本日の俺のミッション。

 

合同飲み会で潤子の隣をキープする。

 

隣は難しくても、せめて同じテーブルだ・・(周りにいるメンバーは大体想像がつく)

 

しかし俺は立場的に有利なのだ。

 

なぜなら同じ部署。潤子と同じタイミングで仕事を引き上げて、同じタイミングで店に向かえる。

 

一緒にお店に入って、流れで隣をキープ!!

 

この方法は何度か成功したこともあるし、イケるはずだ。

 

 

プルルルル

 

 

「着信 おにぎり部長」

 

 

部長からだ。

 

櫻井「かな男、悪い。店のURL送って」

 

かな男「あ、はい!」

 

櫻井「予定より遅くなったから、松本と出先からそのまま向かうから、よろしくな。ブチッ」

 

 

今宵の作戦は、失敗に終わりそうだーー

 

 

 

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「隣をキープ」という希望がほぼゼロになった俺はどうでも良くなり、仕事ものんびりと片づけ、少し遅れて店に着いた。(カス)

 

カズ「かな男、遅い!!」

 

かな男「カズ、悪いな!!あ、みなさんお疲れです!!」

 

今日の潤子の隣はカズか。

 

潤子の隣キープ率の高さはカズが圧倒的だ。

 

部署も違うのに隣をキープするのは簡単なことじゃない。きっと隣をキープするためのコツみたいのがアイツの中にあるんだと思う。自然と潤子の近くに滞在し続ける、長年培ってきた立ち回りがーー

 

きっと、そうやって中学の時から、潤子の周りをうろつく変な男から守ってきたのだろう。

 

泣けるぜ、カズーー

 

旬「かな男、ここ空いてる」

 

 

そう言われた席は、確かに潤子と同じテーブルなのだけど・・

 

おにぎり帝王の目の前じゃねぇか。

 

アタリ中の大ハズレみたいな席だよ・・

 

てか、そこ空けるとか他の奴ら空気読めよ・・

 

かな男「あ、部長・・!!お疲れ様です!」

 

櫻井「なにお前遅れてんの笑 まぁいいわ、ほら乾杯」

 

今日は一日中潤子と一緒で飲み会も隣をキープ、機嫌は最高潮ってとこか。

 

今日の潤子の両隣はカズと部長か。

 

翔 潤 ニ

ーーーーー

  机

ーーーーー

俺 雅 旬

 

予想通りっちゃー、予想通りの配置だな。

 

飲み会序盤は仕事の話ばかりだが、そんなのは場を馴らしていくためのオープニングトークに過ぎない。

 

このメンバーが集まって、本題はそんなことじゃない。

 

旬「潤子、この間ちゃんと帰れた??」

 

やっぱり、先陣切って勝負を仕掛けてくるのはこの男か。

 

櫻井「なに、お前らまた飲んでたの?ほんとに仲良いよなー笑(目は笑ってない)」

 

潤子「帰りましたよ。笑 小栗さんが潰れた時は私は潰れない、私が潰れた時は小栗さんが潰れない、そういう暗黙のルールがあるじゃないですか。笑」

 

なんだよその小栗にとって幸せしかない暗黙のルールとやらは。

 

旬「潤ちゃん帰してくれないしねぇ笑」

 

潤子「誤解を生む言い方やめてください。笑」

 

チャラいんだよ小栗。

 

ていうか帝王の顔がみるみる曇ってるんだよ。

 

俺以外のモテ男たちはそんなのお構いなしに潤子との距離をアピールしてるけど、俺はそれができない。この世で最も気になるものは、櫻井部長の機嫌と潤子の胸元だからな。

 

ほら、帝王の酒のペースが上がってきてるよ・・

 

明日浮腫んじゃうよ・・最近一度浮腫むと中々戻らなくなってきてるんだよ櫻井部長は!!俺が入社した時と別人になりつつあるんだよ!!あんまり飲ませるな!!

