手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
鮎川 哲也
ヴィーナスの心臓 (1978年)
これも古本屋で見つけました。といっても、行く度にDVDやゲームのレンタルコーナーがどんどん広くなって、古本のスペースは縮小の一途を辿っているというようなところ。品揃えも決していいとはいえないし、バスを待つ間の暇潰し程度のつもりで覗いてみたんですが、いやあ、侮っちゃいけませんね。
日本ミステリ界の巨匠・鮎川哲也の短編集、なんですがちょっと毛色が変わっています。収録全7編、「犯人当て」の問題なんですね。
日本探偵作家クラブの例会の席上、余興のゲームとして出題されたものとのこと。問題編が朗読されたのち、30分間の休憩時間中に各自が推理をして投票。解答編の朗読、正解者の発表と賞品授与、となるんだそうですが。
「さて、私の作になる本編の場合ですが、まことに不思議なことに、人一倍推理力がすぐれていなくてはならぬ会員たちでありながら、本当の意味での正解者はただの一人もありませんでした。決してむずかしすぎる問題ではなかったのに……」とは作者の弁。何だか得意満面!という感じに見えますよ(笑)。
元々がそういう形式で発表されたものなので、この本でもまず問題編だけを7つ全部並べ、その後に解答編がこれまたまとめて付く、という形になっています。実は「薔薇荘殺人事件」と「悪魔はここに」の2編は、以前に別の本で読んだことがありましたが(「薔薇荘殺人事件」は、犯人当てに挑戦した花森安治氏の解答付き。何と、完全無欠の大正解でした!)、当然ながらその本は犯人当て特集ではないので、問題編と解答編がくっついた普通の短編の形になっていました。
で、普通の形だと、どうしても一気に読んじゃうんですよね。たとえ問題編のあとに一拍おいて「読者への挑戦」が掲げられていても、そこで止まって推理を試みたりはしない。いいやどうせ判んないんだから、とさっさと解答編へ行っちゃうんですが。
この本みたいに、解答編に行くためには巻末に飛ばなくちゃならないということになると、ちょっとは考えようという気になるんです。といっても結局歯が立たなかったら意味がないような気がしますが、あれこれ考えて降参した後で読む解答編は、「あっそうか!」の驚きと喜びがより大きいんですよ。
……しかし、実はひとつだけ、その喜びを味わい損ねてしまった作品がありまして。
冒頭の「達也が嗤う」です。この作品、北村薫のエッセイで名前だけ先に知ってたんですよね。昔、北村さんにこの作品を教えた人が、ミソはここだ、と言ったという話。
北村さんもミステリ作家です、本格原理主義者と呼ばれるお方です。決してネタ割りしちゃってる訳じゃないんです。
だけど!
想像がついちゃったんですよ……(嘆息)。あああっ、何も知らずに読んで騙されて、「おのれ鮎川哲也ー!」と叫びたかったよおお。北村さんお恨み申しますっ(涙)。
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