黒猫の夢

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久しく見ることのなかった君のゆめ。




ベッドの中、気が付くと遠い昔に見慣れた君の部屋の天井。


体を起こすと、やはり見慣れた部屋が広がっている。


その奥で君はコーヒーを沸かしていた。


手には、君の家に置いていった僕のマグカップ。




僕が起きたことにきづいたのか、


”早くおいで”と君は笑いながら近づいてきた。


足元には黒い影。


君が知らないはずの、黒い僕の猫。


ニャーと君の足にじゃれついている。




君に手をひかれるまま、ベッドを抜け出した僕。


部屋を出ると・・・


子供が二人、朝食を前に座っている。


パパ早く!


!!!???




いつのまにか、僕は君と結婚してありふれた家庭を作っている。





僕の黒猫が鳴いた。


そんなところで目が覚めた。


目を開けると、いつもの僕の部屋の天井。





僕はまだ、君のことを忘れられない。

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灰色

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この季節、着るものに迷う。


Tシャツ1枚で出てきた僕はバカで


夕暮れが過ぎ灰色になった町で身震いをする。



隣で”バカだね”って笑う君は


そっとグレーのパーカーを差し出した。



ちょっと小さめのそれは


ダウンジャケットなんかより、


毛皮のコートなんかより、


ずっとあったかくて


そして、君のいい匂いがした。



もう、友達以上には戻れないとわかってるけど


妙に人肌が恋しくなる、そんな秋の夜。

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stray sheep

テーマ:

僕は羊。

寂しがりやの白い羊。

早く傍に来てくれないと泣いちゃうよ?

今日も黒い羊の振りをして

陽が沈むのを待っていたけれども

やっぱり黒い羊にはなれないんだ。


僕は羊。

黒くなれない白い羊。

ほったらかしにしてたら泣いちゃうよ?

今日は陽が沈んでから

4匹目の狼どんが遊びに来たけれど

やっぱり狼どんとは遊べないんだ。


だって


僕は羊。

泣き虫の白い羊。

今日も黒い羊になろうとがんばってる。

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白死

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目が覚めた。
ここはどこだろう?

白い天井は近いのか遠いのか?
白い壁にはめられたガラス。
細く開かれた窓の傍で
薄桃色の風が白いカーテンで遊んでいる。

あれから幾日が過ぎたのだろう?
白い部屋に散り急ぐ桜が舞い込む。

次は僕が散る番…。

誰かが僕の手を握っている。
瞳にたくさんの涙を浮かべて。

でも君はだれ?

そう尋ねたら君の睫毛が濡れた。
僕の手を強く握る君の手。
何かが零れ落ちた…温かい。

ごめんね、何も思い出せない。

今日も君は潤んだ瞳で
何かを語っていた。
何故そんなに悲しい顔をするの?
僕が君を悲しませているの?

そうだね、僕はもうすぐ…



風が吹いた。
君の香り。
何故か懐かしい。

何故だろう?

君を良く知っている気がするのに
君の傍にずっといた気がするのに。

…君はだれ?

瞳から零れる温かい液体。
これはなに?
どうしたら止まるの?

ねぇ、だれか教えて。


最後のお願い。
あの場所へ行きたい。
明日灰となっても
僕を抱きしめてくれた君を忘れないように。
二度と君を忘れないように。



僕は桜の木の下で君を想っているよ。

解放区。

テーマ:

身動きも出来ないほどのしかかっていた重圧から


解き放たれた瞬間。


行く手を拒むもののない喜びと


有り余った力への戸惑いと



そして



君との距離がぐっと離れた気がして


思わず立ち止まってしまう僕。




もう


ノルマはこなしたのだから、


ここまで二人で頑張ってきたのだから、


しばらく羽を休めよう。





そう


君は遠くへ旅立った。


僕はまだ飛び立てずにいる。


いつまで羽を休めるの?





さあ


休んでる暇はない。


君が呼んでくれた、僕の名を…


いまこそ羽ばたく時がきた。








"待ってるから"

雪。

テーマ:

今年の君の誕生日は雪が降った。


窓の傍に近づくだけで冷気に身を震わせる。






二十歳になる瞬間をあんなにも楽しそうに待っていた君は


今日、あの時の僕と同じ年になるんだね。






今年も君はまた目を輝かせながら


ロウソクの火を吹き消しているのかな?





ついでに僕達の思い出も吹き消してしまえればいいのにね。


そして真っ白な雪で全てをかき消してしまえれば。。。






雪で小さなケーキを作ったよ。


お誕生日おめでとう。

会いたい気持ち。

テーマ:

階段を上ると聞きなれた声。


僕は一瞬扉を開けるのをとまどう。




会いたい本音。




会いたくない戸惑い。




会えない現実。




久しぶりの君の顔に僕はどんな顔をするのだろう。


飲み込んだ唾が熱い。










目の前に君の笑顔が飛び込んだ。


気づいたら僕も笑顔。


素直に寂しいって言えた。


そんな我が侭にも笑顔で答えてくれた。







今は未だ照れくさくて素直に言葉にできないけど









あのね、ホントに大好きなんだよ。



とまどい。

テーマ:

日付が変わる。


曜日が変わる。


年も変わる。


想いも変わった。


新らしい年と共に迎えた新たな気持ち。





とまどい。






恋の仕方を忘れてしまった。


いや、恋の忘れ方が解らないみたい。




新年と共に届いた言葉。


嬉しいはずなのに…






"大好きだよ"






繰り返される度に言葉の重みが失われていく。


君の言葉を信じられない僕は


やはりまだ次に踏み出すべきじゃないのかな?

寂しい病。

テーマ:

友達が云った。






俺、お前の寂しい病うつったかも。







僕、寂しいのかな?


今まで忘れてたはずなのに


どんなに忙しくても


心の片隅に君がうずくまっている。







僕、寂しいのかな?


君に逢うまでは


一人の夜だって平気で寝れたのに


目を閉じると目蓋の裏に君がいる。









電話しようかな?


メールの方がいいかな?





そんなこと考えてるうちに夜が明けて


またいつもの雑踏に紛れていく。








次はいつ会えるんだろ?


色めく恋人たちの間を今日僕は


ベースを抱えて歩いていくだろう。





君がどこにいるのか知らないままに。

扉。

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君と並んで歩いた今日の午後。




何をするわけでもなく、


ただぶらぶらと。



口数の少ない君だけど、


面白くない僕の話に時たまふっと緩める口元が嬉しい。


長い指先は僕の腕の上で


軽くリズムを刻んでいる。




言葉にしなくてもわかる、君の気持ち。




僕の好きな音楽も聞かせてあげたら


君は嬉しそうにリズムをなぞっていた。






僕は隣でいつまでもその横顔を見ていたいな。







逢ったときからずいぶん変わったね、って云ったら


「だって心の扉、100枚くらいあるんだもん」


って返って来た。





10枚くらいあけられたかな?






そんな問いに君の笑顔の答え。


「あと5枚くらいで全部開くんじゃん?」





今日、僕は幸せでした。