かふぇ・あんちょび

このカフェ、未だ現世には存在しません。

現在自家焙煎珈琲工房(ただの家の納屋ですけど…)を営む元バックパッカーが、

その実現化に向け、愛するネコの想い出と共に奔走中です。


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ブログネタ:征服されたい? 参加中
本文はここから

 
       ぞうパン


 ・・・・・・。

 なになに? ねこクンが機嫌悪い?
そうなのよ、昨日のお休みは案の定二日酔いで起きらんなくて、ねこクンからちょっと個人的に頼まれてた用事、やってないのよね・・・。

 それよりさあ、ぞうサン、ちょっとハナシ聞いてよ。

 ぞうサン、自分の好みにドンピシャの、ど真ん中直撃の異性に出会った事、ある?
ボク、あるんだよね・・・それも、あんまり好ましくない状況で。
多分あの出会いがなかったら、ボクの独立開業、1年くらい早まっていたはずなんだよねー。


 あれは10年くらい前、まだボクは旅から日本に帰ってきたばかりで、喫茶店で修行を始めた頃の事だったなあ。
その頃のボクにはまだ旅行中の金銭感覚が残っていて、喫茶店でもらう給料は、そんなボクにはちょっとした大金で、こんなに沢山どうやって使ったらいいんだろうって感じだったんだよ。
まだ自分のお店を持ちたいとか全然考えてなくて、その日その日が楽しければいいやと思っていたしね。

 そんなある給料日に、お店の悪いコックの先輩が、ボクを飲みに誘ったんだよね。
ほら、あるでしょう? おねえさんが隣に座って、お酒を作ってくれるようなお店。

 で、初めてのボクに担当として付いたおねえさんが、そんな風な、ドンピシャど真ん中直撃だったんだよなあ・・・。

 それからボクは、今考えるとゾッとするような金額のお金を使う訳だけど、何年後かにそのおねえさんは、幸せな結婚をしてお店を辞め、そしてボクはようやく長い夢から醒めるんだよね。
それが、えー・・・6、7年くらい前の話かなあ?


 さて、ここからが話の本番。

 おとといの夜、一緒に飲みに行った悪いホテルの菓子職人が、今夜はボクの独立前の最後の飲み会なんだから、高いお店で飲もうって言う訳よ。
それでボクは、本当に久し振りに、その想い出のクラブへと足を踏み入れたんだよね。
だって地方都市の飲み屋街だから、そんなお店っていったら何軒もはないんだもん。
菓子職人には会いたいおねえさんがいるみたいだったし。

 で、久し振りのゴージャスな雰囲気の中で、隣についたおねえさんに、いやあ実はボクにはこのお店にとても甘くてほろ苦い想い出があって、・・・って話をしたら、あら、何て名前のヒト、え?そのヒト最近お店に戻ってきて、今夜もいるよ、呼ぶ? って・・・。

 びっくりしたなあ。
ボクより少し年上だからもう若くはないはずなんだけど、再会してみるとこれがまた全然変わってなくて、相変わらずドンピシャのままなの。

 わぁ~、久し振り!とか素直に喜ぶおねえさんにボクも嬉しくなったんだけど、どう?幸せにしてる?って聞いたら、全然幸せじゃない って・・・。

 うーん。

 でも今のボク、お金ああいう使い方するの、もったいないんだよねー。

 ねえ、ぞうサン? ボクの話、ちゃんと聞いてる?

 ・・・・・・。

 ああ、旅行記進んでないって? わかったよ、次はちゃんと書くよ。


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 ・・・・・・。


 ・・・ん? なんだい、ねこ君、何か僕に話があるの?


         
       動物パン 発酵前


 ・・・・・・。


 ええ? みんなのいるココじゃ話しにくい?

でも、今ボク仕事中でキミ達を作ったばかりだし、ようやく成形の終わったキミ達を天板から動かすの、面倒なんだよね・・・。

発酵がすんで、オーブンから出てきてからでいい?



       ねこパン


 ・・・なんだか、今日のキミ、頭でっかちだね。

なんだい、話って?

大丈夫、他のどうぶつには聞こえないよ。


 ・・・・・・。


 ええ? 明日のお休みに紅茶のセンセイのトコに行って、先週こっそり忍ばせておいたキミの感想を聞いて来いって!?


