anesthemanのブログ

一般病院に勤務する麻酔科医です。ここは麻酔管理向上のための自己学習?の場です。解釈がおかしいときは指摘していただけると嬉しいです。


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(65-1) 輸液管理指標 ( 中心静脈圧;CVPから動的指標へ ) からのつづき。

(65-2) 輸液管理指標(動的指標)からのつづき。


輸液管理の指標には動的指標が適している。

Hemodynamic parameters to guide fluid therapy.
Marik PE, Monnet X, Teboul JL.
Ann Intensive Care. 2011 Mar 21;1(1):1.



Flo-Tracセンサーは動脈圧ラインとるだけでかなりの血行動態がわかる。
昔に比べればすごい低侵襲だ。

でも世界にはもっとすごいものがあった。
100%侵襲なし!

その名も「 NICOM 」

100% Noninvasive Guided Fluid Management

を売り言葉している製品のようです。
4枚の電極だけで心拍出量やSVVなどが測定できてしまう優れもの。
心電図レベルの侵襲度です。

画面例(最下部)

参考

はやく日本にも導入してくれる商社が現れると良いんだけど。
これは今後の周術期管理における原石かもしれません。

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(65-1) 輸液管理指標 ( 中心静脈圧;CVPから動的指標へ ) からのつづき。



輸液管理の指標の一番手が、
中心静脈圧(CVP)から動的指標にシフトしてきている。

Hemodynamic parameters to guide fluid therapy.
Marik PE, Monnet X, Teboul JL.
Ann Intensive Care. 2011 Mar 21;1(1):1.



動的指標は静脈灌流量を変化させた時に見られる心拍出量の変化を指標化したものである。
動的指標を使うことにより、
現在Frank-Starling曲線のどの部分に位置していて、
さらには、輸液反応性の可能性を推測することができる。

すなわち、輸液する前に、輸液した時の効果を推測できるので、
不要な輸液をしなくても済む。

これらは人工呼吸管理下か、
あるいは下肢挙上(passive leg raising;PLR)した時に評価する。

人工呼吸器管理下で得られる動的指標には、
PPV ; pulse pressure variation
SVV ; stroke volume variation
がある。

さらには
dopplerを使った、
aortic flow verlocity、stroke volumeの変化や、
echocardiographyを使った、
venacaval diameterの変化などもあるが、
結果は検者依存性で、連続測定に向いてないというデメリットがある。

これら人工呼吸器管理下で得られる動的指標の成り立ちは下記の通りである。
1. 吸気により右室の前負荷が減少、後負荷が上昇する。
2. 右室拍出量が減少する。(吸気末期が最小拍出量)
3. 左室前負荷が減少する。
4. 左室拍出量が減少する。(減少幅は呼気中が最小)
呼吸サイクルによる拍出量の変化を数値化している。

12~13%以上で輸液反応性があると評価される。
すなわち輸液負荷にて心拍出量が増加する可能性がある。

不整脈があったり、自発呼吸下では信頼性のある指標にはならない。
それから換気量も少ないとダメ。
8~10mk/kg(理想体重)が目安。

不整脈があったり、低換気量の時はどうするか?

→ end-expiratory occlusion test

これは呼気終末に呼吸回路を閉塞して人工呼吸を止め、
右室前負荷を上昇させることにより、
心拍出量がどう変化するか見るものだ。

5%以上の上昇で輸液反応性ありといえる。
不整脈や低換気の時も簡単に実行でき、
けっこう有用かもしれない。
(知らなかったけど。)

人工呼吸管理下でないなら、
Passive leg raising(PLR;下肢挙上)が有効である。
上体はできたら半坐位、下肢はフラット。
そこから速やかに上体はフラットに戻し、下肢は45度挙上する。
すると血液が中心にシフトし、心拍出量が増加する。
10%以上の上昇があれば輸液反応性があるといえる。

簡単に心拍出量が測定できるFlo-Tracは有用だ。
動脈圧ラインをkeepするだけという低侵襲さで心拍出量が測定できる。

でも世の中にはもっとすごいものがあった。
100%侵襲なし!

(65-3) 輸液管理指標 (NICOM:100%侵襲無し!)へ続く!

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輸液が足りなければ組織低灌流になり、
臓器機能障害を増悪させる。
過剰輸液も酸素強供給の妨げとなり、
患者の予後に影響する。

過剰輸液を恐れて、
hypovolemiaを補正すること無しに血管収縮薬を使用すると、
臓器低灌流を助長し、虚血の原因になる。

十分な臓器灌流があるのにさらに心拍出量を増加させようとすることは、
有益どころか、むしろharmful。

輸液は少なくても、多くてもだめ。

輸液量の適正さをどのように判断するのか?

Hemodynamic parameters to guide fluid therapy.
Marik PE, Monnet X, Teboul JL.
Ann Intensive Care. 2011 Mar 21;1(1):1.



