文芸部の16枚(表紙合わせて18枚
があまりにもきつかったので
6枚は小説にしちゃいました。
ちょっとベタです;;
幼馴染の悲しい恋物語的な?
やっぱり大衆には恋物語で喜劇が言いかと思って。
でもちゃんとお得意の感動物にしましたよ♪(何時からお得意に?
ではご覧ください(Word6ページ分なので少々長いです;;
‡ ショウタンペン ‡
Without Forgetting Me
ねぇ、この花知ってる? 勿忘草って言うの。 可笑しな名前だけど・・・かわいいでしょ? 山登った甲斐あったでしょ? でね? この花の花言葉はね?
「お父さんっ、もっと速く運転して! 今日は螢が私のために誕生日パーティー開いてくれるんだから! 遅れちゃ駄目なの!」
揺れる車内で後部座席に座った女の子、椋澪那(むくのき れいな)は運転席と助手席の座席の肩の部分に手を置き前傾姿勢で運転中の父に怒鳴っていた。
「ははは、大丈夫。 1時には着くよ。 パーティーには全然間にあうよ。」
「だからちゃんと座りなさい? 危ないわよ」
興奮気味の澪那に対して断然冷静な父と母は気楽な返事をする。 澪那は言われた通りドスンという程勢いよく座った。 しかしまだ興奮は収まっていないらしい。 窓から空を見上げニヤニヤしていた。
「螢・・・、薔薇の花くれるかな? くれると嬉しいな・・・。(早く会いたい。 それから螢に『おめでとう』って、言って欲しいな。)」
‡
「・・・はぁ~・・・。 ・・・さてと、起きるとするかっ。」
盛大にあくびして背筋を伸ばし、ゆっくりとベッドから起き上がる。 そして少年はカーテンを開けその日が始まる朝日を浴びる。
少年、須賀原螢(すがわら けい)の一日の始まりはまず身支度から。 顔を洗い、歯磨きをし、高校へ行く準備をする。 そして朝食を食べるために1階へ下りる。
「あ、そうだ。 ポスト見に行かなきゃ。」
忘れてた、と呟きながら玄関で簡単なサンダルを履きポストへ向かう。 そしてポストを開いて中から新聞紙を取り出す。 他に手紙などはないものかとポストを覗こうとすると中から一通の手紙が落ちてきた。
「? 何だ? ・・・あれ、これ俺宛だ。 でも差出人書いてねぇし・・・、なんか怪しいな。」
とは言いつつも気になったので新聞を脇に挟み家の中へ戻りながら手紙を開ける。 玄関に入り履いていたサンダルをちゃんと並べて家の中へ入る。 そして立ち止まると封筒から手紙を取り出し読み始める。 そこには、
『今回貴方を私のパーティーへ招待いたします。 此処へいらしてください。』
と記され、封筒の中にはもう一枚の紙が入っていたことに気付き見てみると地図だった。 此処ってこの地図のこの印んトコのことか、と再び独り言ごとく呟く。
それから螢は朝食を済ませ、学校へ登校する。
「結局・・・、授業中もこの招待状らしき手紙のこと気になって・・・今日の授業まともに受けてないぞ? だから俺のこの性格嫌なんだよなー。 『気になることあったら最後まで突き止める』って感じの。」
学校からの帰り道、持って行っていた手紙を太陽にかざしながら歩く。 そして立ち止まる。
「行ってみっか・・・。」
怪しいけどな、あはははは、と傍から見れば挙動不審な螢は家に帰って指定された場所へ行くことにする。
「そういえば、パーティーに着る服とかはあっちで用意してくれるって書いてあったよな? んじゃなんもいらねーか。」
といいつつも、お出かけ用の服装に着替え螢は家を出た。
指定された場所は町外れ。 普段は行かないような山道だった。
「(この道・・・、なんだか懐かしい・・・。)」
それから大分歩いてちょっと顔色に疲れが見えてきた頃、パーティー会場らしき屋敷の豪華ながらもどこか怪しげな門が見えてきた。 螢は門前に立ち尽くす。 そうやって屋敷の怪しげな雰囲気に呆気にとられているうちに、門がいきなり盛大な音を立てて開き始めた。 螢は吃驚してそこから少し退いた。 危うく腰が抜けそうだった。 そんな時、屋敷のインターホンから声がした。
