Tosh's ~ 我家の生き物日記 ~

両生類や魚を中心に、我家の生き物のを紹介してます。


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ウパネタが続きますが、時節柄(笑)多い「ぷかぷか病」の話題を書いてみます。



まずは下の画像をご覧ください。




Tosh’s  ~ 我家の生き物日記 ~



これは孵化後1ヶ月ちょっとの稚ウパですが、身体の真ん中に白く光る部分が見えます。

これは魚の浮袋に近いものだと思ってください。厳密には、これが肺なのですが、「肺があるんだ!」って思い込まれてしまうと、「肺=呼吸する器官」と短絡的な結論になってしまって、ウーパールーパーを飼育する上での誤解につながってしまうので、ここではあくまでも浮袋とします(後で補足しますね)。


魚やウーパールーパーは、この浮袋に空気を溜め込んで、浮力の調整を行います。基本的にその浮力調整は自分の意思によるものですから、浮いていたい時には沢山空気を溜め込むし、沈んでいたい時には空気を抜くわけですね。そして上の画像でも分かるように、浮袋に空気が入っているからと言って、必ず浮く訳じゃ無く、水中を動きやすい程度に(無重力状態を想像するといいかもしれません)常にある程度の空気を溜めているんです。


ウーパールーパーをはじめ、水棲の両生類は時としてホゲ~っと水面に浮いているときがあります。これは異常じゃなくて、そうしていたいから浮いてる状態です。この時は、浮き沈みを自分でコントロール出来る状態ですから、キケンを感じたら潜って行きます。つまり、ウーパールーパーが水面に浮いているのが、全て異常じゃないってことですね。

ここで重要なのは、水面にウーパールーパーが浮いているからといって無闇に慌てないこと。魚にしてもウーパールーパーのような両生類にしても、飼育で一番重要なのは「そっとしておく」事です。彼らは自然下において常に敵から逃げ回っている弱者ですから、基本的にビビリなんですね。だから、水換えの為にホースやコップを突っ込まれたり、他の容器に移されたりする事が怖いわけです。病気でもなんでもないウーパールーパーを飼い主の勘違いで怖がらせないようにしてほしいって事です。

多くの場合、ただウーパールーパー自身が好きで浮いているのを「ぷかぷか病」だと早トチリした飼い主が、突っついたり水を換えたりして本当に病気にしてしまったりしているようです。これだけは避けたいですよね。



さて、ここからは本当の「ぷかぷか病」の話。

上の画像でも分かるように、浮力調整の為の浮袋は身体の背中に近い中心にあります。画像は無いのですが、真上から見ても身体の中心です。なので浮袋だけに空気が入っていれば、真っ直ぐの状態で浮いている事が出来ます。

ところが、エサの食べ過ぎなどで消化器系に異常が起きたときには、浮袋の下にある胃や、身体の後半にある腸にガスが溜まってしまいます。人間でも胃腸が悪いときにお腹が張りますよね? アレと同じと考えてください。

ウーパールーパーの胃は、真上から見ると中心から身体の左側にかけての位置にあります。そこにガスが溜まると身体の左側の方の浮力が強くなります。このガスが浮袋で調整出来なくなるぐらいになってしまうと、ウーパールーパーは身体の左側が上がり気味の傾いた状態で浮いてしまいます。そしてこれが更に悪化すると(溜まったガスの量が増えると)、身体の左側を上にして水面に浮いてしまったり、お腹を上にしてひっくり返った状態で浮いてしまったりします。

また、腸の方にガスが溜まってしまうと、今度は尻尾の方が浮いてしまいます。

つまり身体が傾いて浮いていたり、尻尾の方だけ浮いている状態が、本当の「ぷかぷか病」というわけです。


「ぷかぷか病」というのは、胃や腸などの消化器系にガスが溜まってしまって起る症状ですから、基本的にお腹の不具合です。ですからその原因は、ほとんどが食事にあります。

特に人工飼料は、粉状の原材料をデンプン(イモに多く含まれる成分)を使って固めていますから、発酵し易い…つまりお腹の中でガスになり易い性質があります。また当然ながら食べ過ぎもお腹が張る原因になります。

あらためて、ここでハッキリ書いておきますが、毎日沢山の人工飼料を与える事が、「ぷかぷか病」の最大の原因です。くどいようですが、エサは3日に1度、そして1回の量はウーパールーパーの頭の1/3程度で十分。また人工飼料だけで育てたい方は、5日に1度ぐらいが良いかもしれません。


ここまで書いてきた事から、「ぷかぷか病」になった際に水を換えるという行為が意味を持たないと言う事が分かると思います。ただウーパールーパー自身が弱っていなければ、何かの拍子にお腹のガスが出る事もあります。急に水換えされてビックリしたとたん…とかね。

