大いなる眠り (ハヤカワ・ミステリ文庫)/早川書房

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大富豪:スターンウッド将軍の豪邸に呼び出された私立探偵:フィリップ・マーロウは、スターンウッド家の次女:カーメンが賭博で作った負債で強請られていることを聞かされる。脅迫状の差出人:ガイガーの経営する古書店を調べたマーロウは、ガイガーが裏の仕事に携わっていることを突き止め、彼の自宅を訪れる。銃声を聞いたマーロウが踏み込んだ部屋には、ガイガーの死体を前に、放心状態でカメラの前に座る全裸のカーメンの姿が。。。



村上春樹訳バージョン。
図書館で借りました。

旧訳本は、今も私の本棚の手前のちょっぴりあいたスペースに横になり、<大いなる眠り>をむさぼっています。


ミステリィは苦手だけど、何故かマーロウだけは別。ラブラブ
マーロウが若い。目
33歳。
クリアだと感じるのは、あながち村上訳の所為だけでもなく、いつの間にか、私の年齢が彼を追い越していたことにあるのかも。


この物語、20代前半に、マーロウに嵌ってたときに読んでますが、ストーリィはいつもの如く記憶にございません。ドクロあせる
ただ、ラスティ・リーガンの行方だけは、物覚えの悪い私が、何故か憶えていました。
何故?



リーガンって、実は名前だけの登場なのですが、その存在感はハンパないです。

酒の密売業を営んでいて、妻であるスターンウッド家の長女:ヴィヴィアンを残し、カジノの経営者:エディー・マーズの妻と駆け落ちしたらしいのに、何故か好印象を与える男。
違法な商売してるけど、どこか”まとも”?な性格を感じさせるのです。
元アイルランド義勇軍の仕官で、舅であるスターンウッド将軍に気に入られてるというのも理由の一つかもしれません。


ヴィヴィアンを筆頭に、行く先々で出会う輩から、将軍の依頼がそんな行方不明のリーガン探しだと勘違いされるマーロウ。

どいつもこいつも、リーガン、リーガンって。
こんだけ連呼されりゃあ、頼まれてなくても、気になるよねぇ。
なにかあるって。
まぁ、あるんだけど。


でも、賢明なマーロウは、当然、首なんか突っ込みません。
しかし、状況は、彼にそれを許すことなく、物語は進行していきます。
すべての事件は、リーガンへと。


カジノに入りびたりの長女:ヴィヴィアン。
エキセントリックな次女:カーメン。
娘たちをもてあます父親である将軍。

大金持ちお金でも、思い通りには いかない人生。
否、それゆえに かな。
そんな将軍が哀れです。涙


スターンウッド家の初老の執事:ノリスとマーロウの含みのある掛け合いがお気に入りです。
お互いのプロとしての矜持がしっくり咬みあってて素敵。


それと、ちょい役で登場後、すぐ退場しちゃう小鳥くん(リトル・バード)とマーロウが呼んだちびの紳士:ハリー・ジョーンズに対するマーロウのやさしさに、ぐらっ恋の矢ときます。
ハードボイルドなのに、とってもウェット。
本当にカッコいいヤツを見抜くマーロウもまた、カッコいいヤツなのだ。

常に一分の隙もなくスーツを着こなし、自分の手で人を殺したことなんか一度もなくて、誰かを雇ってやらせるだけのエディ・マーズより、殺し屋:カニーノに出鱈目を教え、敢えて青酸カリをあおったハリー・ジョーンズの本質を見極め、彼の男らしさに敬意をはらうマーロウは、とってもとってもカッコいいです。


やっぱり、マーロウは誰が訳しても、タフで、やさしくて、カッコいいなぁ。ハート

そして、個人的には、一度聞いただけで住所を覚えられる彼の能力は、心からスゴイと思います。
私には、絶対ムリだわ。目汗



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