あくまでもきちんと構成の整ったプロの作家の文章でありながら、どこかに「素」が滲んで見えるんです。こういう表現が妥当かどうか判りませんが、読んでいてちょっとわくわくしました。司馬さんでも、こういう文章を書くことがあったんだなあと思って。
500ページ超の厚い文庫本に71篇、実に読みでがありました。
ただ……本の中身には何の文句もないんですが、帯と裏表紙の文句は、ちょっといただけないなあ。司馬さんが書き続けたのは、「日本人の高潔さと美しさ」なんかじゃなかったと思いますよ。「人間の高潔さと美しさ」だったのじゃありませんか。
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