こんにちは。
たまには、大切な自動車保険のお話でもしましょうか。
「保険料が走る分だけでおトク」
お客さまから、相変わらずこんな話が飛び交っております。
おおかたの日本社の保険会社が、自動車保険の保険料を
さらに値上げしたところです。
こんな時いつもそうですが、
「いま宣伝している自動車保険が安いじゃないか」
「走る分だけ保険料を支払うのでお得、と言っているが
あんたのところはそんなことできないの?」
というご質問をよくお受けします。
「私どもの保険会社では、走行距離による保険料の算出方法は採用
しておりません。あしからず」
とそっけない返事を申し上げます。
「走る分だけの保険料でお得」ということについて考える
土日しか車を運転しない人にとっては、損する感じ(不公平感)が
するというのがこの仕組みの始まりです。
通販保険会社が主として採用していますが、どうして大手の保険会社が
この方法を採用しないのか、疑問に思いませんか?
一般的には、走る距離が長ければ長いほど事故に遭うリスクが高くなるので、
それをリスク細分型に走行距離を反映したのが走行距離による割引適用です。
リスク細分型の自動車保険って何でもお得だと思いがちですが、
どこかで安くなるケースがあれば、その分だけ割高な保険料を支払う
ケースもあるということです。
少しでも安いからという理由で、そこで保険に加入するのであれば、
しっかりと確認すべきことがあります。
■走行距離をオーバーしたらどうなるか?
■契約時において、走行距離は自己申告だけで良いのか?
■事故を起こした時に、次回もどこかよりも安い保険料で更新できるのか?
■もし、自己申告を偽っていて事故を起こした時にはどうなるのか?
■偽りの事実が分かった後でも、保険の更新ができるのか?
など、デメリットをあらかじめ詳細に確認しておかないといけません。
合わせて、保険内容や条件を含めてきちんと納得できるまで理解して
おかねばなりません。これが極めて重要な作業となります。
それは、更新の手続きを忘れないことも含めてすべて自己責任だからです。
それでも、
「リスク細分型といっても、やってほしいのは走行距離の割引だ」
そう思われたかもしれません。
推測ですが、大手の保険会社が走行距離を採用しないのは、大きな混乱が
予想されるからでは?
私は、走行距離の確認方法が定まらないからと思っています。
お客さまの自己申告で走行距離をお知らせいただくか、
保険代理店が現車を見てチェックするしか方法が見あたりません。
通販などでは、前者を採用しているようです。
お客さま申告であれば申込手続きはカンタンですが、
お客さまの中には、偽りを報告した方がいないとも限りません。
数多くのお客さまを相手にする保険会社です。
事故に遭った時、現車を確認してみると走行距離が申告と
まったく違っていた。
それも大幅に申告した距離をオーバーしていた実態が
明らかになったとしたら……。
これは明白な告知義務違反です。
それも事故の起こる確率が非常に高いケースでの悪質な違反行為。
いざ事故になって、まったく保険金が支払われないか、
公平の立場から、支払う保険金を減額して支払う。
そんなことが想定できます。
そんな事態に保険会社としては、それに見合う分だけの追加
保険料をいただくだけでコトを済ませるのでしょうか?
それでは距離の申告は、分からないからといって公然とウソが
まかり通りはしないだろうか?
それが何年もの間、申告の距離数が違っていたとしたら、
あるいは車を変更した後であったとしたら、
確認する現物も計器も資料もありません。
それを見越して走行距離による割引を採用すれば、
そのリスク分だけ下げ幅が小さくなってしまい、
魅力のない保険となりそうです。
割引感の薄いわりには、走行距離の確認の手間や、
困難な現物確認などの問題や告知違反をどう対処するかなど、
さまざまな問題を抱えるので、各保険会社は採用に踏み切れない
のでは、と思っています。
しかし、赤字続きの深刻な自動車保険。
値上げしか方法がなかった。
とても、値下げなどできないのが本音だろう。
値下げ競争は業界共倒れとなる。
それは、どの業種でも同じこと。