 

相葉「あ、櫻井部長、どうそどうぞ」

 

櫻井「サンキュー」

 

部長にどんどんお酌する相葉さん。さすが営業部のエース、お酌が抜群に上手いが、これ以上浮腫みをーー(割愛)

 

潤子「相葉さん、ペース早いです笑」

 

相葉「潤ちゃんの仕事取っちゃってごめんね!!☆」

 

潤子「私今日一回も部長にお酌してない・・」

 

相葉「いいのいいの潤ちゃんはそこにいるだけで!!」

 

潤子「え、、部長にお酌したくて隣座ったのに。

 

櫻井部長はあげないんだから!!(2回目)」

 

 

櫻井「ぶっふぉ!!!!」

 

カズ「翔さん!???爆」

 

旬「ちょ!!大丈夫ですか!!」

 

二回目もすごい破壊力だったらしい。

 

思いっきりビールを口から戻した。

 

潤子「≧(´▽`)≦(素)」

 

潤子「このメンバーで飲んでると、楽しいことがたくさん起こりますね♡ あ、そうだ!!」

 

全員「なに?(´∀`)」

 

潤子「大野社長が買ってくれた盆栽!!もうすぐ桜が咲きそうなんですよー♡」

 

全員「そうかーー(´∀`)」

 

カズ「潤子毎朝早く出社して水あげてたもんねー(´∀`)」

 

旬「きっと綺麗に咲くよ(´∀`)」

 

櫻井「潤子が水あげたんだ。盆栽も喜んでいるに違いない」

 

相葉「綺麗な子が育てた盆栽は綺麗に育つよ(´∀`)」

 

潤子「相葉さん!!照」

 

櫻井「・・・・」

 

 

俺は気付いたぞ部長。

 

今、酒の力を借りてどさくさに紛れて「潤子」呼びをしたことを。

 

誰も気づいてないけど・・俺・・と、カズは気付いている。

 

加えてちょっとキザっぽい言葉を言ってみたけど、それもどことなく昭和感が漂っていて滑ってるし、最後の相葉さんのさらっとしたイケメン発言に全部持ってかれてんじゃねーか。

 

潤子「もう、相葉さんって絶対モテますよねー」

 

相葉「いやいや、彼女いないし笑」

 

旬「いや、俺はこいつが遊んでるの知ってるからね。

 

同期のーーー」

 

相葉「ちょ!!!旬くんストップ!!!!!」

 

 

相葉さん。笑

 

本命が手ごわいからって、違うところに手を出してるな??

 

ま、相葉さんくらい爆モテで、女の一人や二人、いないほうがおかしいからな。

 

潤子「へー、相葉さん、そういう感じなんだー」

 

相葉さん「いやいや!!!!違うよ潤ちゃん!!!」

 

潤子「ま、相葉さん社内で一番モテますしね」

 

 

・・潤子。ショックそうじゃないか。

 

潤子はやっぱり相葉さんが好きなのか??

 

あーあ。ビールごくごく飲んじゃってるよ・・って、え??

 

旬「・・・・笑」

 

相葉「・・ちょ、潤ちゃん。笑」

 

櫻井「(゚Ω゚;)」

 

カズ「なにがびっくりってそのビール、翔さんが一回口に入れたやつですからね笑」

 

 

 

潤子「どおりでまろやか♡」

 

 

 

櫻井「ぶっふぉ!!!!!!!!」

 

 

帝王・・・

 

追加で頼んでたレモンサワーも、全部ぶちまけちゃったね・・

 

 

櫻井部長の顔がとうとうパンパンになってきた頃、飲み会はお開きとなったーーー

 

 

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その日の帰り道のことだった。

 

最近は、お昼も二人で食べられない。

飲み会の隣もキープできない。

 

惨敗続きの俺だったけど、恋の女神が手を貸してくれたのだろうか。

 

帰り道は、潤子と二人っきりだった。

 

相葉さんとカズの総武線コンビは二人で仲良く帰って行き、

 

小栗は山田とかいう女のところに行った。(あいつも大概チャラい)