『お待ちしておりました。 お入りください、須賀原螢様。』
螢は少し戸惑いながら無駄に、はいっ、と返事をして門の中へと入っていく。 すると玄関から使用人らしき人が出てきた。 顔がよく見えない。
「須賀原螢さまでございますね? こちらでございます。」
名を名乗らないそいつは扉を開き中に螢を招いた。 螢は従って中に入る。
「須賀原様、こちらのお部屋でお召し替えくださいませ。 お洋服はそちらの衣装部屋にございます。では私は部屋の外でお待ちしております故、何かおありでしたらお呼びください。」
そういって礼儀正しく部屋から出て行った。 それから螢は部屋を見渡す。
「・・・金持ちの家か? 相当広いし豪華だな・・・。 ・・・俺金持ちに知り合いなんていたか?」
それから部屋中をきょろきょろ見渡し、気楽にもまぁいいかとプラス思考にいこうと持ち直し衣装部屋に入ると今度は目を丸くする。 なんじゃこりゃ、と独り言をいいつつ部屋を見ると『衣装部屋』といいものの、掛けられていた服は1着だけだった。
「なんじゃこりゃ・・・これ着ろと? ・・・まぁ普通の奴だからいいか・・・。」
用意されていたのは燕尾服のホワイト・タイに似た服の逆モノクロ。 背広やズボンは白でシャツはグレーで蝶ネクタイは黒。 そしてもう1つ、
「何これ・・・、仮面? 超豪華なつくりだな・・・。 っつか派手? こんなの着けろと? 仮面舞踏会なのか?」
そして螢は興味本意で一度着けてみる。 すると変な感覚、と表情を少し引きつらせ、仮面を置いた。 そしてかけてある服を取ってみる。 まじかで見ると、
「こんなの着んの? ・・・恥ず・・・。 まぁ・・・しょうがないか・・・。」
と、やはり少し嫌なものだと思いつつ、螢はブツブツと文句をいいながら服を着た。 そして鏡の前へ立って自分の姿を確かめる。
「・・・なんだろう・・・、なんか・・・自分で言うのもなんだが・・・・・・似合ってるぞ・・・。」
それから部屋から出て待っていた使用人に声をかけた。 するとそいつは顔色1つ変えず、ではこちらです、と再び違う場所へ連れて行かれた。 そして着いた先は大理石で敷き詰められたとても広い部屋、というかパーティーを催す為だけに造られたような場所だった。 生まれた時から平民の螢には今まで全く縁のない所だ、という事はこの屋敷に入ってから分かっていた事だ。 そこで使用人が私はここで、といってその場を離れたと思うと前方から螢と同じくらいの女の子が現れた。 彼女は螢の前に立ち軽く一礼をする。 彼女はドレス姿でやはり仮面をつけていた。
「ご機嫌麗しゅう。 私が貴方を此処へ招いた者です。 え・・・っと・・・、れ、澪(れい)と申します。」
澪と名乗る少女に自己紹介されて螢は、あ、どうも、と適当な返事をした。 すると澪はあら、と一声。
「仮面は? 今日は仮面舞踏会ですので仮面をお付けくださいね。」
そういって澪は螢に微笑みかけた。
「あ、すいません。 今着けますね。(この澪って娘・・・似てる・・・。 喋り方から、笑い方まで・・・全て・・・。)」
「では、今日は私のパートナーとなってくださいますね? 螢・・・さん・・・?」
螢は澪に何かを感じ、即座にOKの返事を送った。 澪が笑む、その度螢はもっと笑って欲しいと思っていた。
「螢さん、あの・・・ワルツが流れます。 踊っていただけますか?」
澪はもじもじとかわいげに言った。 その言葉の螢の返事はもちろん決まっていた。
「ええ、いいですよ。 パートナーですからね。 ・・・だけど俺・・・自信ないですけど・・・。(昔一度・・・、遊びであいつと踊っただけで・・・って言っても徹底的に・・・)」
「では私がリードいたしますね。 私に合わせて踊ってください。」
そういうと澪は螢の手をとる。 そのとき曲が流れ始めた。 螢は周りが踊りだしたので慌てて澪の腰に手を回し澪を支え、基本の体勢をとる。 そして二人、踊り始める。
