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2011-10-25 18:47:00

「ぼくらはそれでも肉を食う」ハロルド・ハーツォグ

テーマ:book introduction
以前から気になっている、「肉」の問題。
犬を飼っている身であるためか、みんなが普通に食べている(もちろん、自分も普通に食べている)牛や鳥、豚などは、動物園等で見かけると「かわいい」と思う反面、日常的に食している自分のことを思うと、変に矛盾や疑問を感じてしまう。
人間に捨てられた犬や猫が毎日無意味に殺されていることに疑問は感じても、食における動物のこととなると、疑問に感じつつも、何となく肉を食べ続けてしまう。

この本は、上記の葛藤を持つ人に明確な答えをもたらすものではなく、ただ様々な観点から見た現実を教えてくれる。
また、食の問題だけでなく、実験動物や家庭の害獣と見なされるネズミ、動物同士を闘わせる闘鶏など、色んな動物の話が出てくるので、動物問題について広く浅く知ることができる。

私の希望としては、マックのハンバーガーが好きな人もそうでない人も、食肉用の動物が置かれている現実を知るために、この本の一部でも読んでほしい。そして、その現実を噛み締めて、ハンバーガーにかぶりついて欲しいなと思う。


☆気になったフレーズ
p158 犬は飼い主がテレビに釘付けになっていると、言うことを聞かない場合が多い。

p210 1925年の時点で、体重1 .1キロのにわとりを生み出すのに4ヶ月と4.5キロのエサが必要だったが、今は6~7週間で体重が2.3キロはある。

p215 1958年に制定された「人道的 蓄法」を含む、ほぼあらゆる動物福祉法が、家畜飼育場で生まれたブロイラーには適用されない。

p222 わたしたち人間が他の生物種について考えようとするとき、矛盾や葛藤を起こすのはやはり肉の問題だ。美味しいけれども、不健全で、気持ち悪くて、そして他の動物を殺さないと手に入らないことなのだ。

p263 ずっと昔、食べるために動物を飼ったり育てたりしていた何百万人もの人たちのことを考えてみるの。それが生き残る道だったのよ。~中略~自分で動物を殺してみたほうがいいのかも。~中略~責任を引き受けることが、恐怖をやわらげる薬になるのよ。

p285 医学のあらゆる進歩(新薬、新手術、新療法)は、どれも遅かれ早かれ生き物で試さざるを得ない。(中略)どの実験対象は、動物でなければ人間になる。

p292 暮らしの中で遭遇する動物たちにどんなレッテル(害獣、ペット、実験動物)を付けるかの方が、脳の大きさや幸福を感じるのかなんていう話よりもずっと、その動物の扱いを左右していることに。

p353 人類動物学という新しい科学が明らかにするのは、暮らしの中の動物たち(愛するもの、嫌うもの、食べるものすべて)に対するわたしたちの態度、ふるまい、関係も、やはりみんなが思っているよりもずっと複雑ということなのだ。





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2011-10-13 07:46:00

「悼む人」天童荒太

テーマ:book introduction
以前から気になっていたが、
図書館で偶然に出会い、衝動的に
手に取った本。
亡くなった人を「悼む」日々を過ごす主人公と、
彼に関わった人や家族が中心の物語。
死とは、愛とは何か。
そんなことを考えさせてくれる本です。
物語中盤までは、なかなか読み進めるのに苦労したが、
中盤過ぎてからは一気に読み進めることができた。


○気になるキーワード
p296お前を「悼む人」にしたものは、この世界にあふれる、死者を忘れ去っていくことへの罪悪感だ。愛するものの死が、差別されたり、忘れ去られたりすることへの怒りだ。そして、いつかは自分もどうでもいい死者として扱われてしまうのかという恐れだ。

p377怒りや悔しさを募らせていくと、亡くなった人ではなく、事件や事故という出来事のほうを、また犯人のほうを、より覚えてしまうことに気がついたんです。

p378亡くなった人の人生の本質は、死に方ではなくて、誰を愛し、誰に愛され、何をして人に感謝されたかにあるのではないかと、亡くなった人々を訪ね歩くうちに、気づかされたんです。

p404愛は完全な孤独の中では生じないものではないですか。

p434人はどのようであろうと、美しくあれる

p437誰かのためにね、その人のためになら、自分が少しくらい損をしてもいいって思えたら・・・それはもう、愛でいいのよ。



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2011-09-30 08:19:00

「天地明察」冲方丁

テーマ:book introduction
実在の人物で、日本人で初めて「暦」を作った『渋川春海』の物語。800年で2日も暦がずれていることを知った主人公が、実に多くの人の手助けを得ながら、新しい暦を策定していく。

暦=カレンダー位に考えていたけど、「今日という日が実は明日かもしれない」なんて言われると、自分もびっくりするし、不安にもなる。

今はグレゴリオ暦という暦を使っているらしいが、人間の生活に密着している暦そのものにとても興味をそそられた。

また、算額絵馬を見に行く主人公の姿から物語が始まるように、算術(今の数学)の話題がたっぷり出るけど、数学に嫌悪感をもつ自分でも、数学やろうかな?と思わせる魅力があった。


心に残ったフレーズ
○p187 ・・・星空を見た。この世に生まれてから何度見たかしれないものだ。これほどのものを毎夜目にすることが出来ながら、なぜ苦悩というものがこの世にあるのだろうか。


○p192 暦というものも実に不思議なしろものだ。日本全国、ほぼ同じものが出回っているにもかかわらず、自分が手にした瞬間、それは自分だけの時を刻み始めるのである。


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