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2012-02-02 20:02:17

組織の能力のストレッチを続けよう

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 組織の変革のスピードをあげる挑戦を続けていくことと同時に大切なことは、組織の能力(課題処理や実践力)をしっかりと認識することである。自分の守備範囲の仕事をやろうとすると、そこで成長はできるのであるが、守備範囲以上、すなわち無理な仕事をすると失敗してしまう。それは、組織の能力を理解していないからである。無謀な成長の論理である。ベンチャー企業であれば破綻してしまうだろう。例えば、ネジやディスクなど、ある物体をどこまでも高回転で回し続けるとやがては破壊してしまうように、組織も無謀なスピードと能力以上で仕事をやると壊れてしまうのである。大きな組織では、他からのヘルプがあったりして、その能力範囲がわからなくなってしまうことも多いが、結局は増収であっても大幅な減益という事態が発生するのは、その証左である。このときに、組織能力以上の仕事を続けて、「学ぶのか?」それとも、「勇気ある撤退をするのか?」は時の経営者の意思決定次第なのである。

しかし、もしスピードをある程度保てるだろうということを過去の経験から学んでいる組織であれば、やり続ける公算は高いかもしれない。しかし、経験がない組織であれば、それは大きな人的な損失を蒙る可能性も高い。

 イノベーションは絶対に必要である。企業は常に新しい創造に向けて進むべきであり、そこには、飽くなきチャレンジと志が必要である。同時に、目に見えない領域も見つめる必要がある。イノベーションは、その目に見えない領域を拡大することで成し得るのであるが、「1」の範囲をいきなり「5」には拡大できない。新興企業が1兆円になるのも、実は、「1」が「2」、そして「3」になっていったのである。「3」の段階に移行する時間が、経験と学習によって、次第に早くなっていったからである。これが「スピード」である。「1」はいきなり「5」にはならない。組織の能力のストレッチを伴いながら、崩壊しないで成功への細い道を歩んでいくことが求められる。イノベーションの旅は続く。
2012-01-31 23:06:39

経験と学習で習得する組織の「スピード」

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 「スピード」については、ビジネスにおける成否の要素の中で優先順位の高いものであることは万人が認めるところであろう。しかし、スピードの解釈ほど各人で異なるものはない。Aさんが「スピードを持ってやる」というスピードと、Bさんが持つ「スピード」の時間軸にズレがあるはずだ。従って、ビジネスでは「いつまでに」という時間軸が使われる。ところが、これが適用できるのは、書類や物流などの目に見えるものであって、ある取り組みの結果については、その当初描いた結果がいつでるのかは、残念ながら予測不可能なことが多い。それ故に、「スピード“感”を持って」という言葉が使われるのかもしれない。

ある時点で、方向修正すべきなのか、あるいは止めるのかといった意思決定を迅速にしたいがために、「スピード感を持ってやる」と言うのが、その言葉を使う目的の一つである。

しかし、取り組みに対しては、このときの「スピード」は残念ながら、書類提出のときのようなはっきりとした「スピード」ではない。実践する人たちや、属する組織の環境、考え方、経験等々が複雑に絡み合っていて、大抵は、予定したよりも、手前までしかできないことが多い。18世紀のプロイセンの軍事戦略家である、クラウゼヴィッツがいみじくも言ったように、「戦争とは、計画した戦略の手前で終わることがそのほとんど」なのである。

しかし、スピード感を弱めてしまったら、もっと結果が悪くなるから、当然、スピードは必要であることはいうまでもない。

 私は、スピードも各人やその組織の経験によって差が出てくるものだと捉えている。改革のプロジェクトを推進すると、経験の少ない組織は変革のスピードが遅い。所属している人たちは一生懸命スピードを上げているつもりであるが、なれている組織とは全く異なる。例えば、1年先に改革を始めた組織と比較するとスピードは遅い。すなわち、それは経験による学習の差である。しかし、残念ながら、経験を重ねて学習することでスピードを増すことができても、1年前に始めた改革チームを半年で追い越すことは厳しい。ようやく1年が経過するころ、同じ位のスピードでやることができるだろう。これが経験と学習である。だから、いつも全力であたらなければならないのだ。

2012-01-27 10:13:46

実践から学び、組織の力にしていこう

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 前回の原稿で、「メンタルモデル」について述べた。メンタルモデルの考え方の根源は「過去」にある。過去が現在を支配し、そして未来も過去の連続であるというような捉え方である。

 人が認識し易いのは、形となっているものや経験したことである。認識とは「過去」を示す場合が多い。しかし、ビジネスで最も重視しなければいけないのは「未来」である。これから起こることで、組織の生死を賭ける場合も多くある。それを過去に照らし合わせて分析していても、現状は、それ程単純ではない。

イノベーションを起こすといっておきながら、失敗を避けようとする。実践が大事といっておきながら、書面で考えることだけで終始する。これらは、無意識的な習慣であることが多い。

