うさぎのしっぽ

みかりん”こと、田村実香です。読者の皆さん、いつも応援ありがとうございますo(^-^)o皆さんに発信するために、また、教えていただくために、ブログを開設しました。心のおなかがすいたとき、みかりんとお話してくださいね(^.^)b

みかりんこと、田村実香です(^^)v私の作品を読んでくださるみなさんに、心から感謝しています。

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虎くんは、とってもおせんべいが好きです。
木の実や草の実を使って、あっという間におせんべいを焼きます。
それがとってもおいしかったので、虎くんは、おせんべい屋さんを開きました。
「ぼくのおせんべい、おいしいよ!」

お店からは、しょう油やバターの香ばしい香りが漂います。
そんな1日目、森の動物たちは、みんなならんで1枚ずつ買ってくれました。
虎くんは大喜びです。

ところが、2日たち、3日たち、
お店には誰もお客さんが来なくなりました。
虎くんは、泣きそうになりながら、
お友達が通るたびに、声をかけました。
「ぼくのおせんべい、買ってくれ~!」

大きな声でよぶ虎くんは、とっても怖かったので、
みんな、走ってにげてしまいました。

夏になり、いっしょうけんめいおせんべいを焼いても、お客さんは一人も来ません。
代わりに、たくさんの虫がよってきました。
ハエや、やぶ蚊や、くまんばちに追いかけられ、虎くんは一日中逃げ回りました。

やがて冬がやってきました。
虎くんは残りもののしめったおせんべいをかじりながら、
布団もない部屋でふるえていました。
おせんべいがなくなったら、もう、食べるものもありません。

「ああ、ぼくにはなんにもない。友達もいなくなってしまった」
虎くんの頬を涙がぬらします。

すると、どこからともなく、甘い、とてもいい香りがしました。
近くにやぎさんのケーキ屋さんがあります。
毎日のようにお客さんがならんでいます。
虎くんは、お腹がすいて死にそうだったので、甘い香りに吸い寄せられるように、
やぎさんのお店にやってきました。

「いらっしゃい」
やぎさんは、ふらふらしている虎くんに、あたたかいミルクをいれてくれました。
虎くんは、体も心もポカポカしてきました。
やぎさんは、焼いたばかりのチョコレートケーキをごちそうしてくれました。
ケーキは甘く、やさしくおなかをみたして、虎くんはとても幸せな気分になりました。
 
「やぎさんのケーキは、幸せのケーキですね」
目をかがやかせる虎くんに、やぎさんはほほえんで言いました。
「ぼくは、食べる人が幸せになるようにと願いながら、作っているからね」
 
虎くんはすっかり恥ずかしくなってしまいました。
おせんべいを買ってもらうことばかりを考えていて、
食べる人のことを、まったく考えていなかったからです。
虎くんはやぎさんにおねがいして、弟子にしてもらいました。
 
やぎ先生は、まず、ほこりだらけの虎くんのお店を、きれいにするように言いました。
虎君が一生懸命おそうじしたので、お店はピカピカになりました。
 
つぎに、やぎ先生は、おせんべいの材料をきれいにしまうように言いました。
虎くんが木の実をビンにつめたり袋にいれたりして、きれいに片づけると、
あれほどうるさかった虫たちが、来なくなりました。
 
「さあ、それではおせんべいを焼こうか?
食べた人が、よろこんでくれるように、心をこめて焼くのだよ」
やぎ先生の言葉に素直にうなずいて、虎くんはおせんべいを焼きました。
「おいしくなあれ」「笑顔になあれ」「幸せになあれ」
そう唱えながら・・・。
お店からは、久しぶりに良い香りがただよいます。
 
小さい体のねずみのおばあさんが、おずおずと近づいてきました。
「私は、おせんべいが大好きだけど、食べづらくてねえ」
虎くんは、おばあさんの小さな口に合わせて、小さいおせんべいを焼いてあげました。
ねずみのおばあさんは大喜びで、たくさん買っていきました。
 
次にやってきたのは、子供をつれたコアラのお母さんです。
ぼうやは遊び仲間にいじめられて、泣きべそをかいていました。
虎くんが、飛行機の形におせんべいを焼いてみますと、
ぼうやの顔が、ぱっと明るくなりました。
コアラのおかあさんは大喜びで、たくさん買っていきました。
 
虎くんのお店の前には、いつの間にか毎日行列ができるようになりました。
「虎くん、もう大丈夫だね」
やぎ先生は、にこにこしながら見守っていました。
 
森の中の小さなおせんべいやさんをたずねると、今日も虎くんがおせんべいを焼いています。
「おいしくなあれ」「笑顔になあれ」「幸せになあれ」
そう唱えながら・・・。
お店からは、香ばしい幸せの香りがただよっています。
 
虎くんの焼いたおせんべいは、いつまでも、いつまでも
食べた人を幸せにしつづけていくことでしょう。
                               (完)

 
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私の苦手なものの一つに、人前で話すことがあります。

得意だったら物書きになっていません(´;ω;`)

ただ、書く仕事をしていると、そういう機会は、決して少なくないのです。

 

田舎の文学少女に過ぎなかった、ただの女の子に、

地方新聞が取り上げたことから陽が差しました。

めずらしいから、ちょっとしたアイドル扱いをしていただけましたが(笑)

意識の高い人?ほど、実力を認めてくれませんでしたね。

 

一人でたっぷり時間をとる講座は、まずありませんでした。

えらい先生を前後に、つなぎで話してました。

しかも、大先生が移動されたとき、お客さんは、完全に無視して席をたたれる。

「私、一生懸命頑張ってるんだから行かないでくださいよ~」

と、心の中で叫んでいました。

あるとき、満座の中で女性の先輩から、

「学芸会を見て、うまいだ下手だいうのがおかしいでしょう?