 

顔がパンパンになったおにぎり帝王は、フラフラになりながらタクシーに乗り込んだ。

 

 

帰りの山手線。

 

そういえば、新入社員の研修期間は、潤子とこうして山手線で二人になることが多かったなーー

 

あれから何年も経つのに、俺はなにしてんだか・・

 

 

感傷に浸る俺、なう。

 

酒の力を借りて、ちょっと、聞いてみてもいいかな・・

 

かな男「潤子さ・・?」

 

潤子「んーーー???」

 

コンビニで買ったカフェオレをストローでちゅーちゅー吸っている。かわいい。

 

かな男「潤子は、社内結婚とか考えてる?」

 

ちょ。俺。

 

なに言ってるんだ。

 

「気になる人とかいるの?」くらいの軽いポップな感じで行こうと思ったのに、けっこん・・!!!!重い!!!俺、酒の力借りて重くなってる!!

 

潤子「今は仕事が楽しくて・・結婚のこととかは考えられないし・・それに・・

 

社内結婚はありえないかな」

 

かな男「・・ありえない???」

 

まって、さらっと俺も振られてる。

 

潤子「うん、色んな部署があってさ、部署によってやってる仕事も全然違う。けど、みんな同じ目的を持ってやってるでしょ。会社を大きくしたいって。」

 

かな男「・・そうだな」

 

潤子「年齢も役職もバラバラだけど、行きつく先は同じでしょ。そうやって一緒に頑張っている”同志”であって、それ以上でも、以下でもないの。私にとっては。」

 

なんとも、潤子らしい答えだと思った。

 

潤子「ま、いつかは結婚もしたいんだけどね笑」

 

かな男「・・でもうちの会社、我ながらいい男めっちゃ多いと思うけど??」

 

潤子「確かに、うちの会社は素敵な人たくさんいるよ。櫻井部長とかすごいかっこいいし。最近は太ってるけど笑 すごい尊敬してる。できるならずっとあの人の下で仕事がしたい。けど、仕事っていう見方以外で櫻井部長を見れないし、それは相葉さんや小栗さんもそう。カズはまたちょっと特別だけど、、恋愛とは違うし。」

 

なんか、すげー心の綺麗な話をされてるんだけど、今すげー勢いで4人振られた・・よな??ん??

 

そしてもはや俺なんて「素敵な人リスト」からも除外されてない??

 

かな男「せっかくこんなに美人なのに、勿体無いとか思っちゃうよ・・」

 

潤子「(´∀`)フフ ありがと。でも、美人とか美人でないとかは、さして関係ないの」

 

いや、ブスはそうは思ってないと思うけどな。

 

それは逸脱した美人しか発言できないことだな・・というツッコみは置いておこう。うん。

 

潤子「だから、社内にいてこの人素敵だなーって思う人はいても、付き合いたいとか、増してや結婚なんて?考えたこともないかな。」

 

かな男「そうか笑」

 

 

なんか、この会社辞めればチャンス到来すんのかなとか思い始めたぞ。(カス)

 

潤子「あ、でも・・」

 

 

 

潤子「大野社長の奥さんにはなってみたい。笑」

 

 

 

 

 

・・・おにぎり櫻井

 

あなたの言ってた意味がよく分かったよ。

 

 

あのゲス社長は、とんでもない人だよ・・

 

 

 

 

 

 

かな男の恋物語~オフィス編~ ー完ー

 

 

 

 

 

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かな男の恋物語、最後までお付き合いありがとうございました!!

 

これにてオフィス編は完結ですが、なんと並行してスピンオフ作品も執筆されていました。

 

【かな男の恋物語~オフィス編~】スピンオフ~sideミユ~

 

【かな男の恋物語~オフィス編~】スピンオフ~sideゆうり~

 

その場のノリでスピンオフ作品まで生まれてしまうなんて、

これもその場に居合わせている合宿だからこそできたこと。

 

そしてお二人の瞬発力に脱帽です。

 

ありがとうございました!!

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