夫は公認会計士の資格を取るのに三度受験に失敗している。


そう、四回目にようやく合格したのである。


普通なら三度目の正直といった感じで、三回失敗すればあきらめそうだが、そこが夫の「深く物事を考えない」


という性格が四回目のチャレンジを促したようである。


結果として合格したから良かったものの・・・。


当時の勉強のやり方がまたバカげている。


例えばテストで80点を取ったとする。


普通なら間違えた20点分の問題について、やり直し、覚え直すものである。


しかし、夫の場合は、また一からすべての問題をやり直す作業をしていたという。


また、何か困難な問題にぶちあたったとする。


普通ならある程度の時間を費やし、考えても分からないものは、後で先生に聞く等の手段を使おうと、とりあえずは


他の問題に取り掛かる。(専門学校に通っていた)


覚えるべき問題は数え切れない程あるのだから。


しかし、夫の場合は、困難な問題に幾時間でも使って止まっていたのだという。


また、テキストも、専門学校のテキストを使わず、市販の分厚い専門書を使っていたのだという。


専門学校のテキストというのは、まさに短期間での合格を目的として、ポイントを整理し、効率的に学べるように


作られている。


従って、普通なら「専門学校のテキストを中心に勉強しながら、どうしても理解出来ない部分だけを市販の専門書を読んで


補足する」という勉強の仕方を行う。


しかし、夫は専門書に入り込んで、無駄な部分まで深く読み込み、多大な時間をかけすぎていたようである。


そう、つまり、夫の辞書には「効率性」という文字が皆無だったのだ。