でも、基本は安静にして、ウーパールーパーが自らお腹の中のガスを出してくれるのを待つしかありません。その際、ウーパールーパーが力みやすいように、足がかりになる水草をいれてやったり、場合によっては静かに水を抜いてやって、ウーパールーパーの足が底につくぐらいにまで水位を下げてやるのもいいでしょう。しかし、極端に水位を下げてしまうと…つまり水量を少なくしてしまうと、水質管理が難しくなってしまうので、次に書く「重症の場合」を除いては、水位を下げずに水草などの“足がかり”を設けてやるのがいいと思います。そして、これはお腹の具合が悪いために起きてる症状ですから、ちゃんと沈めるようになるまでエサを与えてはいけません。




お腹に少々ガスが溜まっただけの「ぷかぷか病」なら、前にも書いたように飼い主が無闇に慌てて要らぬ事をしないかぎり、大抵は自然に治ります。ところが、消化器系の機能が低下してしまうくらいウーパールーパー自身が弱ってしまっていて生じた「ぷかぷか病」は深刻です。人間でも風邪をひいたりして体調を崩すと、お腹の調子も悪くなったりしますよね。

内臓が上手く働かないぐらい弱ってしまっている状態では、残念ながら素人の我々では為す術がないというのが現状です。両生類の生態に詳しい獣医さんなら、抗生物質を投与して細菌感染を防ぎながら、その他の獣医さんにしか扱えない薬を使って体力回復を待つ事も出来るんですけどね。なので、浮いてしまってあまり動かないような状態になってしまったら、すぐに獣医さんに診てもらうか、悲しいかな覚悟を決めるしかないと思います。

もし、そのまま弱っていくのを黙って見ているのが嫌だという方がいらっしゃるのなら、水槽の底に足が着くぐらいにまで水位を下げ、ウーパールーパーが正常な姿勢を保てるようにしてみてください。マレに回復することもあります。


ウーパールーパー自身が弱ってしまう原因については、以前もここの「ウーパールーパー豆知識」というテーマにまとめたブログの中に書いていますので、ここで詳しく説明する事は割愛させていただきますが、とにかくそうなってしまわないような、正しい飼育をすること… これが何より大事でしょうね。





【補足: 浮袋のこと】


ここは、勘違いしないように、ゆっくり最後まで読んでくださいね(笑)


まず、魚の浮袋の事を簡単に説明しますが、浮袋が陸上で呼吸出来るように肺に進化した…というのは、誤りです。海で生まれた魚は、やがて淡水域に生活圏を広げていくわけですが、海水と比べて水中の溶存酸素が少ない淡水域では、エラ呼吸だけでは十分な酸素を取り入れる事が出来ず、その補助器官として消化器官である食道が分岐して肺が出来ました。この直接空気を体内に取り込める肺という器官は、水中で浮き沈みするのに便利でもあった為に、本来の呼吸器官としてでは無く、浮力調整用の器官として発達し(あくまでも魚の話ですよ)、それを備える事によって水中での運動能力を高めた種が、再び海に戻っていった… というのが、浮袋の進化過程です。つまり、肺が浮袋に進化したという事なんです。

さて、話をウーパールーパーに戻しますが、淡水域から海に戻らずに陸を目指したのが両生類です。こちらは、一旦浮力調整用に変化していった肺を元々の機能である呼吸器官に戻すことによって、陸に上がることが出来るようになりました。人間もそうですが、卵子が分割してから大人と同じ姿になるまでの間に、生き物はその進化の過程を早回しで辿って行きます。人間の卵子がお母さんのお腹の中で、最初は魚みたいな形になり、やがて手が生え足が生え、尻尾がなくなって赤ちゃんの姿になっていくようにね。

同様に、ウーパールーパーも、その進化過程の順を追って育っていきます。ウーパールーパーは、ご存知のように「大人の姿」ではありません。人間に例えれば、まだお母さんのお腹の中に居て尻尾が生えている状態です。なのでその肺も、本来の呼吸器官としての役目を取り戻す前の状態にあります。つまり、まだ浮袋なんですね。

超厳密に言えば、この「浮袋」でもほんの少しだけ呼吸をしています。だから「浮袋」が浮力調整用器官に特化してしまった魚よりは、少しだけ水中の酸欠に強いです。でも更に超厳密に言えば(笑)、この浮袋以外にも口の奥の方に呼吸の出来る器官を備えているからで、「呼吸の出来る浮袋」だけのためではありません。


ただこれを「ウーパールーパーは、肺があるから酸欠に強い」と単純に思い込んでしまうと、間違った飼育方法に暴走してしまう可能性がありますので、今までもあまり書きたくなかったんですね(笑)

だからこの小難しい理屈を覚えずに、「ウーパールーパーは、エラで呼吸しているけど魚のベタと同じくらい酸欠に強い生き物」と思ってもらったらいいと思います。






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