思考と実践の多様性
テーマ:ブログ 社会主義における計画経済が破綻したのは、よく知られているように競争原理ではなく、巨大な国営企業という一つの組織形態に目的を費やしてしまったからだといわれている。しかし、もう一つの、且つ決定的な要素は、環境の変化に対して、一つの方向だけに向いてしまい、組織に「多様性」がなかったからだともいわれている。私はこの多様性こそが、組織を維持していくためには必要不可欠な要素であると捉えている。多様性が重要なのは、多くの既知の解決策を持ちあわせるからではなく、多様な考えや遺伝子を持つために、予測できない環境の変化に対して、「組み換え」ができるからである。例えば、緊急時に対応できる人たち、新しいニーズが出たときに対応できる起業家的な人たち、平時の組織をまとめていくのに長けた人たち、それぞれの状況に対応しながら、その環境に合わせて「組み換え」ができるのである。
最近でこそ、多様性をダイバーシティーといわれているが、様々な要素や人間が集まることで、その間に生じる相互作用により、新しい解決方法や実践が生まれるのである。前回の原稿で述べた漁師の行動は、一人で海に出るのであるが、その思考と実践の行動は、多様性を帯びている。「選択と集中を」という言葉は、その使い方を間違えると、合理的にのみ行動を促してしまう。ある時期は良いかもしれないが、変化が起きたときには合理的に実践できるものではない。
多様性のバランスをとることが私たちに求められている。それは、単なる、男女、人種、国といった表面的なことではなく、思考と実践の多様性を、スピード感を持って取り入れることにある。





