壁に着いたレイは、そこに4歳以下がいないことに気づく。家族全員で逃げようと考えていたエマは、ギルダの他のプラントの子達はどうするのかの問いで、4歳以下を置いていく決断をし、フィル(4歳)には、出荷が許される満6歳になるまでに、2年以内に必ず迎えにくると約束し、秘密を打ち明けていた。
待てるから置いて行ってと、聞き分け良すぎるフィル。
オフシーンで、フィルがノーマンから僕の代わりにエマを助けてあげてと頼まれる場面が描かれていて、ノーマンそこまで考えてたなんて……。
どこまで先読んでんねん。
と、天才過ぎなノーマンの行動に、驚くばかりです。
その上、これもレイには内緒で、ママ:イザベラの裏をかく壁の先への脱出方法までエマに託していました。
どこまでも、天才ノーマン。
巻頭の「登場人物紹介」で、ノーマンとクローネに大きながつけられてるのに胸が痛みます。
でもね、クローネの死のシーンはあったけど、ノーマンのそのシーンはなかったんだよね。
もしかして……。
と思うのは、私の希望的観測でしかないのかなぁ。
そして、イザベラとレイの関係に驚愕します。
他に4つもプラントがあるのに、フツーに考えるとイザベラの元にレイは置かんでしょ。
それとも、これは、イザベラの忠誠心を試しとんかな。
鬼は嫌なやつやな。
また、ママの子どもたちへの愛もあらわになります。
ママの行為は、好意的に見ると、緊急避難が永遠に続いているようにも思えて……。
涙です。
ようやく壁の外に出たものの、これが外は外で地獄なんだな。
動物を捕獲し養分とする植物――これが、またデカい。ハエトリソウくらいならかわいいけど――や、追手である言葉を話せる知性派の鬼だけじゃなく、服も着ていない下等種の野生?の鬼にまで狙われます。
その上、家もない、ごはんもない、社会さえもない。
生き残るのは、ほんま大変。
時に、顔が怖くなっても、しゃあないなぁ。
頼みの綱は、ウィリアム・ミネルヴァさんの残してくれた二冊の本(『ウーゴ冒険記』:手引書(ガイドブック)と神話の本:暗号書(コードブック))と現在地を知らせてくれるペン。
これまた、ノーマンも気づいていて、エマにレイに見せるよう伝言しています。
もう本当に、どこまでもそつがないノーマンです。
男の子にも、飼育監のような仕事があれば、鬼は絶対ほっとかないだろうな。
ノーマンが受けるかどうかは別にして。
しかし、壁の外は無法地帯。
皆と一旦別れ、野生の鬼に一人対峙するレイは、追手の手に落ち、高熱に倒れたエマと残りの者たちの前には、一人の少女が現れます。
味方?
それとも。。。
自由って
なんて美しく
過酷なんだろう
【おまけ】
◆誕生日
カバーのそでで公開されている誕生日を見て驚いた。
レイ―――→1月15日
ノーマン―→3月21日
エマー――→8月22日
ひえ~。
私の誕生日、エマと同じやん。
そして、「レイの本当の誕生日は別にある」とも書いてあって、それってどーゆーことと、謎はつきないのです。