手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
野村 敏雄
伊庭八郎(いばはちろう) 戊辰戦争に散った伝説の剣士 PHP文庫
あわわ……コンサドーレ札幌が天皇杯ベスト4まで勝ち残ってしまいました(汗)。
そりゃあボランティアの交流会(忘年会?)では皆気勢上げてましたよ「元旦は国立だー!」って(言うのはタダだし!)。だけど実際に勝ってしまうと、期待してたくせに本気でびっくりしてるのは何故なんでしょう(笑)。準決勝の相手はバンちゃん出場停止とはいえガンバ大阪という強豪ですが、ここまで来たらもう言っていいよね。「目指せ優勝!」
って、浮かれてないで本の話だ、本の話。
「Go Plain!」Aki_1031さん が取り上げてて興味を持った本です。Akiさんご贔屓の伊庭八郎を描いた1冊。
この人についてはあまり詳しくないのですが、ざざっと簡単に調べてみた範囲では、「実は労咳を病んでいる」というパターンもあるようですね。でもこの作品の彼は健康体です。若くて元気で男前、直参(つまり江戸っ子)の天才剣士。時あたかも幕末の動乱期、旗本の誇りと意気地にかけて徳川家のために身を挺して闘う姿が格好良い。
作者は徹底的に八郎達に寄り添った目線で書いています。なので、滅びゆくものに殉ずる悲壮感とか、負け戦に突っ込んでいく哀れさとか、そんなものは微塵も感じられません。薩摩・長州の狡猾を憎み、徳川家に着せられた汚名を晴らそうと前向きに頑張る姿は、青春小説!とさえ思えるほど。
ただ、逆に。
徹底的に八郎達に寄り添っているから、ある程度予備知識のある読者でないと判りにくいところが多々あるような気がします。
たとえば新選組の登場のさせ方なんか、非常に中途半端な気がするんですよね。唐突に土方歳三の噂が出てくるんですが、その場はそれっきり。その後八郎が上洛する場面になって、ここで簡単に新選組の説明でも入るかなと思ったらそれもなし。そうか幕末ファンへのサービスでちょこっと土方歳三の名前だけ出したのか、と思ったらこれまた唐突に屯所を訪ねるシーンが……でもやっぱりここも、その場限りの細切れな印象です。
前にドラマ「獅子の時代」DVDの感想で、西南戦争のくだり、大久保利通と西郷隆盛の間にある友情がリアルなものとして感じられないという感想を書きましたが、この小説における伊庭八郎と土方歳三の関係にも、全く同じ感想を持ちました。言葉では何回か語られてるんですよ、喧嘩友達だって。でも、その言葉から立ち上がってくるものがない。
この作品中で新選組メンバーは、省こうと思えば省けてしまう存在です。実在の人物を全然無視するのも何だから出しておきました、ぐらいの扱いにしか見えないんだなあ。八郎が土方歳三の戦死を聞く場面、幕末ファンは自分の予備知識やイメージで補って、それなりに重い場面として読むことができるでしょう。でも、もしも幕末史の知識が全く無い人が読んだとしたら。「この土方って人、殆ど出てきてないけど、結局何だったの?」としか思えないんじゃないだろうか。
そうかと思えば、しつこく登場してくるけどその存在意義がよく判らないというキャラもいる訳で……私には正直、諏訪隼之助という人がこの小説に本当に必要なキャラだったとは思えません(汗)。まあ乱暴に言ってしまうと『燃えよ剣』における七里みたいなもんなんですが……でも諏訪のほうは八郎に執着してるけど、八郎はただ迷惑してるだけなんだよね(苦笑)。これで八郎のほうでも心底から「いつか決着をつけるべき相手!」と思い定めてる相手だというんなら別なんですけれども。諏訪が何で八郎の殺人剣を見たいなんて物騒なことを思うようになったのかも判らないし、散々引っ張った割りには決闘シーンもいささか余韻不足……ううう、消化不良だ。
そして、ラストシーンも……作者は、これが「余韻」のつもりなんですよね。でも。
蛇足(汗)。
うーん、具体的にどこがどうという悪いところがあるのではないんですが……で・でも、何かイヤな言い方になってしまいますけれども、ああやっぱり「PHP文庫書き下ろし」なんだよねえ、という感じの……新潮文春角川講談社幻冬舎、ハードカバーでは絶対にありえない。
司馬遼太郎、藤沢周平、池波正太郎、中村彰彦……文章の、切れ味と緩急と匂いが、どうしても決定的にレベルが違っているんです。
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