美しくてファッショナブルな振袖を着た新成人。
今の着物って、こういう着方をするんだ〜って、
新鮮さも味わいながら、画面に釘付けになった。
私には、成人式の思い出というものがない。
あったとしても、修羅場の強烈なものしかない。
あれは大学二年生の頃。
独り暮らしの私の部屋に、両親が来ることに
なった。
今の夫と同棲中だった私は、夫の荷物を隠して
両親を呼んだのだが、結局バレて大揉め。
父親から「学費を止める」と言われ、
釈明しようとするも物別れ。
（結局卒業はできたけれど、私はそのまま夫と
結婚、父親とはもうかれこれ10年くらい
会っていない。
父親と夫は、未だにお互いの顔を知らない。
父親に、私の娘を会わせたのも今まででたった
一度きり。）
夫も一人っ子であると判明するや否や、
母親や祖母からは、「家はどうするんだ、墓は
どうするんだ。何ならお前が子供をたくさん
産め、そのうちの一人をこの家の跡取りにする」と言われた。
恐ろしくなった。私も、私の子供だって、
跡取りの道具にされてはたまったものではない。
唯一、おじいちゃんが私を精一杯庇ってくれた
けれど、実家はもう針のむしろ。
すぐに東京に戻った。
電車で江戸川を越えた時、やっとホッとして、
気持ち良く呼吸ができる感覚を味わったのを
覚えている。
同時に、こんな狭い見識の大人たちが
たくさんいる田舎を、心底憎んだ。
地元の誰に相談したって、四面楚歌状態だったから。
私の味方は、おじいちゃん以外いない。
もう、ふるさとを捨てる。そう思った。
成人式にも出席しなかった。
当然、成人式の思い出も写真もない。
娘がある程度成長した今、思う。
この子が成人式を迎える時、私はどういう
感覚を味わうのだろう。
可愛い晴れ着を着せたいとか思うんだろうか。
自分が成人式を経験していないので、
どうなるかわからないけどねー。
まあ、今は高校受験準備で、それどころでも
ないけど(^_^;)
つらつら書きましたが、お読みくださり
ありがとうございます。
ミッドランドスクエアに羽ばたく鳥たち