周術期の指標の1つに中心静脈圧(CVP)がある。
このCVPが伝統的に輸液管理の指標として使われてきた。
最近のヨーロッパやカナダの調査でも
90%以上の集中治療医、麻酔科医が使用しているそうだ。

これはCVPは右室の前負荷の良い指標と仮定されてきたためだが、
実はCVPと右室拡張末期容量との関連性は乏しい。
しかも、
CVPと輸液反応性の間に関連が無いことを示した報告も今では無数にある。

CVPが低いとボリューム不足、
CVPが高いとボリューム過多、
といった誤ったdogmaが信じられているために、
こんなにも広く使用されてきたといえる。

今言われていることは、
CVPを輸液管理にルーチンに使用するべきではない!

では代わりはどうすれば良いのか?

しばらく前から一般的になってきた動的指標の活用である。

(65-2) 輸液管理指標(動的指標)へ続く!

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糖尿病はよくある術前合併症の1つである。

末期にいたるまで症状に乏しく、
病識が形成されにくいため、
知らず知らずのうちに微小血管障害は進行してしまう。

ちょっと古いが、
Anesthetic considerations in diabetic patients. Part II: intraoperative and postoperative managementof patients with diabetes mellitus.
Kadoi Y.
J Anesth. 2010 Oct;24(5):748-56. Epub 2010 Jul 17.


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麻酔科がらみではやはり血行動態への影響が問題か。

DM患者は非DM患者と比較し、
麻酔導入時に血圧はより低下し、
昇圧薬が必要なことが多い。
(35% vs 5%という報告も)
その反面、昇圧薬に反応が乏しいことも多いので困ってしまう。

血行動態の影響は各臓器共通したものではあるが、
とうぜん脳循環にも影響がある。

まず、脳循環の自動調節能が右方にシフトしている。
また二酸化炭素応答性も障害されている。

そのため灌流圧の低下で容易に脳血流量が低下する危険があるだけでなく、
酸素需要が増加しても、血流upによる酸素供給の増加を果たすことが難しい。

脳循環と網膜循環はその出自を同じくしているため、
糖尿病性網膜症の有無を確認することが大切である。

網膜症の有無は脳循環における二酸化炭素応答性の指標にもなる。
二酸化炭素応答性が障害されると、
周術期脳虚血イベントや術後せん妄のリスクにもなるため、
術前に糖尿病性網膜症の有無を確認しておくことは、
これらの予測因子として有用かもしれない。


ほかには筋弛緩薬への影響もある。
神経筋接合部の変性や、骨格筋自体の梗塞、萎縮などから、
肥立つ分極性筋弛緩薬の回復が遅延すると言われる。


周術期感染症への影響もある。
ざっくり言えば、
白血球の走化能や、貪食能が低下し、易感染性となる。
強化インスリン療法により、貪食能は回復し、創感染の減少が見られる。
ただ、強化インスリン療法は重度の低血糖が頻発するため、
現在では否定的である。

強化インスリン療法周辺の話題に関しては、
INTENSIVIST Vol.3 No.3 2011(特集:栄養量法)が読みやすい。

INTENSIVIST Vol.3 No.3 2011(特集:栄養療法)
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臨床医療をやっていると素朴な疑問がでてくる。

そのために色々論文引っ張ってきて調べるんだが、
自分で論文書いたことが無いと、
読んでも要領得ないことも多い。

あるいは、
自施設で解決できそうなclinical questionなら自分で臨床研究すれば良いんだけど、
やったことが無いとどうやれば良いかもわからない。

どうすればできるようになるのだろうか。

それには、やっぱり体験するのが一番!

でもどうやって!?


大学なら優秀な先輩がいて、手取り足取り教えてくれるかな。
でも、大学にいたとしても、優秀かつ、優しい指導者が身近にいないレジデントはどうする?
(優秀でも優しくなければ教えてくれないかも・・。)

当施設のような臨床中心の病院では、そもそもノウハウ自体が乏しい。
そんな病院で研修しているレジデントはどうする?。

後輩に指導しなければいけない世代だけど、
自分も十分に指導されたことがなくて、
どうしたら良いかわからない中堅医師は?。
(でも今更聞けない・・・。)

そんなDrsにお勧めな本がありました。

同僚に教えてもらいました。



特に論文作成のコツが秀逸です。
なんといっても明快かつ具体的。
大事なポイントをこれでもか!
というぐらい叩き込んでくれます。

この章だけのために買っても良いと思います。

もちろんこれだけでなく、
論文の読み方から始まって、
臨床研究のデザインへ。

pubmed検索のコツから始まって、
サンプルサイズの決定方法、統計解析法の選び方、
ソフトの使い方まで。

はては倫理委員会への申請のノウハウまでカバー。


これ一冊さえあれば臨床研究開始から、論文投稿まで全てカバーできるのではないでしょうか。
どんな優秀な先輩が身近にいたとしてもここまで1から10までは教えてくれないでしょう。
慣れないうちはこの本の真似から始めるのが良いと思います。

今後、当医局の(非公式)推薦図書としてレジデントに紹介していきたいと思います。


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日本集中治療医学会学術集会に参加してきました。
木曜日だけですが・・・。

そこで興味深い本を見つけました。
次はこれを読みたいと思います。

心臓・循環の生理学
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好奇心が刺激されます。
読んでから、同僚と色々アイデアを話し合うのは楽しいものです。
もちろん実際の臨床に活かせるように。








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