コルンゴルト: 『過越の祝いの詩篇』 Op.30
2011-12-13 01:22:41 テーマ:音楽シュテファン・ツヴァイクによれば、ウィーンのユダヤ人たちの間では、シオニズムへの関心は低かったという。シュニッツラーがユダヤ人の問題を取り上げた作品『広野への道』を発表したとき、ホーフマンスタールはそれを非難した。ハプスブルク帝国の富裕層、知識階級で大きな勢力を持つにいたったユダヤ人たちは、出自を強調するよりもむしろ触れず、ハプスブルク帝国の臣民としての強い意識を持っていた。コルンゴルトもそうである。コルンゴルトはユダヤ人であることを理由にナチスドイツに排斥され、アメリカ移住を余儀なくされたが、その生涯を通じて、ユダヤ教、ユダヤ人を意識させる作品をほとんど書かなかった。そのわずかな例外が、 『過越の祝いの詩篇』である。とはいえ、詩がユダヤ教に基づくものであるにすぎず、音楽はいつものコルンゴルトの流儀であり、『死の都』や『ヘリアーネの奇跡』の甘美なアリアを想起させる。まったくもって、美しい音楽というほかない。
参考CD: ヤナーチェク 『グラゴル・ミサ』 他 リッカルド・シャイー(指揮)、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団、スロヴァキア・フィルハーモニー合唱団、他 LONDON POCL1856






