手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
ディケンズ, 池 央耿
クリスマス・キャロル
何か物凄く久し振りの気がしますが、普通に本の話です(←もともと読書日記だってば・汗)。
このところ、「新訳」がちょっと流行ってる気がしますね。サリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』(訳:野崎孝)が村上春樹で『キャッチャー・イン・ザ・ライ』になったりとか、テグジュペリの『星の王子さま』(訳:内藤濯)が池澤夏樹ほか色んな人の競作で訳されたりとか。
古典や名作の新たな読者を獲得するのにはいい試みだろうなとは思うものの、自分の好みとしてはあんまり食指が動きませんでした。同じ作家の作品でも、訳者が違えば随分印象が違ってきます。翻訳ミステリを読む上で、何度かそういう経験があるもので……ひとつのシリーズなのに、複数の訳者が互いの訳文をすり合わせることなく仕事しているものだから、巻によって同じキャラの口調が全然違うなんてことが起こっちゃったりもする訳で(苦笑)。
で、光文社文庫で始まった「古典新訳文庫」のシリーズにも、最初は「ふーん」程度の関心でした。誰が何と言おうとも、私にとって『星の王子さま』は断じて『ちいさな王子』ではないし、『飛ぶ教室』は高橋健二訳で決まり!なのです。
しかし。
新刊広告で『クリスマス・キャロル』の訳者名を見て、思わずあっと叫びました。
池央耿!
この本の訳者紹介欄には出ていませんが、私にとってはまず何よりも、アシモフ『黒後家蜘蛛の会』シリーズの名訳者です。今はなき「EQ」誌上では、ブラッドベリの老人ミステリも池氏の練達の訳文で楽しみました。単行本になった時、他の人の訳になっててちょっとがっかりしたなあ。
語彙が豊富で文章がなめらか。年配者の落ち着いた会話を、いかにも知性と人格を感じさせるように書ける人です。時代遅れだけれども上品で人柄のいい老婦人、とかね。
この池氏が訳す『クリスマス・キャロル』、うわあ、これは是非読みたい!
という訳で早速買ってきました。こんな薄い文庫本って、何年ぶりだろうか(笑)。
この話、うちにあったのは昭和37年(!)河出書房新社発行の「世界少年少女文学全集」のイギリス編でした(訳者は原島善衛という人)。しかし、今にして思えば、よくこれを入れましたね児童文学全集に! そりゃ、ですます調で平易な文章になってはいますけど。
読み比べてみたら、やはりというべきか、子供向けという制約のない池バージョンのほうが、こなれて読み易い文章になってました。原島訳のほうは、昔の児童文学によくあることですが、会話に敬語が多いんですよね。恋人を思い切ろうとする女性の台詞、
「ご自分でおえらびになった生き方で、幸福にお暮らしなさいませ」
というのが、池バージョンでは、
「あなたはあなたの道を行けばいいの。どうぞお幸せに」
となります。やっぱりこっちのほうが、現代ではしっくりきますね。
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