2017年5月22日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第201回です。

 

 

【俳句】

 

 

雨脚も・染めんばかりの・牡丹かな (大阪市 田島もり)(長谷川櫂選)

 

 

(かつては牡丹を過剰として好まなかった。年齢を重ねて好みは必ずしも「枯れ」の方向に向くわけでもないようだ。)

 

 

茄子(なす)苗に・色の主張の・既にあり (宇佐市 熊埜御堂義昭)(稲畑汀子選)

 

 

(みんな気づいていたけれど言うほどのこともないと言わなかった。「色の主張」という表現を得て天下に出る。)

 

 

【短歌】

 

 

 東北の・こっちの方から・兵士らと・米と娘と・電気送りし 

(南相馬市 齋藤杏)(高野公彦選)(馬場あき子選)

 

 

(慰安婦問題、それに限らず植民地朝鮮との関係、経済的にも法的にも、東北との比較で考えると見えてくるはずだ。)

 

 

三十六色の・色鉛筆がある・どれもおんなじ・長さのままで 

(名古屋市 茶田さわ香)(永田和宏選)

 

 

(どのようなドラマなのか、いろいろ推測させられる。)

 

 

寂しさに・蚕は共に・籠りしか・玉繭といふ・寸胴(ずんどう)の棺

 (前橋市 荻原葉月)(馬場あき子選)

 

 

(2匹の蚕が1つの繭を作ったものを玉繭という。かつては規格外品として疎まれたが、独特の糸の風合いが今は評価されている。)

 

 

茶畑を・父より継がず・持ち帰る・一株の芽を・食みほろ苦し 

(浜松市 松井惠)(馬場あき子選)

 

 

(筆者は該当しないのだが、多くの人たちがこの思いにとらわれている。「産業構造の変化」が生み出すもの。

 

 

 

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 2017年5月16日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第201回です。

 1日に遅れとなってしまいました。すいません。

 

 

【俳句】

 

 

牡丹に・懈怠(けたい)ありそめ・昼下り (浜田市 田中由紀子)(稲畑汀子選)

 

 

(100%、完璧でなくなるところに「美」を感じる精神。その「美」とは何だろう?)

 

 

考えに・考えぬいて・ほうほけきょ (伊勢崎市・小暮駿一郎)(金子兜太選)

 

 

(哲学句とも読めるし、うぐいすの自然な描写とも読める。)

 

 

八重桜・怒濤を庭に・持ち込めり (西東京市 岡崎実)(大串章選)

 

 

(あの咲き振りの「ただならぬもの」、たしかに「怒濤」。)

 

 

【短歌】

 

 

 青鷺が・蛙を捕らえ・振り上げた・くちばしの先に・空を蹴る足 

(寝屋川市 吉村良夫)(佐佐木幸綱選)

 

 

(エサとなり、死を迎える最期に、空を蹴る気合や、よし!)

 

 

あと五年・耐えんや・心壊れんや・砂漠の旅に・似る我が勤め 

(名古屋市 長尾幹也)(馬場あき子選)

 

 

(それを我慢させているのは「生活」?それがないなら捨てればいい。)

 

 

あの世でも・和尚さんには・逢いたいと・言いて呉るるあり・あの世はありや 

(三原市 岡田独甫)(馬場あき子選)

 

 

(そこを割り切った人が和尚さんなのではないか?)

 

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2017年5月7日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第200回です。

 転居のため東京からの通信はこれが最後になりますが、通信は継続します。

 

 

【俳句】

 

 

一番は・小学校の・夕桜 (藤沢市 小田島美紀子)(稲畑汀子選)

 

 

(桜が帯びてしまった「集団性」から離れる態度、これが意識されなければならない。)

 

 

春うらら・男の嘘は・定冠詞 (平塚市・岩崎桂三)(金子兜太選)

 

 

(いかなる意味で定冠詞なのか、わからないのだが、嘘をつく男として気になる。)

 

 