このようなときの対処の仕方を教えてくれるのが、戦略的なアプローチである。これには大きく二つの方向がある。一つは、「組織のやるべき事は“一つの大きな目的”があり、それに向かって進むことである」という見解。もう一つは、「中間管理職クラスが中心となって実践を繰り返して、やがて勝つ仕組みを創っていくべきだ」という捉え方である。前者は、人間は合理的で、一糸乱れぬ「機械」のように動くことを課せられる。後者は、人間の行動はそんな合理的なものではなく、日々の厳しい環境の中で、自らが仕組みを動かしていくと考えるものである。しかし、これらはどちらも対立軸ではない。双方には融合点があり、それは「学ぶ」ということである。

どちらも、実践から学び、それを省察して、組織の力にしていかなければならない。人は機械ではない。ということは、人間から成り立っている組織というものは、生きて動いていくものである。すなわち生態的なものである。

実践、実践、実践そして学び、学び、学びである。

プロセスを無視した結果にだけ頼る論理の帰結だけは非常に危険である。

2012-01-25 09:52:58

プロセスを見ない、結果のみの論理的思考の危うさ

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 今年最も注意しなければいけないことは、取り巻く経営環境の激変により、異常なまでの危機感からの心理戦による「負け戦」に入ることにある。確かに、国内をみれば、内需の減少、グローバル競争における高コスト体質、円高、多くの規制等々、例をあげればきりがない。しかし、それらを論理的に突き詰めれば、「この日本では闘えない」という、直線的な結論を導き出してしまう。

 何も講じなければ、顧客は減少していく。その事実だけをもって、内需が減少しているからと理由付ける。生産性の向上を徹底せずに、高コスト体質と結論づけてしまう。また、人材の育成が大切とは捉えていながらも、人を資源(モノ)としか扱わない。挙句には「選択と集中」という美辞麗句の下に、事業や顧客を切ってしまう。

 こうした外部環境に圧迫され、中間にある過程(プロセス)を大切にしないで、結果のみで論理的思考に終始してしまい、闘うことよりも、「効率化」という合言葉のもとで、意図せずして事業を縮小に向かわせてしまうことが最も怖い。

環境の変化に対して、企業の収益構造の見直しは必須である。しかし、組織のリストラクチャリングや働く人たちの生産性向上ではなく、単なるコストカットによる効率化に頼ると、企業がより良い方向へ変化するために肝心な舵取りを見誤ることになる。そして、外部環境からもたらされる圧力への対応をどうしていくのかという、本来の目的から自らを外すことになってしまう。

 外部環境の変化が連続的かつ根本的なものであれば、企業経営にも連続的な変化が要求される。しかし、窮地に陥った企業の事例を扱ったある研究では、「急激な変化の時期には、規模が大きく順調な企業ほど、危機への認識が危うくなっており、戦略的な失敗にさらされる可能性が高い」という結果を示している。

 これは、「慢心」という精神的な部分もあるが、あることで成功すると、組織はそのパターンを繰り返すようになるという要因が大きい。すると、組織全体が「機械」となってしまい、意図せずしてルーティンを繰り返すのである。その「成功の方程式」は強固なものとなり、企業の環境認識力や組織文化、構造的な全体のオペレーションに拡がっていく。そして、ルールを一旦決めてしまうと、変化は歓迎されず、しかもそのルールが文化になってしまい固まってしまうのである。この考え方の枠組みを「メンタルモデル」という。

次回はこの「メンタルモデル」について述べていこうと思う。

2011-12-13 11:21:36

人生と仕事を、情熱をもって一致させていく

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 ハーディネスというのは、心の頑健さである。サンタクララ大学のクーゼンス教授は、ハーディネスには三つの要素があるという。第一は、コントロールする力が強いこと、第二は、自分の仕事や価値へのコミットメントが強いこと、第三にチャレンジの意欲が旺盛であるということである。決めたら後ろを振り向かず、前を向いて歩くことである。私も実践をしているが、人はどうしても過去をみて歩きたしなるし、過去のような状態に戻りたくもなる。過去がとても愉しく、甘いものであればあるほど、人は戻りたくなる。しかし、現状のビジネスの環境の中では、過去に戻ってもそれは幻想に過ぎないことをその時点で気づくべきである。気付くのが遅ければ、気付いた時にはライバルは先に行ってしまって、これまでやってきたことが、台無しになるだろう。

 本当の意味で、人生やビジネスに対しても「献身」が求められる。私の中で献身とは、無私、倫理、ゆるぎない姿勢を想起している。それに、情熱が必要である。しかし、情熱は、そのことに要した時間のことを指すではない。そこに向ける思いの深さやその人の努力である。これまでのビジネスの世界では、献身というと、家族を犠牲にして仕事をすることや、転居を伴って仕事をすることとして捉える場合が多かった。これらは自分の時間を捧げるという意味の献身であった。しかし、それは献身ではなく、もしかしたら犠牲かもしれない。そうではなく、どれだけ情熱を傾け、どれだけ努力し続けるかである。

 人生は短い。そして仕事と人生を両立している時間は、なお短い。移ろいゆく世の中で、自らをコントロールして、コミットメントを明確にしてチャレンジしていく。様々な葛藤を乗り越えていくことを徹底すれば、自分らしさが出てくる。そうすれば人生と仕事は一致し、本物の自己で過ごすことができるのだ。

これが真の自己実現であり、真のイノベーションの行き着く処だと思う。

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