手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
京極 夏彦
邪魅の雫

わー、やっと出た!
昨年は出版社のフライング情報にぬか喜びをしちゃったりと、いつになく待ち遠しい思いをさせられた「京極堂」シリーズ最新刊、『邪魅の雫』ついに刊行ですー!!
講談社も反省したんだか(笑)、「今度こそもうじき出ますから!」と予告広告なんか出してくれちゃったおかげで、まるで1点リードでロスタイム3分経過を待つかのようなやきもき感をたっぷり味わってしまいましたよ。職場のあるショッピングセンターで、書店の売上がいきなり1日だけ跳ね上がったのはひょっとしてこの本のせいだろうかと勝手に考えております(笑)。
丸2日、食事の時間も目は頁というありさまで(←いいトシして行儀悪過ぎだ自分)、やっとというかもうというか、読了致しました!
さあ、読んだからにはブログに書くぞっ、と意気込んだものの。
……か、書きたいけど書けない(汗)。
普通の小説だって、読む前に粗筋や設定が詳しく判っちゃったらちょっと興ざめです。ましてやこれはミステリ、しかも新刊。ネタ割りなんてもってのほか、しかし感想を述べようと思ったら、どうしたって内容に触れない訳にはいかない訳で……。せめて旧作なら、その旨あらかじめお断りした上で詳しく書くということもできるんですが……ううううう。
という訳なので、内容に突っ込んだ感想は後日に回します。たぶん半年ぐらい経ってからなら書いてもいいかなと(笑)。
このシリーズは常にそうですが、必ず次作のタイトルが予告されています。この『邪魅の雫』というタイトルも、3年前の『陰摩羅鬼の瑕』の時点で発表済み。そして、更にそれに先立つこと5年前の「百器徒然袋」シリーズで、大磯で起こった連続殺人事件として内容の予告がされていました。
で、読んでみると実際に、「百器~」の本島くんが「奇妙な事件」とか「新聞などに断片的に載った情報」とか言ってたのと綺麗につながるんですね。作者の頭の中には今後数年間にわたって書かれるべき事件の内容が、もう全部出来上がった形で入ってるとしか思えなくなってきます。
しかしここで、このシリーズの特徴をもうひとつ。作中時間を昭和27、28年に設定しながらも、そこで起こる事件や登場人物の言動は、読者に現代社会の流行や風潮や問題を容易に想起させるようになっていますよね。『姑獲鳥の夏』や『魍魎の匣』を読めば、ちょっと見方を変えれば医療技術の「進歩」をこんなにもグロテスクに描くことができるのかと考え込んでしまうし、『陰摩羅鬼の瑕』の由良伯爵の姿は、知識・情報の供給源をインターネットのみに頼って自室に閉じこもる、悪気はなくてもどこかで決定的に常識や世間知というものを欠いているオタク青少年そのものだし。
で、今作においても、近年もういいよと言いたくなるほどの流行、いや蔓延(苦笑)を見せたあるものが思いっ切りぶった斬られているのを筆頭に、色んな「現代の要素」を取り込んだ小説になっている訳なんですが。
当然のことながら、「大磯の連続殺人事件」が最初に予告された時点では、やがて刊行される頃にはこういうものが流行している、こういう物言いが増えている、なんてことは判っていない訳ですよね。つまり、この時に作者の脳内にあったのはあくまでも「事件」のみ、「小説」の全体像はまだ固まっていなかったか、でなければ、最終的に刊行されたものとは全く別の「小説」が構想されていたか、ということになります。

月並みな言葉しか浮かんできませんが、どっちにしても、京極夏彦、凄い!
1作ごとにどんどんレギュラーキャラクターが増えていく感のある京極堂ワールド、今回も『陰摩羅鬼の瑕』の脇役だった人が思わぬ登場の仕方をしてきました。しかし、このシリーズとしてはむしろ、登場人物数は少ないほうでしょうね。パッと見、ごくごく普通に殺人事件が起こっている(笑)という状況なので、警察関係者はどんどん出てくるんですけれども、釣り堀の親父や骨董屋や禅僧の登場する余地はなし。おやちょっと珍しいな……と思って読んでいくうち、ああそうかと思い当たりました。彼等が出てこないのは、「関係ない」、からなんだ……。
シリーズが今まで長く続いてきたからこその、ちょっと異色な展開ですよ。


余談1:カバー袖の著者近影、映画「姑獲鳥の夏」のセット内で撮ってますね。


余談2:で、気になるシリーズ次回作は『鵼の碑』というらしい。


余談3:いちばん心に残った台詞。


 「逢いたかったとか、久し振りとか、せめてこんにちはとか──そう云うことを云うものだろう」

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