ベランダに・落花一片・到着す (桶川市 谷口雅子)(長谷川櫂選)

 

 

(この句にも第1句と通じる批評性がある。喧騒から離れてひとりの感慨。)

 

 

 

【短歌】

 

 

 朝空は・けざやかにして・言葉なし・沈む木星・昇る金星 

(神戸市 有馬純子)(佐佐木幸綱選)(高野公彦選)

 

 

(神秘を歌うものが少ない中での貴重な一首。)

 

 

 

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                             2017年5月4日

 

 

 安倍首相は憲法記念日の昨日(5月3日)、2020年に改正憲法を施行すること、改憲項目として9条に自衛隊の存在を明記することを宣言した。

 筆者は1121号において、自主憲法制定を唱える勢力による9条改正が無制限の集団的自衛権容認、そのことによる無制限の海外派兵、軍事同盟の参加に至るものであることへの攻勢防御として、現行憲法9条に次の1項を加えるという提案をしている。

 

 

 「3 我が国に対する急迫不正の侵害への対応については、前2項の規定は適用しない。」

 

 

 すなわち、「我が国に対する急迫不正の侵害」に対応するための自衛隊の設置、自衛隊による武力行使を認める「根拠」を憲法に明記するという案である。現在の自衛隊の合憲論が9条の解釈によるもので、ストレートにはわかりにくいという不十分性を解決しようとするものである。

 

 

 安倍首相の宣言は、この自衛隊合憲論が解釈によっていてわかりにくいという不十分性を突くものである。もし安倍首相の考える9条改正がその点の解決に限定されていて、従来の政府見解(47年政府見解と言われる。)の範囲をいささかなりとも越えないものであるならば、筆者は異議を唱えるものではない。

 しかしながら、安倍首相の考えがこの条件に合致するものとは到底考えられないのである。そのことは今回の安倍首相の宣言が「自衛隊の「存在」を明記する」としていて国防軍を創設するとする自民党の憲法改正草案の線に沿っているところから推定される。自民党憲法改正草案では国防軍の存在を明記するとともに、「自衛権」という従来から拡大解釈されてきた曖昧な概念が持ち込まれ、かつ国防軍の任務として「自衛権」にとどまらない広範な活動が書き込まれているのである。自民党憲法改正草案は活動範囲がほぼ無限定な軍事力を我が国が保有することを容認するものであり、また海外での共同行動を要求するトランプ的要請への我が国の対応を甚だしく困難にさせるものである。到底この線での憲法改正は容認できるものではない。

 一方、筆者の案は自衛隊の「存在」を明記はしない。「自衛権」という拡大解釈されがちな曖昧な概念を持ち込むことを避け、解釈の余地が極めて限定される「急迫不正の事態への対応」(この表現は47年政府見解において採用されている表現)という自衛隊の存在の「根拠」を憲法に規定する。そして、この憲法に規定された「根拠」によって可能となる対応、すなわち自衛隊の設置、自衛隊による武力行使は法律事項となるのである。47年政府見解を忠実に条文化したものであり、現在の国民一般の戦争と平和にかんする意識、自衛隊の存在を容認する感覚に合致するものと考えられる。そのレベルを超える自民党憲法改正草案及びその線に沿っていると思われる安倍首相の対応は国民を欺き、危険極まりないところへ国民を導くものと言わざるをえない。

 

 

 現在の自衛隊合憲論が解釈として正当であっても、成文法主義の立場から言えば不十分であることは否めない。安倍首相はその点を巧みに突いて、彼が望んでいる大きなものを獲得しようとしている。安倍首相の本当の意図がどこにあるかを国民の前に明らかにするためにも攻勢防御としての筆者の9条改正案がぶつけられるべきではないか。自民党内の良識派までをも含めて筆者の案の検討を求めたいと思う。

 

 

 

 

 

 

      

  2017年5月1日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第199回です。

 

 

【俳句】

 

 

野にあれば・男ともだち・うららけし (京都市 川端緋)(金子兜太選)