「あら、お上手じゃないですか。 こちらからのリードなんていらないですね。」
螢は顔を赤くした。
「あ・・・あの・・・、すいませんが・・・、敬語止めませんか? 俺・・・澪さんの敬語でない喋り方を聞きたいです・・・いけませんか?」
澪は少し目を丸くした。 そしてしょうがないな、と幼馴染が幼馴染に言うように笑んだ。
「いいですよ。 でも、そっちも・・・敬語は止めてね?」
螢は思いっきり笑って頷く。
それからは踊りながら色々なことを話す。
「今日はなんで仮面舞踏会なんか開いたの? なんかお祝い事?(今日は4月25日・・・あいつの誕生日・・・そして・・・)」
螢への返事をするとき、澪の顔が少し赤く染まった。
「今日は・・・私の誕生日なんです・・・。 だから実は・・・私の誕生日パーティー。」
また似てる・・・、と螢は思いつつ澪の顔をじっと見つめていた。 そしてはっとする。
「あっ、そうじゃん。 だったら言わなきゃだよね、誕生日おめでとう。(あの時から・・・いえなくなった言葉・・・)」
その言葉を聴いて澪は目を見開いていた。 そして顔がだんだん赤くなる、するといきなり俯いて小声で、ありがとうと言った。
それから少ししてから、それまでの沈黙が解けた。
「そういえばさ、なんで俺を招待したの? なんで俺を知ってるの?」
「・・・貴方が・・・私の昔の知り合いに似ていたから・・・。」
「へぇ、そうなんだ。 そういえばさ、俺も思ったんだ。 君に会った時・・・昔の友達に似てるなーって。」
螢は思い出に浸るようにどこか遠くを見る。
「会いたいな・・・澪那・・・。」
その瞬間澪の踊っていた足がいきなり止まった。 吃驚した螢は止まろうとしたものの澪の腰に手を回していたので少しバランスを崩して足を止めた。 澪はそれにも全く動じず、眼に宿っていたものが消えまるで身体全体が抜け殻になってしまったようにピクリとも動かず、瞬きまでしていない。 心配した螢がどうしたのといっても反応しない。 螢は澪の肩を揺する。
「大丈夫? 澪?」
低い低音の音が二人の周りで鳴り響く。 辺りは一瞬で暗くなり、澪の周りを黒い渦が取り巻く。 螢はパニックに陥る。 どうなっているのか澪に訊こうとそちらの方を向くと澪は仮面をゆっくり外そうとしていた。 そこに現れた澪の顔は、螢のよく知った顔だった。
「・・・澪那・・・」
澪はあの日死んだはずの澪那だった。 澪那は泣いていた。 螢は仮面を外す。
「澪那・・・何故・・・何故此処に・・・? お前はあの日・・・いや、5年前の今日・・・事故で死んだはずだ・・・。」
澪那は黒い渦に呑まれながらも俯いた。 とても悲しい顔をしている。
「五年前の今日・・・私は両親と螢の家に向かう所だった・・・。 でも・・・飛び出して来た歩行者に驚いて必死に避けた車の対向車線にいた私たちは、運悪くその車と正面衝突してしまった・・・一瞬の出来事で・・・何が起こったかも把握できないまま・・・私は・・・誕生日に死んでしまった・・・。 毎年楽しみにしていた・・・螢からの『おめでとう』の言葉と・・・たくさんの笑顔に囲まれる事・・・。 でもあの年は特に特別だった・・・。 だって・・・螢にボッコロの日の話をしたばっかりだったから・・・。」
そうあの日から数日前のこと・・・、澪那がテレビを見て嬉しそうに螢に話をしに来た。
『ねぇ、螢! イタリアのヴェネツィアって所知ってる? そこね? 私の誕生日、4月25日に、ボッコロの日っていう祝日があって、大切な人に感謝の気持ちをこめて1輪の薔薇の花を送るんだって! そういうのってなんかいいよね! 羨ましいな♪』
螢はその事を思い出す。 そしてあの日の悲しみまで思い出してくる。 泣きそうになる・・・。 すると低い音がさらに五月蝿く響きだした。