 うーん、それはどうかなあ。

ボク今夜、ホテル時代のパン職人の友達とお酒飲みに行くんだよね。

ほら、ボク年に数回しか街に飲みに出ないし、睡眠不足だからいつも飲んだらへべれけになるでしょう。

明日は朝早起きできないと思うし、珈琲の焙煎も結構あるし、センセイには先週会ったばっかりで、助平な奴だと思われたらイヤだし・・・。


 ・・・・・・。


 え? じゃあもういい って、ちょっと諦めが良すぎない?

い、いや、ねこクンさあ、普通もうちょっとプッシュするよ?

ほら、ボクだって、今夜お酒セーブするかもしれないしさあ、明日思いのほか早起きして、珈琲焙煎すんなり終わっちゃうかもしれないじゃない。

そしたら、他ならぬねこクンの頼みとあらば、ボクだってさあ・・・


 ・・・・・・。


 ええ? 早くみんなと一緒に売場に並べて、次のパンを作れって?

焼きたてなのに、冷たいなあ、もう・・・。



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 ニューデリーを発ち次に向かう目的地は、ガンガー上流の町リシケシュである。

デリーの日本人宿の本棚に山ほど置いてあった 『 地球の歩き方 』 インド編によると、かつてかのビートルズの面々がインドでヨガを修行したのがこの町らしかった。


 まずは宿の近くらへんにいたリキシャのオヤジと延々と料金の交渉をして、デリー駅近くのバススタンドへと向かう。

 リキシャのオヤジは、ようやく料金交渉がまとまるか?と思う頃に、


 その腕時計をくれたらタダでいいゾ


などと言い出し、僕が左腕の時計を見せると、


 ああ? インド製? ジャパニのお前が?


と、あからさまに僕の自慢の時計を蔑むのであった。


 で、ひとしきり時計の話が終わると、まとまりかけた料金はまた振り出しに戻っているのである。


 やれやれ、なんて気の長い国なんだろう・・・。

街から出るだけでひと苦労だ。


 そうしてようやくガバメントのバススタンドにたどり着いたのに、今度は何故だかバスの客引きのにいちゃんに捕まってしまい、私営のボロっちい ” LUXUARY ” バスに乗ってしまった。

 ここらへん、料金が安くて目的地に着きさえすれば後はどうだっていいので、なりゆき任せある。


 実にボロっちい座席におさまって、例のごとく景色さえ見ているのか見ていないのか憶えてもいない放心状態でぼんやりしていると、日が暮れてからわけの分らない道端に降ろされて、バスはデーラドンという町に行ってしまった。


 んんん? どうなってんだ?


 とっぷりと日が暮れてしまっている何処だか分らないただの幹線道路の道端で突っ立っていても仕方が無いので、通行人のおっさんに、


 えーと、私は今ドコにいるんでしょうか?


と、なんとも情けない質問をしてみると、どうやら 「 ココ 」 はリシケシュの町まで9キロの地点らしかった。


 くっそー、客引きのにいちゃんには、デーラドン行きのバスに乗って本当にリシケシュに行けるのか、10ぺんくらい念を押して聞いたんだがなあ・・・。


 歩いたら2時間以上かかるぞ とか思いながらぼんやりしていると、乗り合いのオートリキシャがやってきた。


 お客が満員で、もう乗れない


とつれないことを言う運ちゃんにかまわず、逃してなるものか と無理やり客席にもぐり込んだ。

リシケシュの町まで4ルピー ( 13円 ) 。


 夜に新しい町に到着するのは、結構好きである。

この時の到着時間は午後7時くらいで、まさに理想的な時間だ。

裸電球やランプの露店の灯りの雰囲気が、これから始まる新しい町での旅をがぜん盛り上げてくれるのであった。

 暗くて細かい所がよく見えない っていうのが大事なポイントなのだろう。


 さて、今夜の宿を探そうか。



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 あうあうあう・・・



 こ、紅茶のセンセイから、珈琲豆の注文が入りました。



 ど、どうするんだ? オレ。


 チャイでも注文して、まだ明かしていないバックパッカーの身分をカミングアウトして、インドやスリランカの話でケムに巻いたりして、そ、そして、しょ、食事になんか誘ったりしちゃうのか? するのか!?





                恋の予感

       作詞/井上陽水  作曲/玉置浩二


     なぜ なぜ あなたは 綺麗になりたいの?

     その目を誰もが 見つめてくれないの?

     夜は気ままに あなたを躍らせるだけ

     恋の予感が ただ駆け抜けるだけ


     なぜ なぜ あなたは 「好きだ」と言えないの?