 

 

(「寄り来たる・男ともだち・うざったし」ということでもある。「手に取るな・やはり野に置け・やぼ男」。男女の距離感についての真理の句。)

 

 

 

【短歌】

 

 

 『男の子の・育て方』という・本を読み・なるほど夫を・少し理解す 

(さいたま市 石田優子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(ちょっと誤った育て方がされたのだ、夫は被害者だったのだ。批判から同情への転換。)

 

 

 

      

2017年4月24日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第198回です。

 

 

【俳句】

 

 

犬にほえ・られ遠足の・列歪む (高山市 大下雅子)(大串章選)

 

 

(一事をもってどんな遠足かを語る、すぐれ句。)

 

 

蕗の葉に・雨宿りする・子猫かな (横浜市 神尾幸子)(大串章選)

 

 

(出来過ぎの感があるが、その場に直面したら一句にせざるを得ないだろう。)

 

 

春愁を・抱へてゐると・思はれず (名古屋市 中野ひろみ)(稲畑汀子選)

 

 

(言われて驚く自分の迂闊。憂いなしなどあり得ぬことなのだ。)

 

 

【短歌】

 

 

 道徳と・いう教科無き・フランスは・小学生より・哲学学ぶ 

(諏訪市 小林幸子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(「お年寄りに席を譲りましょう」が道徳、「なぜお年寄りに席を譲るのか」を考えるのが哲学。哲学なき道徳は押し付けだ。「教育勅語」なんていうのは、それ。)

 

 

涙ふり・泣けるがごとく・咲くという・仏蘭西に咲く・〈cerisier(しだれ) pieureur(さくら))は 

(逗子市 織立敏博)(佐佐木幸綱選)

 

 

(しだれざくらを見る目が変わってしまう。)

 

 

教育勅語を・諳(そら)んじてゐる・園児にも・爺さん婆さん・ゐるであらふに

 (長野県 小林正人)(佐佐木幸綱選)

 

 

(指摘されて気づく、そこに爺さん婆さん(=歴史)はゐないのだ。そういう根なし草的家族が入園させている。)

 

 

ギザギザが・意地悪そうな・形した・あなたの部屋の・鍵までにくい 

(東京都 伊東澄子)(佐佐木幸綱選)

 

 

(そこまできたら、その鍵の形のギロチンで処刑だな。)

 

 

男なら・あの中にいたのよ・と老教師・学徒出陣の・映像を指す 

(三島市 渕野里子)(馬場あき子選)

 

 

(「男」という言い方がはらむメッセージ、複雑。)

 

 

 

 

                            2017年4月21日

 

 

 一昨年夏、国会周辺は安保関連法案に反対する万単位の大規模なデモ隊に取り囲まれた。学生・生徒を束ねた「シールズ」が旧来の労働組合系のデモとは異なる存在として社会の注目を浴びた。デモ周辺には右翼宣伝カーが登場し、参加者を緊張させる場面もあった。そのような中で、デモの取り締まりにあたる機動隊が秩序維持、混乱回避という態度に終始し、人々の誘導、柔軟な車道解放、右翼とデモ隊の完全な切り離し等々、デモを抑制するという行動をとらなかったことは特筆すべきことであった。この機動隊の行動は上部からの統一的方針のもとに採用されたものであることは間違いない。

 

 

