葵さん百花繚乱!

報われなくても一応頑張ってます。

DMMさんのプラウザゲーム「フラワーナイトガール」の二次創作を掲載中です。

新設騎士団を率いる若き?英雄ロゼ・グランベルと花騎士サボテンを含む団員の戦いと日常を描いた、

「荒野に咲く華  この拳は正義のために」目次はこちら

不定期更新ですが頑張って書いてますので応援いただければ幸いです。


テーマ:

・・・・・・困った。


目の前ですすり泣くサボテンに、一体どう対応していいのかわからないまま


ただいたずらに時間は過ぎていく。


サボテンが泣いている理由は明らかだ。


僕の腕が使い物にならなくなったその理由が自分にあると思っているから。


実際のところ、サボテンのせいというわけではないのだけれども


いくら言葉を重ねたとして彼女は納得はしないだろう。


アルマトーレでの戦いで「僕が戦わなければ」今でも腕は使えたかもしれない。


サボテンが「戦う勇気を示せれば」僕は戦わずに済んだかもしれない。


きっと、彼女はそう考える。


考えている。


だからこそ、泣いているのだ。


「白い帽子の少女」は、6年前の自分を恥じている。


だが、違う。


そうじゃない、そうじゃないんだ。


あの戦いで確かに僕は両の腕を再起不能に追い込んだ。


だけど、ちゃんと得るものはあったのだ。


この手と引き換えにしても守りたかったものを、


僕は確かにあの時手に入れられたのだ。


だからこそ、リハビリが終わり復帰を命じられた時、


何の心残りもなく一線を退く気になっていたのだ。


それを、どうやったら伝えられるだろうか・・・。


ふと、外を見る。


もう、月が昇っていた。


淡く、静かに照らすその光を浴びながら、僕は思う。


言葉が足りないのなら、行動で示そう、と。




サボテンに向き直り、深呼吸する。


概念術を展開、「概念糸」を無数に創り出す。


糸という概念を支配した僕のイメージに合わせ、無数の糸が生まれる。


そして、その糸でサボテンを一気に縛り上げた。


「・・・!?


だ、団、長・・・?う、動け・・・これ…まさか…??」


そう、これが、概念術奥義。


僕の奥義は「概念糸」っていう。


その言葉に、サボテンの顔色が変わるのが気配で分かる。


「団長・・・!それ、つかっちゃ・・・だめ!


反動・・・また、団、長・・・傷ついちゃう・・・!だめっ!!!」


泣きながら激しく訴えるサボテン。


だけど耳を貸すわけにはいかない。


糸を操作し、両腕に拘束したままのサボテンを抱き寄せる。


ちょうどお姫様抱っこをするような形になり、若干照れくさいけど


もがく彼女を静かにさせるにはこれしかない、とそう思った。


案の定・・・


「だ、だだだだだ・・・団・・・長!?」


そう言って固まってしまう。


カチコチになった彼女に、そのまましばらく目を閉じているように命じる。


良いっていうまで開けたらだめだからね?


そう言うと、カクカクと首を縦に振る。


その顔のこわばり様につい吹き出してしまいたくなったけれど、我慢。


そのまま、糸を操って窓を開ける。


そして、概念糸を更に展開。


満天の星空の下へ、僕は踏み出していく。




概念糸は想いの産物。


「空中に張り巡らせた」糸を足場に、僕はただ歩みを進める。


肌を撫でる風に、サボテンも何か感じるところがあったようだけど、


おとなしく目をつむったままでいる。


どのくらい歩いただろうか。


頃合いかな、と歩みを止め、目を開けていいよとサボテンに伝える。


「・・・・・・団長?


一体な・・・・・・・・・・・・・・・・・え?


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・団長、これ、


夢・・・ですか?」


などと言いながら体が震えている。


それもそうだろう。


僕たちは、ブロッサムヒルの世界花をすら見渡せるほどの高みに立っていたのだから。


月明かりに照らされた美しい街並みは


人々の営みの明かりが宝石のようにきらめいている。


その輝きの一つ一つが、僕たちの守るべき命の灯。


この街が誇る空中庭園よりも高く


世界花のてっぺんよりもなお高く


手を伸ばせば月にも手が届きそうな、そんな遥かな高みから見渡す世界。


この世界に生まれたものの多くは、このような景色を見ることなく


その一生を終えることだろう。


こんなにも広く美しい世界を知ることなく、日々を懸命に生きる人々。


ささやかな出来事に、泣き、笑い、嘆き、喜ぶ。


そんな当たり前の平穏が、たくさん詰まった、世界。


眼下に広がるのは、そんな世界。





あの日、あの時至ったからこそ、僕は今ここに立っているんだ。


そう呟く。


「・・・・・・・・・・団長。


団長は…その・・・。」


腕の中で、紫の瞳が僕を見据える。


また、出会ってくれてありがとうな。


ただ、そう告げた。


「!?」


驚きに目を見開くサボテンを、気恥ずかしくて、直視できなくて、


・・・泣き虫なのは変わってないみたいだが、などと付け加えてしまう。


「・・・・・・・団長の、いじわる・・・。


・・・・・・・・でも、・・・・・・・・・・気づいてくれて、嬉しい…・です。」







それから、いろんなことを話した。


お互いのこと、今までのこと、知りたいこと、伝えたいこと・・・。


たくさん話をした。


世界の一番高い場所で、たわいのない話に花を咲かせる二人・・・。


これ以上ないくらいに贅沢て、濃密な時間、そうそう味わえるものではないと思う。


長々と話をして、サボテンの小さなくしゃみにようやく自分たちのいる場所を思い出し苦笑する。


さあ、帰ろう、僕らのいるべき場所へ。


……仲間たちと、ともに戦う戦場へ。




・・・少し恥ずかし気な様子で、でも相変わらずの無表情なサボテンを見送った後、


僕は本棚から一冊の古い本を手に取る。


代々のグランベルの継承者に託されるその本。


その本には、こう記されている。






アリシア・グランベル


フォスの友人にして始まりの花騎士の一人

その花の名を「サボテン」という






・・・僕は運命なんてものは信じない。


だけど6年前のあの日、薄れゆく意識の中で僕は確かに聞いたのだ。


何かの始まりを告げるかのような、雄大な鐘の音を。










そして僕たちは、新たな戦場へと誘われていく。























































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                

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