全3記事の「芝質と血統・種牡馬」シリーズは、適性予想に有効な「芝質」について2014年終了現在の見解をまとめたものです。
芝質について理解が深まれば、現在の芝が軽い芝なのかどうか、その馬が現在の芝質に合いやすい血統なのかどうか…などが判断しやすくなり、予想の助けとなるでしょう(カッコつけ)。
■ 系統(=血統の大きな分類)ごとの馬場適性
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「系統」の関連知識
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牝馬は軽い骨格(≒軽い馬体重)になりやすく、牡馬と比較して急加速力で勝りパワーで劣ります。
このため、血統よりも少し軽い芝寄りの馬場適性になりやすい傾向があります。スペシャルウィーク産駒の芝G1馬が牝馬のみなのはこのあたりが影響していそうです(スズカマンボ産駒も牡馬の芝G1馬が出難い~出ないかも?)。もちろん、牝馬ながら連対時最高馬体重が550kgだった、ブラボーデイジーのような例外もあります。
各競走馬ごとに個性があり、必ずしも得意な芝質が血統や系統通りとは限りません。例えば、サンデーサイレンス系(以下、SS系と略す場合あり)ディープインパクト産駒は軽い芝~標準的な芝向きですが、その産駒ダノンバラードは重い芝巧者でしたし、Mr. Prospector系キングカメハメハ産駒は標準的な芝~重い向きですが、その産駒の牡馬ローズキングダムは軽い芝巧者でした。
例:系統名 好走しやすい芝質の目安
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簡単な解説
SS系全般 ▼■■□□△
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ディープインパクトを含めたサンデーサイレンス系種牡馬全般のこと。1~3着馬のほとんどをSS系が占めているときに用います。好走しやすい芝質は軽い~標準的な芝。
SS系パワー・スタミナタイプ ▽■■■□△
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ディープインパクトを除いたサンデーサイレンス系種牡馬全般のことです。父ディープインパクトでも馬格のある馬や母系のパワー・スタミナ指向が強い場合はこちらに含めます。
芝質の判断の際にパワータイプとスタミナタイプを分けて使用することはありませんが、パワータイプ(≒現役時代に2000m以下で実績を残した種牡馬。系統異なるも特徴の似たタイキシャトルを含む)とスタミナタイプ(≒ 現役時代に2000m超で実績を残した種牡馬)と分類しています。好走しやすい芝質は軽めの芝~重めの芝。
Nasrullah系 ▽□■■■△
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馬場適性の差が他系統より小さいため、多くの系統をまとめています。
Grey Sovereign系(Caro系、トニービン系など)、Princely Gift系(サクラバクシンオーなど)、Bold Ruler系(Seattle Slew系、A.P. Indy系)、Mill Reef系、Blushing Groom系など。
トニービン系は軽めの芝に対応可能。チチカステナンゴ、Mill Reef系は重い芝寄りの印象。系統全体の好走しやすい芝質は標準的な芝~重めの芝。
Mr. Prospector系 ▽□■■■▲
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アドマイヤムーン>キングカメハメハ>スウェプトオーヴァーボード≧ウォーエンブレムらは、程度の違いはあれど軽めの芝に対応可能。軽めの芝に適性が高いほど重い芝への適性が落ちる印象。系統全体の好走しやすい芝質は標準的な芝~重い芝。
Roberto系 ▽□■■■▲
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ロージズインメイは系統が異なりますが、特徴が似ているためRoberto系に含めて考えます。タニノギムレットは軽めの芝にも対応可?系統全体の好走しやすい芝質は標準的な芝~重い芝。
Northern Dancer系(軽め) ▽□■■■▲
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全体的なスピードに優れ&時計の早い決着に対応できるタイプや、日本の芝で多くの実績を残した馬はここに分類します。
Storm Cat系、Danzig系、クロフネ、ローエングリン、メイショウサムソン、キングヘイローなど。系統全体の好走しやすい芝質は標準的な芝~重い芝。
Northern Dancer系 ▽□□■■▲
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Northern Dancer系(軽め)に入らないNorthern Dancer系はこちらに分類します。ただ、(軽め)との違いを明確できておらず、重い芝質と推測されるとき(≒SS系の好走数が少ないとき)の表記として用いることが多くなっています。
ホワイトマズル、Deputy Minister系(除:クロフネ)、Nureyev系、ファルブラヴ、Sadler's Wells系(除:ローエングリン、メイショウサムソン)など。系統全体の好走しやすい芝質は重い芝。
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