 さて、次からが頭の体操になる。

 デモ隊と右翼の切り離しという機動隊の行動がとられないということが考えられる。「シールズ」を政治的に極めて好ましくない組織として、それに対する保護的行動を機動隊がとらないことを統一方針とすることが考えられる。その結果として「シールズ」と右翼が直接接触するような場面が生じたら流血の事態は不可避だ。60年安保反対運動においてはクギがついた角材をもった右翼が新劇人デモ隊に殴りかかったということが発生している。そのような衝突の発生を意図して機動隊の無作為という行動方針がとられることがありうる。無作為の作為はその意図の有無が明らかになりにくい。そこまでは想定していなかったということで片付けられがちだ。このような事態に対応して、「シールズ」の指導部は当然のことながら自分たちを右翼の攻撃から守るための防衛隊の編成を行うことになろう。それが指導部たるものの責任だ。そして防衛隊の行動方針を打ち合わせることになろう。「シールズ」デモ隊の中に入り込んで状況を本隊に連絡している右翼を発見したらどう対処するのか、乱闘中に拘束した右翼をどう処理するのか、逆に右翼に拘束された仲間をどのように救出するのか、事前に右翼の動きを把握する方法等々が行動方針の内容になる。この行動方針が基本的には正当防衛的性格だとしても、現実的対処のために傷害罪の内容を含む

ことはほぼ避けられないだろう。そのような冷徹なものでなければ流血の事態への対応方針とはなりえないからだ。

 

 

 このような傷害罪の内容を含む行動方針を検討し、作成し、メンバーに周知する、そのような事実をもって「シールズ」は「組織的犯罪集団」としての認定要件を充たしてしまうことになる。このような行動方針が樹立されれば当然に下見、道具の取り揃え等々の事前準備行為を伴う。

 このようにして、極めて政治的に好ましくない組織・団体と見なされれば、その組織・団体を「組織的犯罪集団」と認定しうるように追い込み、「共謀罪」として摘発することは可能となるのである。「敵」、上の事例では右翼、を有する組織・団体が「組織的犯罪集団」と見なされるような性格を帯びるというのは、よく起こりがちのことなのである。

 

 

 現在の「共謀罪」法案は市民運動弾圧の手段として利用される可能性が極めて大きいと言わざるを得ない。

 なぜ、「組織的犯罪集団」の認定要件をより厳密化して懸念を払しょくしようとしないのだろうか?それをしようとしないから疑惑が余計に深まるのである。

 

        

 2017年4月19日

 

 

 安倍内閣は教育勅語を憲法や教育基本法に反しない形で教材として使うことを認める答弁書を閣議決定した。松野文科大臣は道徳の教材として使うことを否定せず、義家副大臣は朝礼での朗読を教育基本法に反しない限り問題ないと言っている。稲田防衛大臣も教育勅語についての肯定的発言を繰り返している。

 あいた口がふさがらない。安倍首相は世界の諸国を区別するに際し、価値観を共有している云々というような言い方をする。その言葉を借りれば、教育勅語に肯定的態度をとる安倍首相及びその周辺は筆者と価値観を共有していないと考えざるを得ない。価値観を共有していないという判断が間違っているとすれば、その唯一の場合は、安倍首相及びその周辺が我が国の歴史及びそれを踏まえて獲得された価値観についてまったく無知である場合である。価値観の非共有、無知、いずれにしても教育勅語を正しく評価できないということは、民主主義国日本のリーダーたる資格が欠けているということであり、そのような人物をリーダーとしている我が国は深刻な事態に直面していることとなる。

 

 

 教育勅語の根本的問題は、そこに書かれているひとつひとつの徳目にあるのではない。教育勅語の根本的問題は、それが「勅語」、天皇が発した言葉という体裁をとっているところにある。

 公的な権力、あるいは公的な権威が、その力を背景に道徳に介入することは禁じられなければならない。これが戦前日本に対する我が国の反省である。憲法第19条の「思想及び良心の自由」は、単に国民の自由を規定するのみではなく、公的な権力、あるいは公的な権威は人々の思想及び良心に介入してはならないということをその実質的な内容としているのである。

 したがって、天皇の権威を背景とする教育勅語はそれ自体の根本的性格が憲法に違反し、教育基本法に違反しているのであって、それらに「反しない形で」「反しない限り」などという条件付けは、そもそもあり得ない条件づけであり、言語矛盾なのである。

 「忠君愛国」「滅私奉公」、それはひとつの思想としてありうるものではある。それを私人が語ることは許容される。籠池君がいくら語ってもそれを禁止することはできない。しかし、「勅語」として、あるいは首相夫妻の後押しによって語られてはならないのである。

