神戸は2月に入り暖かい日が続いております。
時間のある時は昼食を食べながら
朝刊を読む(見る?)ようにしているのですが
今日(2月4日)の読売新聞朝刊の2面には
自然科学(細胞、DNA,遺伝子)関連記事が四つも載っていました。
一つ目はコラム「顔」に
グアム島の西方海域で世界で初めて産卵直後のウナギの卵を採取し
長年の謎とされてきた『ニホンウナギの産卵場所の特定』という
成果を挙げた塚本勝巳氏を
「謎に包まれたウナギの研究にのめり込んで40年近く・・・・」と紹介。
因みに採取した卵はDNA解析でニホンウナギと判明したそうです。
二つ目は
『毛髪コラーゲンで黒い毛フサフサ」という見出し
「17型コラーゲン」というたんぱく質を作り出す
毛髪の大本になる細胞「毛包幹細胞」に着目し
遺伝子操作でこのコラーゲンを作れないようにしたマウスは
生後約半年で黒い毛が白くなり
10ヶ月後までには毛が殆んど抜けてしまった。
このコラーゲンを作れなくなったマウスに
このコラーゲンを作る人間の遺伝子を導入したところ
黒い毛がフサフサと生えてきたということです。
マウス実験ですが、脱毛・白髪の治療応用が期待されるそうです。
三つ目は
『京大・島津製作所 iPS共同研究』という見出し
京都大学iPS細胞研究所と島津製作所が
iPS細胞(新型万能細胞)についての共同研究の契約を結び
安全性と能力をチェックできるマーカーの開発を目指すらしい。
そして、私が一番興味を持ったのは四つ目の
『小さなミジンコに遺伝子3万1000個』という見出し
淡水の湖沼などに生息するミジンコの全遺伝情報(ゲノム)を解読した
と米インディアナ大や東京薬科大などの国際研究チームが
4日付の米科学誌サイエンスに発表したそうです。
甲殻類のゲノムが解読されたのは初めてで
DNAのサイズは約2億塩基対と小さいのに
たんぱく質を作る遺伝子は少なくとも約3万1000個と
これまでゲノムが解読された動物の中で最も多かったというのです。
人間の遺伝子が約2万3000個なので
あの小さなミジンコが人間より1万近くも多い遺伝子を持っているとは
昨年の1月29日のブログ【60兆個対959個】
で
人間と線虫の細胞の数は60兆個と959個とこんなに違っているのに
遺伝子の数は約22,000と20,000で2,000しか違わない
そしてその7割が同じということにも驚きましたが
ミジンコの遺伝子が人間よりも多かったということにも驚きました。
また、ミジンコは有性生殖と自分をコピーする単為生殖を使い分けたり
魚などの捕食者が出す化学物質を探知して防御のトゲを増やしたりして柔軟に環境に適応するそうで
遺伝子が多いのはこのような適応能力に一役買っている可能性があるとも
動物自身が柔軟な環境適応能力を有するか有しないかということが
遺伝子の数に関係しているというのであれば面白いことです。
なぜなら我々人間は環境に適応するため自身を変化させるのではなく
暑い寒いなどの気温の変化には冷暖房具を用いるなど
道具を使って環境に適応しようとする動物のように思えるからです。
また、ミジンコは湖沼の食物連鎖の底辺近くに位置し
水中の昆虫や魚類にとって大事な餌となるため
長らく湖沼の環境を評価する指標とされてきたそうです。
農薬などの化学物質がミジンコの遺伝子の働きに及ぼす影響を調べることで環境への毒性をより正確に評価でき
同じ甲殻類のエビやカニの資源保全に役立つことも期待されるという。