     届かぬ想いが 夜空にゆれたまま

     風は気まぐれ あなたを惑わせるだけ

     恋の予感が ただ駆け抜けるだけ


     誰かを待っても どんなに待っても あなたは今夜も

     星のあいだを さまよい流されるだけ

     夢の続きを また見せられるだけ


     風は気まぐれ あなたを惑わせるだけ

     恋の予感が ただ駆け抜けるだけ


     

コンプリートベスト/安全地帯
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 で、パン屋の仕事上がりに、コーヒー豆持っていきました。

粉だらけの服を気にしながら、頭の中は妄想グルグル状態で。


 時刻は午後3時過ぎ。


 それは紅茶のお店がもっとも賑わう時間で、センセイはカウンターでバリバリ立ち働いていました。


 だから私は、コーヒーを渡し、代金を受け取って、邪魔をせぬように帰りました。



 ・・・・・・ま、現実はこんなもんなのかなあ。


 一応、袋の中にはおまけのねこパンを入れておきましたけど。



 ううう、この歌の歌詞、改めて読むと、せつねーなあ。

 でもまあ、一日面白かったから、いいか。


 だ、大丈夫、まだ 「 予感 」 だけだから・・・。

大丈夫だって! 最近こういうのにさっぱり免疫がなくなっているのも、一旦火が着いたら突っ走り始めて自爆するいつものパターンも、ちゃんとわきまえてるって、・・・まだ今のところは。

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           珈琲工房アンチョビ


       自家焙煎コーヒー配達いたします


ご家庭で、職場で、ちょっとしたゆとりとやすらぎの時間を一杯のコーヒーと共に過ごしませんか?

珈琲工房アンチョビは、丁寧にハンドピックしたコーヒー豆を直火式焙煎機で少量焙煎し、良質で新鮮なコーヒー豆をお届けします。

ぜひ、あなたのお好みの一杯をみつけてください。


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   酸味、苦味、香味をバランスよく整えた中深煎りブレンドです。


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   深いコクと独特の香味があり、雑味の少ないコーヒーです。



           珈琲工房アンチョビ ○○ ○

              (    住 所    )

              (   電話番号   )

 



 ・・・ふぅ~っ、こんな感じです。

 始めはパソコンでいろいろやろうとしましたが、結局は手書きです。

 情報を一枚の紙に圧縮するのって、難しいですね。

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 ・・・というのは、私のトコらへんで流れている大型スーパーのテレビCMの歌ですが、私にとっても、火曜日は なんか ちょっと ウレシイ です。


 働いているパン屋さんの定休日である火曜日は、珈琲焙煎にまとまった時間の取れる日でもあるのですが、それでも更に時間に余裕のありそうな火曜日には、心待ちにしている行き先があるのです。


 そんな火曜日には、私は自分の珈琲豆とパンのお土産を持って、紅茶とハーブティーの講座を受けに行きます。


 私は喫茶店で働いていましたので一応紅茶を淹れる事はできますが、昨年末からこの紅茶専門店で習う講座を受け始めてみると、なるほど と再発見する事がたくさんあります。

 ・・・と言いますか、はっきり言うと私があの頃お客さんに出していた紅茶は、「 珈琲屋の淹れる紅茶 」 だったんだ、と反省する事しきりです。


 まあ、そうだろうな、とは思います。

私が専門にしているコーヒーのドリップにしてみても、あれでなかなか奥が深いのです。

 私がネルドリップを教わった喫茶店時代の師匠は、とても気の弱いやさしいオジサンでしたが、それでも私がドリップしたコーヒーを商品としてお客さんに出す許可をもらったのは、練習を始めてから3ヶ月後です。

 古くなった珈琲豆をもらって、ウエイターの仕事をするかたわらでそれはもう繰り返し繰り返し練習して、毎日まいにちいやになるほど自分で淹れたコーヒーを味見し続けたものでした。


 

 ・・・え? どこらへんが 「 なんか ちょっと ウレシイ 」 のか分らない?


 なんで毎回、珈琲豆とパンの手土産を持っていくのかって?


