二人三脚

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二人三脚


 私が税理士をしていて、大事だと思うのは、顧客との「二人三脚」感です。

 これは、税理士に限らず、他人の代理を行う弁護士などの他の士業にも言えることだと思います。

 弁護士で例えれば、法律要件に事実を当て嵌め、事実認定をして、法律効果を出すという行為に終始する余り、法律に関係の無い事実に対し、聞く耳を持たなくなりやすいケースなどだと思います。

 税理士の場合には、弁護士と異なり、毎年顧問先から仕事を受けるので、「ツーカー」の度合いが高まりやすいです。そのまま、長期間に亘り、納税者が正確な理解をしないまま、申告が積み重ねられてしまう場合もあるのです。その結果、「蓋を開ければ玉手箱」といった場面に遭遇しかねないのです。


 顧問先にとって、長期間に顧問になっている税理士に対して、「ツーカー」の度合いが高いので、会社の状況を深く説明しないでも、自社のことを理解していると思いがちです。

 顧問先様は、説明の労力が少なければ、数値と向き合う負担が少ないので、ラクな状況です。

 こちら側も、顧問先の状況を理解することが少なくなるので、ラクな仕事になります。

 長年、同じ企業に関与させていただければ、ある程度、「感」が働くので、それ相応のことは理解ができますが、顧問先と毎日一緒にいるわけもありませんし、経営者が「どのように事業を進めようとしているか」といった、その心の底まで判るわけはありません。加えて、日々の変化などの外的要因もあります。


 顧問先には、「ウザイ」と思われてしまうかもしれませんが、ある程度、顧問先の変化に「ある程度」予測できるぐらいの状況把握はしなければなりません。そうしなければ、大きな落とし穴にハマるかもしれません。

 お医者さんの例であると、万年風邪の患者が、たまたま軽い結核であったを発見したとかいうケースに類似するのかもしれません。場合によっては、軽い結核が重度の肺炎を引き起こし、死に当たるかもしれません。

 私の業種である税理士業務の場合にも、ある程度の「感」に基づいた判断・経験則を重視し過ぎて申告書を作成し、その結果、その申告書が要因となって、顧問先に致命傷を与えかねない場合もゼロとは言い切れません。


 だからこそ、税理士は顧客との「二人三脚」感を大事にして、顧客と適切な関係を維持し続け、仕事を進めていかねければならないと「常々」思っています。

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