2011-03-05 01:51:27

LOST

テーマ:海外ドラマ
「LOST」は、稀有のドラマ作品である。

 (軽くネタバレします)

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私は、すでに記事に書いたように、海外ドラマ作品の中では「24 -TwentyFour-」の熱心なファンなのだが、この「LOST」のファイナル・シーズン(シーズン6)の第一話を観たとき、一瞬、「LOST」は、「24 -TwentyFour-」を越えた・・・、と思わされてしまった。
それほどに感動してしまった。
このような性質の感銘を観る者に与える作品は、他にちょっと考えられない。

どのような性質か。

「もし、私の人生に今とちがった人生があったとしたら」

・・・「LOST」というドラマの本質はそこにあったといえる。

この作品は、当初から、謎に満ちたプロットが観る者を引き込んでいくのだが、その謎が、さらに謎を呼び・・・さらに謎、・・・と。
謎が解消されないままに、あらたな謎が加わり、シーズンが重ねられていく。
最初は、それが快感でもあるのだが、そのうちだんだんイヤになってくる(笑)

・・・のだが、しかし、途中まで観たのだから、という義務感のような気持ちで、ファイナルシーズンまで、がんばって観てよかった。ファイナルシーズンに至って、それまで観てきたドラマの重なりが、深い感動を生み出す。
むしろ、求めていた謎解きへの希求が後退し、見ている者の人生と生活の意味が浮かび上がり、人間が生きていくことがどのようなことか・・・という、生きること、生きていること、の中に暗黙に潜んでいる、人間の抱える偶有性の設問が静かに迫ってくる。
それは、願い。
そして、止むことのないおもい。であるのだろう。

おそらく、この感動は、感じる人と、感じない人がいるだろう。

辛い経験を重ねた人ほど、その味わいは深いのではないだろうか。

すこしネタバレしておくと、「LOST」が観始めて強く惹きつける要素として、ジャンル不明、という雰囲気をうまくかもし出している、という面があるといえる。それはまた、村上春樹による「LOST」というドラマへの「観る者の感情のひだをうまく引きだしている」という評価にも通じているだろう。
しかし、最後までジャンル不明とは、やはりいかない。
シーズン3、4あたりで次第に明らかになってくるのだが、「LOST」は、ジャンル的には、SFである。
ただし、単純なSF作品ではなく、SFにおける、複数のテーマを複合させたつくりになっている。
すなわち、タイムスリップ(時間旅行)ものと、パラレルワールド(並行世界)ものの複合である。
この着想はすごい。そして、そのSF的要素が、それとまったく意識させないぐらいの絶妙さで、人間の生の在り方そのものを描き出すプロットに結実している。

やはり、稀有の作品としかいいようがないのである。




LOST シーズン1 COMPLETE SLIM BOX [DVD]

2011-03-05 01:47:06

風雲児たち

テーマ:マンガ
今月、吉田松陰が死んだ。

連載中の「風雲児たち」での話しである。
(「コミック乱」3月号)

あまりにも、高潔な姿である。

刑死するにおよんで、遣り残したことを全生命をかけて書き残し、なお、刑場に望み微笑んでいたという松蔭の死に際の潔さ。美しさ。
感動などという言葉ではもはや言い表すことが出来ない。

自らの命をかけてあまりある生の目的を見つけた人は、きっと幸せであろう。

人生と生活の目的を、見つけ、見失い、また見つけ、そしてまた失う。
わが人生のなんと悲しく、情けないことだろうか。




みなもと 太郎

風雲児たち (幕末編1)

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