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2011年01月11日

なぜ新子は空想するのか?

テーマ:マイマイ新子

新子新子が空想好きな女の子と聞けば、現実離れした空想に浸っているように思うかもしれません。事前にそんな情報を頭に入れてから映画を観た人もいるでしょう。しかし実際に映画を観てみれば、新子が想像しているのは非現実的な妄想ではなく、大人達から伝承された事実を膨らませているだけであることが分かります。そんなリアリストな新子ですが、一つだけ完全に新子の“頭の中のこしらえごと”がありました。“緑のコジロー”です。“緑のコジロー”だけは新子と一緒に同じ空想をしていた貴伊子にも見えてはいなかった。新子にしか見えない理由は最初のモノローグに、なぜ生まれたのかという理由は最後にさりげなく明かされていました。“緑のコジロー”は新子が考えたものだから自分以外には見えないこと、走るのが遅い新子が自身を奮い立たせるために生み出した競争相手であったこと。押さえておかなければならないのは新子の空想というのは現実逃避のためではなく、現実を知り現実をより良く生きるためのものであるということです。この映画は新子が鏡台に向かっている場面から始まります。自分が前髪の跳ね上がった青木新子であるという現実と向き合っている場面から。新子は千年前にお姫様が居たかもしれないという空想はしても、自分がお姫様だったらという空想はしない。これが新子が諾子になり得ない理由でしょう。貴伊子は貴伊子で弱々しく臆病な子というイメージを最初は持つでしょうが最後にはあの通りですし、決死隊の中で泣いている場面が無いのは実は貴伊子だけなんですね。

 

貴伊子新子情報過多な世の中を生きているといつの間にか掻い摘んだ情報だけで判断してしまいがち。ネットだと特にそうですね。一つの言葉で括っただけで分かったような気になってしまう。レッテルを貼る、あるいはタグを付けるようなものでしょうか。そんな決め付けがこの映画の中でどれだけ覆されていることか。先入観、固定観念を捨てて物事を見ることは実に難しい。“そんなこと分かってる”を疑ってみるのは大事なことです。

 

 

 




『マイマイ新子と千年の魔法』公式サイト

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


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