ディストピア パンドラの少女 | 記憶のための映画メモ

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こんにちは!
大好きな映画も数日で忘れてしまう我が記憶力。
ユルユルの脳味噌に喝を入れるための映画ブログです。

ディストピア パンドラの少女

 

2016年/イギリス・アメリカ/111分
監督:コーム・マッカーシー
出演:セニア・ナニュア、ジェマ・アータートン、パディ・コンシダイン、グレン・クローズ、アナマリア・マリンカ、フィサヨ ・アキナデ、他
おすすめ度(5点中) → 4.0

 

――― あらすじ ―――――――
真菌の突然変異によって人類に感染爆発が起こり、思考能力をなくし、生きた肉のみを食す“ハングリーズ”が増殖蔓延した近未来。感染を免れた人々は、フェンスで囲われた基地内で兵士たちに守られ暮らしていた。ロンドン郊外にあるそんな基地のひとつで教師をしているヘレン・ジャスティノー。しかし、教える相手は“二番目の子供たち(セカンド・チルドレン)”と呼ばれる感染した子供たち。厳重な監視下に置かれた彼らは、感染しているにもかかわらず、思考能力を維持していた。その中の一人メラニーは、純真な心と高い知性を持ち、ヘレンが特に気に掛けている少女だった。一方、科学者のキャロラインは、メラニーを格好の研究対象とみて、その解剖に乗り出す。そんな時フェンスが突破され、基地内に大量のハングリーズが侵入、ヘレンはパークス軍曹に助けられ、メラニーとともに大混乱の基地を辛くも脱出、なおもメラニーの解剖に執着するキャロラインを加えた一行は、ひとまず協力して、生き残りをかけた決死の逃避行へと繰り出すのだったが…。(allcinemaより)

 

―――  感想  ―――――――

みなさまお元気でしょうか。

 

ものすごく久しぶりの更新でチョイスしたのは、あまり予備知識なしで観たゾンビ映画。そう、これゾンビ映画なんですよ。でね、けっこうおもしろいんです。個人的には荒廃してしまったディストピア(邦題のままですが)描写が美しく、ゾクゾクしてしまいましたよ。

 

▲子供たちが隔離されているところから始まりまして。

 

▲物わかりの良いこの子・メアリーが主人公のようです。

 

みんなは授業を受けています。先生のヘレンは心優しい人のようで、慕われています。一方でこの子たちは、体を拘束されていて厳重な警戒態勢をしかれています。

で、どうやら世間にはハングリーズと呼ばれるゾンビがうようよしていまして、彼らこどもたちはハングリーズなんだけど思考能力もある第二世代で、この施設で研究対象になっているんですね。

ちなみに、職員や軍人たちは「ブロッカーズ」っていう匂い消しジェルをつけて、安全を保っています(こどもたちを覚醒させないようにしています)。

 

▲さて、メアリーが研究のために体を解剖されることになりました(本人の意思です)。

 

ちょうどその時、ハングリーズが施設になだれ込んできまして、施設は壊滅。メアリーと、ヘレン先生と、研究医キャロラインと、鬼軍曹のパークスと部下のキーランは命からがら脱走に成功します(厳密に言うともう少し人数いますが、道中あっさり死んでいくので割愛)。そして、どこかにある安全な場所「本部」を目指すってお話です。

 

▲メアリーと一緒に行くのは、左から、キャロライン、ヘレン、パークス、キーラン。

この人たちは、なかなか個性的です。

研究のためならどんな残酷なことでもしてしまうキャロライン。彼女のせいで死にそうになるシーンが何回かありました。こういう人は必須ですな。

ヘレンは慈愛に満ちた女神様的な人。行動力と倫理観を兼ね備えています。メアリーが慕うのも納得。

パークス軍曹は基本的に鬼なんですが、面倒見もよく頼れる存在です。

一方のキーランはお調子者で、ヒヤヒヤするシーンがよくある。

 

ハングリーズというゾンビの描写もいいですよ。

基本的に走るゾンビなんですが、面白いのは普段は立ちながら眠っているんですよ。

 

▲立ちながら眠っているハングリーズ。この数が半端ない。

音や人間の匂いなどで起きるので、眠っているハングリーズの横を通る時の緊張感が楽しいです。

 

▲メアリーは、ハングリーズであることには間違いないのですが、人間の(というかヘレンの)味方でもあるため、ピンチのときに大活躍したりします。

 

あと、いいなーと思ったのは、ハングリーズの先があることですね。

ハングリーズは第二形態みたいなのがあって。なんかね、死んだハングリーズが集まって、苗床になって、大きな植物みたいになるんですよ。この描写はいいなーって思いました。しかもちゃんとストーリーにも絡んでくる大切な描写です。

 

▲ハングリーズはやがて植物(といっていいのかな?)へと育っていくのですな。

 

ロードムービー感もそこそこある映画ですが、荒廃した街の描写はかなりカッチョイイです。

そこそこグロいゾンビ的食事シーンも楽しかったです。

(特にキーランが食べられた後の無残な死骸っぷりが最高。ここは野性の王国かよっていう食べられっぷりでした(笑))

 

ちなみに、話の着地点としてもかなり異質だと思います。

あぁ、こんな終わり方しちゃうんだー。って不思議な気持ちになりました。っていうかあの終わり方でいいのかしら。

 

というわけでゾンビ好きは必見。普通にドキドキするサバイバルものとしても楽しいです。アートワークも美しいのでぜひぜひご覧あれー。