2012-03-16 19:37:53

人々の多様性を引き出す組織の力

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前回の原稿では、組織の多様性を考えたとき、「心の多様性が必要である」ということについて言及した。

イノベーションも同様である。私たちの思考の奥底には「メンタル・モデル」といって、特有の思考があり、それは簡単に変わるものではないところがある。それが組織特有の行動や思考を生み出す基になっている。イノベーションを起こしていく原動力となる組織には「多様性」は重要である。しかし、それらは単純に外国人を入れるとか、年代や性別を問わないということだけでなく、メンタル・モデルとして様々なことを受け容れられるかどうかということにある。

 同時に、多様性を受け入れながら組織がまとまっていくには、またかなりのコミュニケーションコストがかかることは安易に予測がつく。ここで、従来のような指揮管理型の命令組織が出来あがってしまうと、全くこの多様性は崩壊の危機を迎えることになる。一定の規則は必要であるが、その組織において植物が成長していくように、個々にならずに組織形態として成長していけるかどうかが問われる。

そのときに基になるのがビジョンやミッション(使命)である。そして、行動のための規範、目標、戦略上の重要な点、品質やブランドに関する明確化等、多様性の組織では明らかにしておくことが重要である。

そして、それらをワークショップやオフサイト・ミーティング等を何回も開催しながら、重なり合わせていくことである。年1回の研修会ではとても足りないだろう。

 人々の多様性を引き出しつつ、組織としての方向性を明確にしながら、強い実践のチームがいくつも形成されることが必要である。

この10年、日本人は勉強好きで、かつてよりも優秀な人たちが増えたが、その分、人々と接したり、笑顔で話したり、そして何よりも実践、現場、現実、現地を重視する人たちが少なくなったのは、危惧すべきことだと思っている。

もう一つ危惧している点は、フェイスブックなどのソーシャルネットワークに使われるのではなく、それらをコミュニケーション手段として活用しつつ、現物をきちんと把握する方向に動けるかどうかである。これらの手段は、利用する人の「身が一つ」である部分を補助してくれる役割を負ってくれている。しかし、これらは従であり、主でないことは心に留めておく必要はある。

多様性という響きと同時に、2012年の次の3カ月は、どれだけ多様性を見出していくかに留意していきたいと思っている。


2012-03-14 22:21:04

組織の多様性について考える

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 「多様性」という言葉をよく目にするようになった。多様性で想起されるのは、様々な人種、多様な価値観を持った人たちの集まり、年代の幅、さらには生物の多種多様な集まり(ヒトを含めて)などがある。

しかし、聞こえはいいが「まとめる」となると、これまで以上に多大、且ついくつもの課題があることに気づく。

もし、私たちが出張でアジアのどこかの都市に訪れたとする。そこで、社内関係の人たちとミーティングをした後、その人たちを介して、全く外部の人たちを紹介して貰う。そして、夜の会食となる。料理は日本でよく口にするものではない。当然に好き嫌いが激しい人となると苦しい。また、社内でのコミュニケーションコストが少ない会話は楽であるし、もし地位の高い人であれば、それをわかっている周囲の人たちは大抵気遣ってくれるので、過ごしやすい筈である。しかし、ここで例にあげた異国の地であるアジアの人たちにはそんなことは通用せず、一人の人間として接してくるであろう。言語も片言である。英語は通ずるかもしれないが、お互いを理解するためには、心からの接し方が必要となる。

 多様性とは、慣れないと苦しい。

多様性を受け入れる人と、受け入れない人たちが大きく分かれる訳は、上記のような状況を「楽しい」か「苦しい」かの感じ方による。

先日、59歳まで東京のみの勤務で、いきなりアジアの大都市での経営者として赴任している方から電話があった。この方は、5年間の経営者として勤務しており、累積赤字を一掃後、黒字経営に転換させた。オーナーからは、その国に留まることを強く依願されているとのことである。若くはないお年で一人アジアの都市での赴任、生活をするとなると、いろんなギャップに直面するのではないかと思う。

しかし、この方には、人を分け隔てなく接し、様々なことに対して壁をつくらない習慣があった。しかも、日本勤務をしているときから、コーディネーターのようなリーダーであり、社内外問わずに人々に会い、人々を繋ぐ役割をしていたのが思いだされる。 ある組織学者は、「多様性を追及するためには、その組織に多様性がなくてはならない。」という研究結果を発表している。組織の多様性とは、人種などだけではなく、心の多様性が必要であるという意味である。

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