そのまますぐに分娩室へ。
しばらくしてパパさんがお義母さんと一緒に分娩室へ入ってきました。
私が救急車で運ばれたあと、あんちゃんが大泣きしてとても一緒には連れてこれない状態だったので
義実家に二人を預けて、お義母さんが一緒に来てくれたようです。
もう一度エコーで確認してもらうと、赤ちゃんの心臓はすでに動いていませんでした。
同乗してくれた産婦人科の先生はおそらく着いたらすぐに帝王切開になると思うと言ってましたが
子宮口が開き始めていたこと(着いた時点では1センチでした)、経産婦である事、出血などの兆候が
まだ見られない事、何よりも手術することによって出血量が増えるとDIC(播種性血管内凝固症候群)
を起こしてさらに危険になるとの事で、普通分娩で出産させたいと説明を受けました。
もちろん長引けば促進剤の使用もありうるし、時間がかかりすぎるようなら緊急帝王切開になるとの
事で、いろんな同意書にサインをさせられるパパさん。この時パパさんは帝王切開になったら私は
死ぬと漠然と思っていたそうです。
両腕には点滴の針がいっぱい。両方で4~5本はあったと思う。
陣痛を促すために人口破水。羊水の色はまだ綺麗な状態だったみたいです。
破水したら徐々にいい陣痛が来始めました。
陣痛に耐えている間パパさんはずっと手を握ってくれていて、それが本当に心強かった。
時おり様子を見に来る医師が私を見て『冷静やな~』って言っていた。
普通はもっと取り乱したりするもんなのかな~。自分でも思うけど本当に気持ちは落ち着いてて冷静で
居られたんです。
普通分娩と聞いて最初はこの上まだ痛い思いをしなきゃならないの??って考えはしたんだけど、でも
これが私が栞菜にしてあげられる最後の仕事なんだ。栞菜はもっと苦しい思いをしたはず。
だから頑張らなくちゃ!!そう思ったら力が湧いた。
栞菜も一生懸命最後まで頑張ってくれていた。処置が始まったのが多分午後10時くらいだったと
思うのですが、12時くらいまでには生まれると思うとの先生の予想に反してあっという間に進み
どんどん降りてきてくれて、わずかな時間の間に子宮口の開きは8センチに。
慌ただしく分娩の準備が始まる中、イキみたい衝動に駆られる。
イキみたくなったらもうイキんでもいいよって言われて数回イキむと子宮口は全開になりました。
途中義実家に電話を入れに外に出ていたパパさんは戻ってきた途端にもう生まれますって言われて
かなり慌てていました。
分娩体制に入ってから本格的にイキむこと数回。
午後10時55分。産声を上げずに、栞菜が静かに生まれてきました。
最後は自分からくるんっと回って出てきてくれたようで、それを見て言いた助産師さんが
『出血が酷かったからびっくりして言えなかったけど、すごいって思ったよ。
ママが苦しくないように頑張ってくれたんだね~』
って後で教えてくれました。
パパさんを見ると、泣いていました。
生まれ出てくる瞬間まであったもしかしたらって思いが、力なくぐったりとした赤ちゃんの姿を見て
やっぱりダメだったんだって思ったら涙が出ていたそうです。
そんなパパさんに『ごめんね』って言ったら『大丈夫』って返してくれました。
分娩所要時間わずか47分。上の二人の誰よりも早く生まれてきてくれた栞菜。親孝行な娘です。
『赤ちゃんは悪くない。もちろん誰も悪くないんだけど。
今綺麗にしてもらってるから抱いてやってな』
先生が言ってくれました。
しばらくして、看護師さんが栞菜を連れてきてくれました。きれいにしてもらって、産着を着せてもらって。
まだ体温の残る温かい体を抱っこしました。お顔に頬ずりして、触れたほっぺの柔らかい感触は今でも
指に残っています。
パパさんと二人で可愛いね~って笑いあった。
とっても安らかな顔をしていて、本当にすごく可愛かった。
こんな状況でとても不思議なんだけど、満ち足りた幸せなじかんだったと思います。
あの時に写真を撮っておけば良かったとそれだけが心残りです。
あんちゃんとはるちゃんにも、生まれたての栞菜を会わせてあげたかった。
入院中栞菜はずっとコットに寝かされて病室で一緒でした。
看護師さん達も病室へくる度に普通の赤ちゃんにしてくれるように話しかけてくれてそれが嬉しかった。
ただ、病室から出される時にはいつもタオルをかけられていて、仕方ない事なんだけどそれが悲しかった。
火葬の前日の夕方に、パパさんが迎えに来てくれて栞菜を家に連れて帰ることも出来ました。
自宅では義両親や義弟、義妹も来てくれていてみんなで栞菜と一緒に過ごしてくれて、
多分私とパパさんだけだったら、こんなに立派に見送ってあげることは出来なかったと思う。
パパさんの同級生にお寺の住職をしている人がいて、お願いしてお経も上げてもらいました。
『人はこの世に生まれてきて罪を重ねて成長していく。
蚊を一匹殺すのも殺生でそれは罪になります。
栞菜ちゃんはそういうことをひとつもすることなく清らかなままで一生を終えました。
それはとてもいい事なんです』
これはその住職さんの言葉です。
とてもいい言葉だし、確かにその通りかもしれません。
でもそれでも、生きていて欲しかった。助けてあげたかった。
今回のことで、妊娠・出産が本当に命懸けの行為であることを身をもって学びました。
自分だけは・・・・・・そんな例外なんてない。そう思いました。
私の方は出血がかなりあったので退院する時点まで貧血と血小板の数値がかなり低く、しばらくは
鉄剤を飲んでいましたが徐々に改善されて来ていて、今は安定しない血圧を下げる為に降圧剤を
飲んでいます。
前回の診察で先生から
・今後産後三ヶ月は様子を見させて欲しい事。
・今後の妊娠についても話をして行きましょう。
・産後二ヶ月ほどして体の状態が非妊娠時の状態に落ち着いた頃に、血液検査をして今回の事に
何か原因がなかったかどうかを調べる事。
・これからまた妊娠をするにしてもしないにしても、体に何か異常があれば日常生活に支障が出る
場合もあるし、原因があればそれに対する対処をしていく事。
等の説明を受けました。
検査をしても何も原因が見つからない場合もあって、原因が何も見つからなかった場合は今回の事は
たまたまだったと思うしかなく、同じ事が2度起きる可能性は3%。
裏を返せば97%は大丈夫って事だけどねと先生。
退院後は毎日朝・昼・晩と血圧を測っていますが薬のおかげか徐々にではありますが数値は下がって
来ていて、でもこれって多分薬のおかげだし、今後薬を飲まずにやってけるようになるのかな~って
心配は尽きません。とにかく今は体の状態を整えることが一番の課題です。
長い文章を最後まで読んでくださってありがとうございました。
今妊娠されている全ての方が、無事元気な赤ちゃんに会えますように。心から祈っています。
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