顔見てればいいじゃありませんか」

と言われて、ぽろぽろ泣きながら帰ったこともあります。

 

もともと苦手な人前で話すことが、

ますます苦手になってしまいました。

何の力もない小娘が、

でも、なんとかしなきゃ!ってじたばたする気持ちばかり焦って、

黒とピンクの服があったら、あえて黒を選んでました。

本当はピンクがほしいくせに・・・。

 

そんなある日、ステージで15分ほど話す機会がありました。

箸休めみたいなもので、私のお客さんはいない。

そう思って出ていくと、すぐ目の前の席に、見覚えのある顔?!

切れ長の目が涼しげで、みるからに賢そうな大学生でした。

ちょっと趣味のいい軍服風のジャケットを着ています。

何度か来ていたことを、ふと思い出します。

緊張でまごまごしている私に向かって、声をかけました。

「はじめてください!田村実香先生!」

その外見に似ず、太い力のある声でした。

私の話を聴いてくれる人がいるんだ!

そのことが、私の胸を熱くしました!

 

後から聞いた話では、

受賞した短編のファンで、足を運んでくれたとのこと!

 

最初は一人に伝わる。

そこから広がっていく。

いまだに話すことは苦手ですが、

童話の出版が叶ったら、久しぶりにファンとのオフ会をやりたいです。

みかりん先生は、本当にスピーチ下手だよ~(笑)

でも、あなたは最後まで付き合ってくれますか?

 

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久しぶりに、川端康成の『朝雲』の朗読してきました。

目の不自由な方のボランティアで、ヒロインの女学生“宮子”は、

私の当たり役なんですよ~。

一回目は想いを寄せる菊井先生を、現役の高校生が演じたんですが(逆やろ~?)

二度目は、現役の高校の英語の先生で、無口でりりしい雰囲気、よく出てました。

ブログ記事・『朝雲』に見る乙女心

http://ameblo.jp/ameba-hikari/entry-10948753670.html

 

私は、ぜんぜん惚れっぽくないのですが、

ちょっとした憑依体質で(笑)こういうとき全力で感情移入してしまい、

収録中、私の相手役は、「この子、自分に惚れている」と思うそうです。

終わると同時に、憑き物が落ちてさっぱりするので、

狐につままれたような気がするとのこと((´∀`))

 

 さて、今回は、泉鏡花の『外科室』

伯爵夫人というむずかしい役どころでした。

時は明治。貴船伯爵夫人はガンの末期で、手術が行われようとしています。

けれども夫人は、麻酔をかたくなに拒むのです。

心に秘めたことを、うわごとで言ってしまう、そのことを恐れてたのです。

名医の誉れ高い高峰医師によって、麻酔なしの執刀が行われるのですが・・・。

 

実は、夫人は少女の恋をしていました。

遠くから見つめるだけの高峰医師に、ひそやかな想いを寄せていたのです。

 

「痛みますか」

「いいえ、あなただから、あなただから…。

でも、あなたは、あなたは、私を知りますまい!」

「忘れません」

 

高峰医師もまた、貴船伯爵夫人に恋をしていました。

熟年男女のプラトニックな恋です。

 

その時の二人がさま、あたかも二人の身辺には、天なく、地なく、社会なく、

全く人なきがごとくなりし。

 

この世で二人だけが存在しているだけの状態。

鏡花はそう書いています。

 

文語体で書かれている小説に、いかにもふさわしい情景です。

この後、夫人は自ら命を絶ち、

後を追うように高峰も亡くなってしまいます。

 

夫の伯爵がアホのようだという意見は、男性に多いのですが、

私は、貴船夫人が夫を愛していなかったとは思わないのです。

自分をそばで愛し、いつくしんでくれる男性。

操を立て、命を懸けて夫の名誉を守った夫人は、深く深く、夫を愛していました。

 

女は初恋を二度してしまうことがあるのかもしれません。

その幼いガラスのような恋は、

真面目で純情な女にも、容赦なく降ってくる。

幸せな結婚生活をしていても、

あるいは、恋人との幸せな恋愛のさなかにも、

自分の中の少女が、思いもかけない相手に恋をしてしまう。

秘めた片想いなら、だれも傷つけない。

けれども思いがあふれ、重なった瞬間、

それはやはり罪、大切な人への裏切りになる。

 

明治の恋愛小説は、少しも古びないと思うことしきりです。

 

こういういじらしい女心は、今の世にもも生き続けていると思います。

私なら、秘めたプラトニックな想いを、そっとしていてほしい。

けれどもこういうとき、自分に向けた想いを、気づかないふりをしてやれる

そんな大人の男性が、どれほどいるのかな・・・。

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