 民主主義国の価値観、基本的価値観がここにある。

 

 

 毛沢東語録、金日成語録、筆者は読んだことはないが、おそらくそれらにも革命精神鼓舞の内容とともに一般的な道徳的内容も含まれているであろう。その道徳的部分をもって教材として使用することを安倍首相及びその周辺が認めることがありうるのであろうか?そんなことはまったく考えられない。道徳的に奨励されるべき内容があるから教育勅語はけっこうなものなどという教育勅語の擁護の論理は破綻しているのだ。教育勅語を肯定する基本的スタンスが先にあって、後から世間に許容されるだろう理屈をひねり出すから、このような論理破綻が生じるのである。胸の内をさらけ出すことなく、後付けの理屈で非民主主義的志向にしかるべき位置を確保しようとする、このようなやり方を「国民欺瞞」という。各種政策の問題以前の問題として安倍政権はこの「国民欺瞞」をためらわないという性格を抱えている。

 

 

 

        

2017年4月17日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第197回です。

 

 

【俳句】

 

 

旅はもう・望めぬ吾に・庭桜 (平戸市 辻美禰子)(稲畑汀子選)

 

 

(なぐさめとして庭桜があるのではない。庭桜が旅心を刺激しているのだ。)

 

 

日本中・歩きスマホや・四月馬鹿 (立川市 市川利次)(長谷川櫂選)

 

 

(ことばが浪費されている図。こころ少なきことばが日本中に充満している図。亡びを予感させる。)

 

 

【短歌】

 

 

 豚のえさ・集めておりし・ふるさとの・北斗七星は・北西にあざやか 

(ホームレス 坪内政夫)(馬場あき子選)

 

 

(深夜の都会での残飯収集作業。自己否定感が強ければ望郷はつのる。)(他に自己否定感からの歌が見当たらない。)

 

 

 

       

  2017年4月9日

 

 

 朝日新聞俳壇、歌壇からの印象句、印象歌の報告、第196回です。

 

 

【俳句】

 

 

戦争に・人を束ねし・桜咲く (東京都 三角逸郎)(大串章選)

 

 

(「潔い死」、それは否定しがたき「美」だ。そのことを利用する政治、それは紛れもない「醜」だ。)

 

 

音もなく・水輪となりし・落花かな (立川市 越智麦州)(稲畑汀子選)

 

 

(椿の花の重量感が伝わる。)

 

 

吸ひさうに・吸ひさうになる・石鹸玉(しゃぼんだま) (津山市 池田純子)(稲畑汀子選)

 

 

(ストローをひたした時の一瞬の迷い、経験がこの句で共有される。)

 

 

春のふくしま・美しい村があった (高松市 島田章平)(金子兜太選)(長谷川櫂選)

 

 

(散文ではない。それは説明可能だろうが、なにしろ大きな詠嘆がある。)

 

 

春愁や・聞けば聞くほど・藪の中 (静岡市 篠原三郎)(長谷川櫂選)

 

 

(嘘がつかれているのだから春愁となる。あの政治がらみの学校設立事件。)

 

 

【短歌】

 

 

 いつもより・ながくてすこし・きつかった・そつえんのひの・せんせいのだっこ 

(奈良市 山ぞえ葵)(選者4人全員の選)

 

 

(選者全員、この歌の不自然に気がつかないのだろうか?なんだか短歌界が情けなくなってくる。)

 

 

射殺しぬ・もう安心と・キャスター言う・猪親子の・よぎる画面に 

(名古屋市 長尾幹也)(佐佐木幸綱選)

 

 

(知らず知らずに感情形成ファシズムに巻き込まれていることへの警告。)

 

 

血球の・ごとくライトを・連ねゆく・午前三時の・日本の物流 

(可児市 前川泰信)(高野公彦選)

 

 

(衛星によって可視化されている。命あるごとき情景だ。)