ドイツ1-2イタリア
【ド】90+2'エジルPK
【イ】20'バロテッリ、36'バロテッリ
ドイツは中4日、イタリアは中2日。しかもイタリアは準々決勝でPK戦まで戦っているため、疲労度にかなりの差がある。
ドイツはミュラーではなくクロースがスタメン。他はいつも通り。
イタリアはキエッリーニとデ・ロッシは間に合うもアバーテは間に合わず、4バックの右にはバルザレッティを起用。
あっ、ドイツはビッグトーナメントでイタリアに4分3敗らしいです。
最後に戦ったのは2006WCドイツ大会の準決勝。延長戦の末にイタリアがドイツを下してる。
試合はドイツが押し気味に進める。最初のチャンスはコーナーキックから。しかしフンメルスのシュートはライン上でピルロが体で止める。その後もケディラが前にグングンボールを運び、サイドからあわや相手のオウンゴールという場面を作っていく。
しかしイタリアも相手PA手前の細かいパスからモントリーボがシュートを放つと、カッサーノも斜め45度からファーサイドへコントロールシュートを放つなど、次第にペースを掴んでいく。
そしてディフェンスラインの手前でボールを持ったピルロが左サイドを上がっていたキエッリーニにロングパスを通すと、キエッリーニは縦に走りこんだカッサーノへパス。カッサーノは寄せてきたフンメルスとボアテングをきれいなターンでかわすとそのまま左足でクロス。これをバトシュトゥバーの裏から飛び込んだバロテッリが決めてイタリアが先制点を奪った。
その後は再びドイツがエジルを中心にイタリアを押し込んでいくが次の得点もイタリアに生まれた。
ドイツのコーナーキックをブッフォンがパンチングしたボールを左サイドでモントリーボが拾うと、抜群の飛び出しを見せたバロテッリへロングパス。これを受けたバロテッリは追ってきたラームを振り切りゴール前まで持ち込んで、右足で強烈なシュート。見事にノイアーの守るゴールを破った。
後半に入るとドイツはゴメスとポドルスキに代えてクローゼとロイスを投入。そしてその2人を中心にドイツは攻勢に出る。しかしその勢いも次第にしぼみ、逆にカウンターからマルキジオが決定的なチャンスを掴むなど、イタリアにとって理想的な試合展開になっていく。
ドイツはさらにディフェンダーのボアテングを下げてミュラーを投入。イタリアのゴールをこじ開けに行く。
30分過ぎからはドイツはイタリアゴール前に迫るシーンが多くなるものの、前線の動きが乏しく決定的なチャンスにはならない。逆にイタリアはしっかりとボールを繋いでいくつも決定的な場面を作っていく。しかしこれを全く決められず、試合を終わらせることができない。
ドイツはパワープレーでなんとか得点を奪いに行くものの、イタリアは体を張ってあと一歩のところで失点を防いでいく。
結局その得点が生まれたのは試合終了間際。バルザーリとバルザレッティどっちのハンドを取ったかは謎だが、このプレーでPKを得るとエジルがしっかり決めて1点差。
しかし同点の得点は生まれずに、イタリアがスペインの待つ決勝へと駒を進めた。
ちょっとピッチ悪すぎて残念。選手たちズルズル滑っちゃってた。まぁ決勝会場のキエフのピッチがズルズルじゃなくて、カッラカラであることを祈る。
ドイツは明らかに横幅が狭かった。ギリシャ戦でロイスとシュールレ使ってエジルがプレーしやすくなったって言ってたけど、それに比べたらこのイタリア戦はエジルは窮屈そうにプレーしてた。そもそもイタリアのシステム上サイドから攻めるほうが効率的だろうに、わざわざ狭い中央から攻めたのはなぜ?右サイドのボアテングは序盤はオーバーラップしてチャンス作ってたけど。ピルロの両脇を狙ったんだとしても、その前にサイドから攻める素振り見せてデ・ロッシなりマルキジオなりを釣りだしておかないと。ただこのイタリアの中盤のカバーしてる範囲が異常に広いんだよね。ただ序盤はドイツペースではあったし、まんまハズレというわけではないかもしれないけど。
