手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
坂木 司
動物園の鳥
さっきファイターズが勝ちました♪ このまま浮かれてしまいたいのはやまやまなんですが、しかしまだ札幌3連戦の初戦をとっただけですからね。地元胴上げを信じて明日以降も気を引き締めていきましょう、というところで読み終わってたのに野球にかまけてほったらかしてた(笑)本の話を。
凄く上手いとも面白いとも思わないし、欠点ならいくらでも指摘できるんだけど、むしろその故にか続きを確かめないではいられなかったシリーズ、完結編です。
『青空の卵』から『仔羊の巣』になった時は、「おお、らしくなったじゃないか、かなり」と感心しました。ですが、『仔羊の巣』から本作へは……うーん、持ち上げておいて落とすみたいなことになっちゃいますが、まだこのレベルなのかなあ。
完結編にして初の長編。自称「ひきこもり」探偵・鳥井とお守り役の友人・坂木のもとに持ち込まれた事件は、偶然にも、2人のトラウマにもつながっているものでした。過去を乗り越え、鳥井は、そして坂木は自立できるのか……という感動編、になっているのは判るのですが。
「文庫版あとがき」を読んでみると、作者自身「今自分で読み直すと恥ずかしく思うような部分が数多くあります」と書いています。良くも悪くも若書き、なんですよね。で、3冊目に到ってまだ、いかにも若書きだなあと感じさせてしまうところが多々あるというのは、正直、読んでてちょっと苦しいのです。
今さら言うことではありませんが、この主人公・鳥井の設定、やっぱり破綻してるんじゃないのかなあ(苦笑)。これまで、中学時代にいじめを受けて人間不信になった、としか判っていなかった過去の出来事がついに明らかにされる訳なんですが……「えー?」って思っちゃったんですね、実は。
確かにひどく陰湿で愚劣ないじめだ。だけど、中学生の鳥井真一の物言いは、そりゃもう確固たる自我の持ち主としか思えないものです。こういう口をきく超然とした少年が、学校に来なくなるというだけなら判る。でも、家から出られなくなる? その後十数年も、たった1人の友人だけに依存しきったいびつな(と、敢えて言います)生活しかできなくなるほどに?
しかも、そのたった1人の友人以外の人間はどうでもいいとどうやら本気で思っているような青年が、何でこんなに観察力と洞察力に長けているのか……1冊目の第1話の時点でいきなり、外に出歩かない君が何でそんなことを知っている、と突っ込みたくなる部分がありました(苦笑)。
老人の造型がまるで本当らしくないとか(今や、70代でも昭和生まれです。「わしは……と思ったんじゃ」なんていう喋り方をする江戸っ子のお爺さんがいるとはとても思えない)、読者に伝えたいことを全部登場人物に言わせてしまうから、いかにも作り物の台詞じみてしまうとか、3冊目ともなるとちょっともう大目には見られないかな、という感想になってしまいましたね。
リアルであると同時に小説世界の魅力的な住人でもある老人を描く都筑道夫、泡坂妻夫。10のうち7か8までしか書かないことで、却って10よりずっと多くのことを読者に読み取らせる北村薫、京極夏彦。こういう作家達を、私はどうしても基準にしてしまうので……。
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