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ゲルハルト・オピッツ ピアノ・リサイタル

2009-11-15 21:55:08 テーマ:音楽

2009年11月15日 愛知県芸術劇場コンサートホール


ベートーヴェン: ピアノ・ソナタ 第15番「田園」、第18番、第26番「告別」、第21番「ワルトシュタイン」



オピッツのことは、現代を代表するベートーヴェン弾きと呼んでもよいであろう。オピッツは昔からベートーヴェンを演奏曲目の中心にしてきた。そして、ベートーヴェンのピアノ協奏曲全集、ピアノ・ソナタ全集の録音を完成させてもいる。オピッツのベートーヴェンは、知性と感情とが絶妙に均衡し、細部にまで肌理濃やかに配慮が行きわたり、全体の造型は堅牢であり、しかも高い技巧水準に支えられているのだから、まさに一つの理想と言えるであろう。今回のリサイタルでは、ベートーヴェンの中期を代表する堂々たるソナタが4曲演奏されたが、CDでの印象を一層確かにする好機となった。オピッツは、力むことも焦ることもなく、逡巡することも低回することもなく、これ見よがしにわざとらしい表情をつけることもなく、ほぼまったくミスタッチもなく、見事にこれら4曲を弾ききった。終演後の盛大なる拍手と声援は、オピッツの名演にふさわしいものであった。

名古屋ボストン美術館 『愛と美の女神 ヴィーナス』

2009-11-15 03:07:23 テーマ:その他
名古屋ボストン美術館の展覧会『愛と美の女神 ヴィーナス』を見てきた。これは、古代ギリシャから現代に至るまでの、ヴィーナスをテーマにした西洋美術を集めた企画である。ヴィーナスすなわちアフロディーテは、ギリシャ神話の女神であり、キリスト教から見れば異教の神ということになる。そのせいか、今回の展覧会においては、中世ヨーロッパの美術はほとんど見当たらなかった。キリスト教の呪縛から芸術家が解放されたルネサンス期に、にわかにヴィーナスをテーマにした絵画や彫刻が増え、今日に至っている。私は数々のヴィーナスを見ながら、ウォルター・ペイターのルネサンス論や古代ギリシャ論を思い出した。それにしても、ヴィーナスというたった一人の女神から、長きに渡って多種多様な美術作品が生まれていることを知ると、西洋美術における古代ギリシャの影響がいかに大きいかを痛感させられる。今後、古代ギリシャについて教養を大いに深めたいものである。

林健太郎 『歴史の流れ』

2009-11-03 22:52:06 テーマ:その他

ドイツ史の研究者、林健太郎が書いた西洋史である。200頁程度の文庫本という制限のため、主にメソポタミア文明からルネサンスの頃までを扱い、その後については簡潔な概略を記すにとどまっている。林健太郎は、政治の中心、文化の中心がいかに変遷してきたかを説明することを主眼としており、そしてこの目論見は見事に成功している。誰しもこの著作を読めば、雑多でまとまりのない知識が、一つの大きな河となって、自らの脳裏に滞りなく流れていくのを体験するであろう。


参考文献: 林健太郎 『歴史の流れ』 新潮文庫

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