「だから・・・螢・・・私の所へ来て・・・。 私やっと・・・、貴方に会いに此処まで来たの・・・。 螢と一緒にいたいの・・・、・・・だからお願い、螢・・・私と一緒にこっちの世界へ・・・。」
澪那を呑み込もうとしていた渦が螢の足元に来て澪那の所へ引きずり込む。 螢は抗うが澪那の所まで呑まれてしまった。 澪那は螢の顔を包むように触れる。
「螢・・・お願い・・・、私の所へ・・・。」
澪那の涙が風で運ばれ螢の頬につく。
「っ・・・、駄目だっ!」
澪那の肩を螢が押す。 澪那の手は螢の頬から離れた。
「どうして? 螢、私の事嫌いになっちゃったの?」
澪那の悲しみが増すごとに、澪那の涙の雫が目から溢れ出すごとに、周りの渦はさらに強まる。 世界が歪み始める。 螢は澪那の肩を掴んだままでいた。
「違う、違うんだ・・・。 澪那? 俺は今まで澪那の事、そしてお前への気持ちを・・・一瞬たりとも忘れたことはなかった・・・。」
澪那の顔が少し明るくなる。 螢は澪那の肩から頬へ手を動かした。 優しく頬を包む。 澪那の泣いていた顔が少し柔らかく、優しくなる。
「でも・・・もう死んじゃって・・・あの日言えなかった・・・言葉があるんだ・・・1つは『誕生日おめでとう』そしてもう1つは・・・また会えてよかった・・・・・・『好きだ、澪那』」
螢が優しく微笑む。 溢れる想いが螢の眼から流れ出す。 そして澪那の頬に触れた手から澪那の想いが伝わってくる。
「(そうか・・・私はもう・・・死んじゃったから・・・・・・もう・・・螢には・・・。)」
澪那の涙は涸れない・・・でも悲しい顔だけするわけではなかった。 澪那の今の表情は微笑み。
「螢・・・螢・・・・・・・・・ありがとう・・・。」
その言葉から一瞬で光の世界に囲まれた。
「ありがとう・・・会えてよかった・・・生まれてこれて良かった・・・・・・螢・・・ありがと・・・」
最後の言葉の途中で澪那は光とともに消えていった。 そして澪那が消えてしまったと同時に空から一輪の薔薇が螢の下に落ちてきた。 螢はその薔薇を手に取り天を眺める。
「澪那・・・俺も・・・・・・出逢えてよかった・・・・・・。」
それからだんだんと光が薄れて元の世界に戻ろうとしていた。 螢は口を開く、光が消えてしまわないうちに・・・澪那の元に聴こえる様に・・・。
「澪那・・・さっき言った言葉・・・『好き』って言葉・・・。 あの言葉はあの日言おうとしてたんだ。 ちゃんと薔薇も用意してたんだよ? 薔薇を渡すときに言おうと思ってた。 あの日言えなかったけど・・・言えて・・・よかった・・・。 これ・・・ありがとう・・・。」
勢いよく溢れ出した涙を右手で覆い隠す。 螢の服は屋敷に入る前のままになっていた。 世界は元に戻り本当の姿が現れる。
「此処は・・・・・・そうか・・・そうだよな・・・山の上だから・・・。」
そこには屋敷の姿は跡形もなくあったのは小さな花畑。 昔に澪那に連れられてきた思い出の場所・・・。
「澪那・・・・・・ありがとう・・・。」
螢はその花を見ると涙を拭い、180度回転して走ってその場を後にした。
「(此処へはもうこない・・・此処は澪那との思い出の場所・・・そっとしておこう、澪那はきっと此処にいるはずだから・・・。)」
死者は生きている人に関わってはいけない
螢・・・生まれてきた、その世界で・・・・・・私の分まで・・・
笑って生きてね
私は笑った螢をどこかで見守っているね
ねぇ、この花知ってる? 勿忘草って言うの。 可笑しな名前だけど・・・かわいいでしょ? 山登った甲斐あったでしょ? でね? この花の花言葉はね? 『真実の愛』。 そして・・・
『私を忘れないで』
The End
‡ チョウタンペン ‡
こんな感じになりました。
で題名の意味が勿忘草の花言葉を英語化した奴ですね。
私を忘れないで
↓ ↓
Without Forgetting Me
ちゅうことで。
11月号が・・・・
9月号から11月号になったんっすよ・・・
なんとも・・・
悲しい事です・・・・;;;;