手当たり次第の読書日記

新旧は全くお構いなく、読んだ本・好きな本について書いていきます。ジャンルはミステリに相当偏りつつ、児童文学やマンガ、司馬遼太郎なども混ざるでしょう。
新選組と北海道日本ハムファイターズとコンサドーレ札幌のファンブログでは断じてありません(笑)。


テーマ:
森 鴎外
森鴎外 ちくま日本文学全集〈025〉/森鴎外
水魚さんのところ で、かの文豪・森鷗外の「大発見」という作品のことを知ったのですが。
これがまあ大変な「大発見」なんですね(笑)。まず内容それ自体に笑い転げ、次いで、鷗外がこんなことを書いてるのか!という事実にしみじみ感じ入ってまた大笑い。笑いが一段落したところで、ふっと思い出したのです。
前にも話題にしましたが、ちくま日本文学全集全60巻。その25巻目「森 鷗外」を開いてみたら、ありましたよ、「大発見」。何と一番最初です(笑)。
という訳で早速全文を読みました。これ、小説じゃないですね。どう見てもエッセイです。
時は明治17年(1884年)、若干22歳の森林太郎二等陸軍軍医は、陸軍衛生制度調査及び軍陣衛生学研究のためドイツ留学を命ぜられます。ベルリンに着いた早々、公使から言われたのは「足の親指と二番目の指の間に縄を挟んで歩いていて、人の前で鼻糞をほじる国民に衛生も何もあるものか」という言葉。恐縮して引き下がった青年は、その後3年のドイツ滞在中、なるほど鼻をほじる人は一度も見なかった。本を読んでもそういう描写は出てこなかった。そして25年の歳月が流れた後、今や文豪・鷗外となった彼は、デンマークの劇作家の作品を読んでいる最中、ついに作中人物が鼻をほじっているという一節を発見したのです……!
「読者はクリストバン・コロンが望遠鏡の中に、白玉盤上一点の青螺を認めた時の心持はどうであったと思うか。キュリイ夫婦が幾桶かのヨアヒム谿谷の鑛屑を精錬し尽して、一ちょぼのラジウムを獲た時の心持はどうであったと思うか。発見者になってみなくては、発見者の心持は知れないであろう。」
何もコロンブスとキュリー夫人を引き合いに出さなくても(笑)という気になりますが、いやしかし、殊更に大真面目かつ大仰、しかも同時に軽妙な文章で、実に練達のエッセイです。大いに楽しませて貰いました……とだけ言って終われない気がしてくるのは、繰り返しになりますが、筆者が鷗外だからなんですよね。
この本に収録されてる短編を見ても、「じいさんばあさん」「山椒太夫」「最後の一句」「高瀬舟」「寒山拾得」「舞姫」……どれもこれも端整な作品ばかり。笑いをとる箇所のあるものなんてありません。
そんな人がこんな、まるで北杜夫か林望みたいなエッセイを書いてたんですか。しかもこの時47歳、軍での肩書は陸軍軍医総監・陸軍省医務局長!
“文豪”も一筋縄じゃいきませんね、ほんとに。
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