手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
新井 素子
あなたにここにいて欲しい
『青空の卵』『仔羊の巣』における、鳥井と坂木の「ちょっと普通ではない程度にまで依存し合っている友人関係」の描き方から、この小説を思い出しました。
ここでは女の子同士の関係です。学業優秀、スポーツ万能、容姿端麗、だけど日常生活レベルではまるで非常識かつ無能力に近い祥子と、そんな友人の世話を焼き続けてきた真実。この2人も鳥井と坂木に負けず劣らず(笑)べったりです。一見、祥子が真実に頼りきっているだけのようですが、真実は真実で、祥子が自立して自分から離れていくのを恐れている。相互依存なんです。
他人に道を聞いたり駅で切符を買ったりということが出来ない祥子ですが、自宅でなら普通に家事もでき、かいがいしく料理を作って真実に食べさせたりしています。女同士で結婚できたら祥子をお嫁に貰うのに、などと思ったりしている真実。
で、何しろ新井作品なので、実はこれSFです。後半、秋吉台の洞窟の中で超能力者同士の対決という息詰まるクライマックスへとなだれ込んでいくんですが、ここで祥子と真実は、封印していた過去、見ないようにしていた感情を、初めて直視させられるんですね。母が子を思うように祥子を守ってきたと思い込んでいた真実ですが、そればかりではなかったことを認めざるを得なくなる。触れたい、抱きしめたい、キスしたいと望んでいたことを。
では、それは恋愛感情だったのか、というと。
そうじゃないんですね。
作者がそのつもりで書いていないだけではなく、読者も間違ってもそう受け取ることはないでしょう。これはあくまでも変形してしまった友情の形。お互い以外に愛情の対象がない子供時代を送った2人だったから、というだけのことです。
鳥井と坂木の関係も、作中の説明からいえばこれに近い訳なんですが……読んだ時の実感が、ねえ。地の文で何と説明されようとも、「でもこの描写って、恋人を見る目だとしか受け取れないってば(苦笑)」と感じてしまう訳で。
この筆力の差は……うーん、やっぱりキャリアの差かな。
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