この試合に関してはフンメルスはやられっぱなしだった。カッサーノとは相性が悪すぎる。イタリアの先制点の場面もあそこで取れる!って思ったところでうまくかわされて結局3人引きつけられて中はバロとバトの一騎打ち。まぁクロスの時点でバトシュトゥバーに勝ち目はなかったけど。クロスのタイミング、質ともに最高だった。
2点目はドイツの攻守の切り替えが遅すぎ。コーナーキックのあとのカウンター受けて、モントリーボへのプレスが遅れたのはもちろん、後ろにポルディ残していたなら彼は守り方をしっかり知っておく必要があった。バロテッリ1人に対して中にラームとポルディがいて、ラームはニア目にポジション移して、バロテッリにつくのはポルディ。のはずが、ラームがスライドしたのに対してポルディは知らんぷり。モントリーボのロングパスも素晴らしかったけど、ニアに動いたラームの逆にボールが出たらラームにはどうしようもない。これは完全にドイツのミス。まぁバロテッリのシュートも素晴らしかった。あんなシュート、ノイアーでも誰でもノーチャンス。
ドイツはゲルマン魂とかなくなったのかな。脈々と受け継がれてきた『闘将』のメンタリティは本来ならばシュバイニーが受け継いでいるはず。だけどあまり闘志を全面に押し出してチームを鼓舞する場面がなかった。若いチームだからこそそういう選手は重要だし、ここ数年の負け方を考えれば同じような負け方なんだよね、ドイツは。勝負強さは失われるばかり。
対してイタリアは闘えるチームでまとまりが強い。したたかさは昔ほどではないけど、ショートパスとロングパスを使い分けて劣勢の中でも決して慌てない。ピルロ、デ・ロッシ、マルキジオはそこら辺のテクニックが非常に高い。あとは試合を決めきれなかったことだけが不安だけど、バロテッリ覚醒でどうなるかだね。
スペイン相手に多くのチャンスは作れないのだから。今日みたいにバロテッリが確実に決めなくちゃいけないよ。
まっ、スペインを沈めるのはイタリアかアイルランド(えっ)だと思ってたから、俺得な決勝です。

【ドイツ】
ヨアヒム・レーブ監督
GK
1 マヌエル・ノイアー バイエルン・ミュンヘン
DF
20 ジェローム・ボアテング バイエルン・ミュンヘン→13 トーマス・ミュラー バイエルン・ミュンヘン
5 マッツ・フンメルス ボルシア・ドルトムント
14 ホルガー・バトシュトゥバー バイエルン・ミュンヘン
16 フィリップ・ラーム バイエルン・ミュンヘン
MF
6 サミ・ケディラ レアル・マドリード
7 バスティアン・シュバインシュタイガー バイエルン・ミュンヘン
18 トニ・クロース バイエルン・ミュンヘン
8 メスト・エジル レアル・マドリード
10 ルーカス・ポドルスキ 1FCケルン→21 マルコ・ロイス ボルシア・メンヒェングラートバッハ
FW
23 マリオ・ゴメス バイエルン・ミュンヘン→11 ミロスラフ・クローゼ ラツィオ
【イタリア】
チェーザレ・プランデッリ監督
GK
1 ジャンルイジ・ブッフォン ユベントス
DF
6 フェデリコ・バルザレッティ パレルモ
19 レオナルド・ボヌッチ ユベントス
15 アンドレア・バルザーリ ユベントス
3 ジョルジョ・キエッリーニ ユベントス
MF
21 アンドレア・ピルロ ユベントス
16 ダニエレ・デ・ロッシ ASローマ
8 クラウディオ・マルキジオ ユベントス
18 リッカルド・モントリーヴォ フィオレンティーナ→5 ティアゴ・モッタ パリ・サンジェルマン
FW
9 マリオ・バロテッリ マンチェスター・シティ→11 アントニオ・ディ・ナターレ ウディネーゼ
10 アントニオ・カッサーノ ACミラン→22 アレッサンドロ・ディアマンティ ボローニャ