手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
ドナ・アンドリューズ, 島村 浩子
恋するA・I探偵
ミステリというのは大抵の場合、登場人物表がついてます。最初にくるのが主人公。この作品の場合も例にもれず、「登場人物」という太字のすぐ下に、ヒロインの名前「チューリング・ホッパー」が記されているんですが……実は彼女、“人物”ではないのでありまして。
アメリカはワシントンDCのIT企業ユニヴァーサル・ライブラリー(略してUL)が開発した、極めて優れた人工知能パーソナリティ(略してAIP)。これが彼女の正体です。自ら学習するAIである彼女には、いつの頃からか人間と同じような感情さえ生じていました……というと、アシモフの『鋼鉄都市』みたいながっちがちのSFミステリかと思われるかもしれませんが、ご安心を。コンピューター用語は確かに頻出しますが、普通の現代ミステリです。
チューリングを作ったプログラマーのザックが突然出社しなくなったと思ったら、未明に彼のオフィスに忍び込んだ者がいた。防犯カメラでそれを“目撃”したチューリングは、何か事件に巻き込まれたのではと心配になって彼の行方を探し始めます。彼女が感情を持っていることを知っているUL社員のモードとティムも協力しますが、やがて全社的な陰謀が明らかになってきます。
読んでいて、かまたきみこの『クレメンテ商会』を思い浮かべました。あのマンガのヒロインはFAXやコピー機の「人格」に触れて会話もできるという特殊能力の持ち主で、彼女が出会う機械たちが人間の姿で描かれてたんですが、この小説に登場するチューリングをはじめとするAIPたちも、会話を読んでると思わず人間の姿を想像したくなってくるんです。チューリング、可愛いんですよ~! モードのアホな上司が勤務時間中にパソコンで遊んでるソリティアを、絶対に勝てないように細工しちゃったりとかね(笑)。
クライマックス場面では、思わずあっと言わされました。○○と思っていた人物が実は○○──ミステリの最早古典的とさえいえる手なんですが、うーん、気付かなかったなあ……不覚! 設定のユニークさだけに寄りかかってしまわない、書き方の巧い作者ってやっぱりいいですね。
しかし、邦題だけはこれ何とかならなかったのかなー。チューリングがザックに寄せる想いについて、作中ではっきりと言葉にされるのは実にラスト近くなってからなんです。それをいきなりタイトルにしちゃうっていうのはねえ……それも何だか妙に軽々しい感じじゃありませんか(苦笑)。
アメリカでは既にシリーズ4作目まで出ているそうです。早川書房さん、続刊希望!
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