 いやだなあ、それはホラ、アレですよ。


 センセイが品が良くて、美人だから 


 ・・・・・・。


 私は普段の毎日を、仕事先のパン工房や自宅納屋の珈琲工房でパン生地や珈琲豆にブツブツ語りかけながら過ごしているんです。

会話と言えばパン職人たちとの下品な冗談か、お客さんからの突拍子もない注文や理不尽なクレームへの対応ばかりです。

 店舗経営の先輩でもあり、かなりの高レベルで珈琲について理解している素敵な女性との会話は、それはもうウレシイものなのです。


 紅茶ッテ、イイナア~、 ナンタッテ気品ガアルモンナァ・・・


 あー、今日も楽しかった。

次はいつの火曜日に行けるのかなあ・・・。


 と思いながらも、今こうして帰宅して早速自分のコーヒーを淹れて飲み、ようやくホッとしているあたり、やはり重症のコーヒー中毒です。


 

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 大都会ニューデリーの喧騒も、宿の日本人バックパッカーたちも、ひととおり満喫したので、この街を離れ北へ向かう事にした。


 バックパックの旅の醍醐味は何かと聞かれれば、僕がまず挙げるのはこの感覚である。

つまり、ある町に滞在していて退屈を感じたり、面白くない思いをした場合には、バックパックを担いでバスに乗って次の町へと行きさえすれば、そこには次のステージ、次の空白のページが待っているのである。


 僕の旅はこれ以降3年以上続き、その間僕はこの無責任で投げやりな感覚にドップリと骨の髄まで漬かっていたので、バックパックを降ろして日本での社会生活へと戻ろうとした時には、それはそれは大変な思いが待っていた。




 ・・・今では、生きていくっていう事はそんなもんじゃない とも感じますが、あの感覚が私の中から完全にぬぐい去られた訳でもないような気もします。




 まあとにかく、この時点での僕の次の目的地は、ガンジス川である。


 ガンジス!


 なんと旅のココロをくすぐる地名であろうか。

ヒンズー教の考え方では、この川はそれ自体が神格化もされているが、それもまた、いかにももっともな気もしてくる。

 時は12月中旬、僕の波乱に満ちた24歳という歳が終わろうとしており、その水で身体を洗えば全ての罪は清められ、死してその水に葬られれば苦しみに満ちた輪廻の輪を超える事ができるというその川で僕は沐浴をし、自分の誕生日を迎えたかったのだ。


 先の事を考えるのを放棄し能天気な旅を続けながらも、僕はそれなりにいろんな事を考え、思い悩んでいたのだろうと思う。


 


 ・・・ああ、こうして回想して文章を書いていると、なんだかやるせなくなってきました。

なんだかなあ・・・、今でもちっとも変わってなんかいないなあ。

相変わらず私はあの頃と同じ迷いの中にいて、なーんにもわかっちゃいないんですよねえ。


 あれから何度も何度もバスに乗り、数え切れないほどの新しい町に降り立ち、舞台を換え背景を換えてここまで来ましたが、相変わらず私は、全く同じ不恰好なステップで哀れなダンスを踊っているだけなのではないでしょうか?


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 その後も食パンの試作を続けています。

配合はほとんど同じですが、黒糖の分量を0.5パーセント程度調整したり、仕込みの時のグルテンの具合を変えたり、一次発酵の時間を調整したり、といった感じです。



       試作2号


                 試作2号


 1号で気になった甘さの調整の為、黒糖の配合を0.5%減らしました。

そのほかに1次発酵の時間をやや長めに取り、オーブンの温度を上火、下火共に10℃下げました。

 おそらく食パンとしての完成度はあがったと思いますが、その分食べた時の黒糖による懐かしい風味が減少しました。



          
       試作3号


                 試作3号 


 仕事先のお店であまりにも連発して自分のための試作を続けるのは気が引けますので、コンセプトと配合を多少変更し、お店の商品として開発する事にしました。

 この試作3号からは、国産小麦の代わりに、最近業者さんが持ってきたカナダ産のオーガニックの小麦を使用しています。

 また、黒糖の代わりにカソナードを、塩はゲラントの岩塩を使用し、バリバリの欧風オーガニックな食パンに仕立てました。

アルカン カソナード 1Kg
¥1,265
シェフの食材

 

 お店のオーナーが、これにちょっと腰が引けるような結構なお値段を付けて店頭に出してみたところ、


 ・・・売れちゃうんですよねえ、コレが。


 そう、最近忘れかけていましたが、私の働くパン屋さん、こういった食品に敏感な、品のいい30代ミセスのお客さんが多いのです。


 ふーむ、コレは私のとっておきのアイデアでしたので、この店で商品化してしまうのはいささか勿体無い気もしたのですが、まあ私の本来意図するトコロはかなりカモフラージュしてあるし、大手を振って試作を続ける事もできるし、なによりお客さんに受け入れてもらえるのはとても嬉しい事です。


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 明日デリーを発つという最後の日に、時計屋のにいちゃんと最後の値段交渉を行った。

