2005-05-16 23:29:19

秘密。

テーマ:短編集

不倫って、なんでするんだろう?
私は残念な・・いや幸せなことに(笑)不倫した経験はない。だが浮気スレスレの状況になら、ほんの一瞬と呼べるような短時日のあいだだけ陥ったことがある。結局そのときは、その気にさせた女性の側がむこうから離れていったのでべつに深い関係にもならなかったのだけれど・・・その辺りのことは、幾重にも折り重なっていた精神状態がかんぜんには整理しきれておらず、まだかんたんに文章にはできない。
さてこの本だが、これでダ・ヴィンチ文庫を3冊つづけて読んだことになる(「君へ。」「ありがと。」そして本書)。読んでみて3冊とも恋愛に関係した話が多いと感じた。でもそれはむしろ逆に、私が恋愛ものの小説やエッセイなどをこれまであまり読んでこなかったということなのだろう。最近になって自分の精神状態がそういうジャンルの文章を欲するようになったのだと自分で感じる。恋愛が物語になっているのだから当然そこには不倫だったり浮気だったりの話しが多く出てくる。そのような文章がよく読まれているということは、世の中そんなに皆いろいろ経験してるんかいな・・などと思ってしまう。でもきっと、自分をもっとも深いところから突き動かす衝動の中に、人は、何か「本当のこと」を見つけ出したい、という願望をもってしまうものなのかもしれない・・・そう考えると、不倫という言葉がなぜ存在するのか?・・というまったく逆方向の問いかけさえ浮かんできてしまう。
ところで、この本の企画はたいへん面白い。2つの短編が対になって一作品となっていて、一つの出来事を2つの視点から描くという構成になっているのだ。一編一編が非常に短くあっという間に読めてしまう。作品にはそれぞれに趣向が凝らされていて各作家のベクトルの違いのようなものがよくあらわれている、といえるかもしれない。好みのテイストを見つけるのもまた楽しい読み方だろう。

ということで (^^;ゞ

ここではついつい自分の都合で恋愛がらみのテーマで感想を書いてしまったが、この短編集にはそれ以外(仕事とか家族とか思い出とか)のテーマの作品がいろいろ収められていて、人それぞれに楽しめるのではないかと思う。



著者: 吉田 修一, ダ・ヴィンチ編集部
タイトル: 秘密。―私と私のあいだの十二話

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