「あ!松潤おはよ!」
「…はよ」
「くふふ、相変わらず朝は機嫌悪いねー」
俺の隣の椅子をくるんって回して、背もたれに顎を載せて俺を見て笑う。
「仕方ねぇだろ」
「髪の毛、伸びてきたねー」
今度は手を伸ばして俺の髪の毛をわしゃわしゃ、かき混ぜる。
「あ!ちょ!」
「いいじゃん、あとでメイクさんにやってもらうんだからさ」
くるんくるんだー♪って、楽しそうに人の髪の毛を指に巻いて遊んでる。
この人だけは、いつもそう。
俺が睨んでも何しても、ふんわり笑って隣にいる。
俺も手を伸ばして相葉くんの髪の毛を触った。
「相変わらず、さらっさらのツヤツヤだなー」
「くふふ」
「おは…あ!こら!」
なにやら大荷物の翔さんがドアを開けて、俺達を見て固まった。
俺の憧れの翔さんが、さ…
相葉くんの前では独占欲丸出しで、でろんでろんのでれんでれんになんのだってもう、見慣れたけどさ…
そんな翔さんを見る相葉くんが、超絶美人だっていうのも、だいぶ前から知ってるけど、さ…
「しょーちゃん、おはよ♡頼んだもの、持ってきてくれた?」
はいって、翔さんが相葉くんに紙袋を渡して、相葉くんが『ありがと♡』って、にっこり笑う。
「今日は潤くんのお誕生日だからね、しょーちゃんに美味しいケーキ買ってきてもらったの!」
「え?あ、ありがと。翔さん、ありがとうございます」
「え?あぁ…おう」
デレ顔で相葉くんを見てた翔さんが、俺に片手を上げて応える。
「潤、誕生日おめでと」
「ありがとう、翔さん」
そんな翔さんでも、やっぱり翔さんはいつまで経っても俺の中では憧れの人。
俺のためにケーキ買ってきてくれたとか、嬉しすぎる。
「おーちゃーん、美味しいケーキ食べよー♡」
「おぉ、まじか!食べる、食べる!」
…ん?????
翔さんも『え?』って、顔をして俺を見る。
「おーちゃん、どれにするー?」
「おぉー、うまそうだなぁー」
少し離れたローテーブルで、ケーキの箱の中を覗き込んでガサガサしてる天然コンビ…
「ちょ!待て!それ!俺んだろ!」
慌てて覗いた箱の中には
「くふふ、おめでと♡潤くん♡」
「おめでと」
5個のうちひとつだけ、手作りのピックでデコレーションされたカットケーキ。
「愛されてんね、J」
ニノもDSを閉じて笑う。
…うん、俺、愛されてる。
「ありがと」
そういった俺を4人がぎゅーって抱きしめた。