組織、社会を「人」から復活させよう
テーマ:ブログ 資本主義では、ヒトは人的資本として“モノ”として捉える。だから、人件費は経費である。先日、最高益のあるサービス業で、1割の人員削減を行う記事が新聞に掲載されていた。内容は、相次ぐ安価な競争者が現れ、グローバル展開が予想される中で、今後の経営の不透明感からとのことであった。また、経営者のコメントは「現状維持は許されず、これまでのやり方すべてを変える必要がある」というものであった。この企業は多くの点で今後に課題を残すことになるだろう。人員削減をすれば、残った人たちは、次は自分かと危機感を抱く。良い危機感と悪い危機感があるが、先が無いと見れば、組織にしがみ付くようになり、必然として皆が内向きになる。そして失敗を恐れ、次第に組織が収縮していくのだ。この経営者の言葉とは逆の動きが組織に芽生えてしまうのである。
この経営者の言葉は正しい。「すべてのやり方を変える」のであれば、人員削減の対象者である人的資源でイノベーションに挑戦しないのだろうか?「社員の人件費が高くて、世界では通用しないんですよ!」と言い、ギブアップ宣言をしているのと同じである。
これは、四半期決算を利用した経営者の思考と実践の停止を意味している。IBMは「5ヵ年計画」を策定して、四半期毎の発表をするが、長期的な利益目標が達成できるかに関心を促すようにしている。CEOのサミュエル・パルミサーノは「販売管理費や研究開発費を削れば、目標の数値は簡単にひねり出せますが、そんなことをしたら、必要としているイノベーションは実現しませんから」と語っている。
短期主義は必然であり否定はできないが、一方での横暴があることを忘れてはならない。私は厳しい競争を否定しているのではなく、むしろそれは成長の源泉であると捉えている。その社会を構成しているのはヒトだからである。