 腕時計の値段は800ルピーからビタ一文下がらなくなって数日が過ぎ、交渉は膠着状態が続いていたのだが、にいちゃんに明日デリーを発つ事を告げると、彼はカウンターの引き出しから一枚のタイプされた紙を取り出して僕にこう言った。


 ジャパニ、お前がこの腕時計を本当に気に入って、本当に欲しいと思っている事はオレにはよくわかった。

日本にはこれより高性能で値段の安い腕時計がたくさんあるのだろう事も、時計屋のオレにはなんとなくわかる。

それでも、オレの国インドの国産腕時計を買いたいというお前に、オレもできるだけ安くで売ってやりたい。

だけど、この数字を見てくれ。

お前にだからコレを見せるけど、コレがウチの店の腕時計の仕入れ価格表だ。

どうだ、解るだろう? 800ルピーより値下げしてしまうと、店の儲けが全くなくなってしまうんだ。


 ・・・・・・。


 僕はもう、毎日通っているうちにこの時計が欲しくてたまらなくなってしまっていたので、彼のこの文字通りの最後の切り札を見て、素直に800ルピー、日本円で約2700円を支払い、硬い握手をして長い長い値段交渉に終わりを告げた。



 そしてその後、このインド製の腕時計は常に僕の左腕でインドの時を刻み、僕と共に僕の旅を旅した。



 

 今や私は日本に戻り、その日本の日常を送っている目から見ると、それはいかにも安っぽい金ぴかのデザインの、ちょっと身に付けるのがためらわれるような腕時計です。

 だけど、あの買い物はとてもいい買い物だったし、あの腕時計は確かに、かけがえのない僕の旅の時間を刻んだのです・・・。

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 さて、私のパン職人生活も退職を控えて残りひと月ちょっとになりましたが、私にはこの間にどうしてもやらねばならぬ事があるのです。


 そう、そもそも喫茶店で働き、珈琲の焙煎とドリップ、接客とデザート制作をやっていた私が、なにゆえにパン職人になったのかという事をもう一度考えてみますと、それは・・・、えーと、



 自分の店のサンドイッチに、自分で焼いたパンを使いたかったから



 ・・・・・・。


 ええ~!? それだけ? よくよく考えてみると、それだけだったのか!


 うへえ、そのために私は6年近くの歳月を費やし、夜中のとんでもない時間に仕事を始める昼夜逆転の生活を送り、毎日14、5時間工房に監禁され、もっとまともな収入とまともな生活を求めたカノジョと別れたのでした。


 くっそ~! ここにきてようやく己の使命を思い出しました。

これは、ガキんちょたちにどうぶつパン作って喜んでいる場合じゃない。

残された時間で、私は私だけのパンを完成させなければ!



 もちろん私だってこの6年間、ただこき使われて日々に追われていた訳ではない…と信じたいです。

という訳で、今日とりあえず試作1号を焼き上げました。


 ・・・じゃじゃ~ん!



       試作1号

           『 西国誉 ( さいごくほまれ ) 』



 原材料  佐賀県産国産小麦

        黒糖

        沖縄の塩シママース

        エクストラバージンオリーブオイル

         自家製天然レーズン酵母


 

 おお、我ながら第1号にしては上出来です。

 ただ、普段上白糖を使っているところに黒糖を使用したからか甘さの調節がいまひとつで、食事パンとしては少し甘すぎるような感じがしました。

 あと、100%を国内産小麦にした時のグルテンの具合がまだよくつかめていません。

 今日は工房にある材料を使用しましたが、黒糖は沖縄産、塩は愛媛の伯方の塩、オリーブオイルは小豆島産、という風に使いたいところです。

 一番気に入らないのは、ウチのお店の自家製天然酵母にはカリフォルニアレーズンを使用しているところで、西日本産の何かで天然酵母を作れば、真の 『 西国誉 』 となります。


 うーん、原価がバカ高くつきそうですが、方向としてはこれでいいのではないかと思います。

 卵や乳製品を使用していませんので、最近お店でも問い合わせの多いアトピーやアレルギー体質の子どもたちにも安心して食べてもらえます。

 頑張っている日本の農家の方々の応援にも、少しはなるかもしれないですよね。


 イーストを使って短時間で安価に作る普通の食パンと較べるとパン屋での大量生産には不向きですが、カフェでトーストやサンドイッチに使うくらいの量ならばなんとかなるはずです。


 ううう、いいのか、私の血と汗と涙の結晶、コレでいいのか?

 

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