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2012年02月20日(月)

俺たちの幻想郷は、ここにある  1日目 午後14時30分

テーマ:企画モノ
※この作品は東方Project二次創作品になります。
※皆様前回までのお話忘れていらっしゃるのではありませんか?私も忘れてました。
 しかも文章の書き方もだいぶ忘れてます。申し訳ありません。











「あー、暇」
秋山はそういって大きく伸びをした。いすの背もたれに思いっきり体重を任せ、大きく背を反らす。
「あの、お店なんだから、もうちょっとおとなしく・・・・・・」
「うるさいわね、良いじゃない別に!」
たしなめようとした春日を一喝し、秋山は一つ、大きなため息をついた。
ここは人間の里。
山で魔理沙と霊夢に遭遇した後、清掃員と秋山、春日は情報収集ということで人間の里に向かった。
はじめのうちは三人で行動していたものの、
「飽きたんだけど」
という秋山の一声で、秋山と春日は里の茶屋に、清掃員はそのまま情報収集を続けることになった。
茶屋でお茶を飲んだりお菓子を食べたりお店の人と話したりすること一時間、そうして今に至る。
「ってかさ、大体なんであんたそんなに大人しいのよ。もっとこうね、アクティブになりなさいよアクティブに」
「う、うん・・・・・・」
秋山の言葉に春日は小さくうなずき、俯いた。
「・・・・・・もういいわよ」
それ以上の反応がないとわかると、秋山はまたため息をついてテーブルにのった湯飲みをつかみ、ぐいっと中身を煽った。
「・・・・・・あの、さ」
湯飲みを乱暴に机に置き、そのまま突っ伏した秋山に春日はおずおずと声をかけた。
「何よ」
「なんで、女の子の格好し・・・・・・」
「――ッ!!」
春日がそこまで言うと秋山は顔を真っ赤にし、すさまじい勢いで起き上がった。机がガタッと音を立てて揺れる。
「何でわかったのよ!」
食ってかかるようにいう秋山に春日はたじろぎ、しかしぼそぼそと話し出した。
「あの、波長が、人と、違う、ような・・・・・・」
「・・・・・・もう、わかったわかったからもう黙りなさい」
秋山は頬を赤く染めたまま両の手のひらで顔を覆い、またしてもため息をついた。そして、
「・・・・・・他言無用よ」
指の隙間から、獲物を狙う蛇のような目で春日をにらみつけた。
「・・・・・・うん」
その迫力に完全に気圧され、俯いた春日はそう答えて、黙りこくるのが精一杯だった。
二人の間に気まずい空気が流れる。秋山はいつまでも顔を手で覆ったまま、春日も俯いたまま。
がらり、と茶屋の戸が開いて店員がいらっしゃいませ、と元気に声をかける。そんなやりとりにも反応しない二人には、近づいてくる人がいるということも当然わかるはずもなかった。
ゆっくりと二人のテーブルに近づくその人は、
「おや、お二人ともどうしましたか?」
里の聞き込みを終えて帰ってきた清掃員だった。













批評&アドバイス大好評受付中です。
2011年11月03日(木)

おれたちの幻想郷は、ここにある  1日目 午後13時00分

テーマ:企画モノ
※この作品は東方Project二次創作品になります。
※スランプスランプゥ!(リアラ風に










突然の爆撃に、しかし陽琉は対応していた。
幽々子にハンドガンを向ける手をそのまま胸の前で交差しガードの体勢をとる。そのまま陽琉は、大きく後ろに跳んだ。
霊魂の射撃によるダメージはまだ抜け切れていないが、陽琉は軋む体を強引に動かし無理矢理その動きを可能にした。
そのジャンプの結果、爆風の多くはバックジャンプの推進力に還元され、
「距離をとらせてもらうぞ……!」
全方位からの攻撃だったためすべてを移動に利用することはできなかったが、しかしそれでも陽琉は幽々子から十分な距離をとることに成功した。
ややバランスを崩しながら陽琉は着地する。即座に銃を地面に投げ捨て、再びナイフを取り出して幽々子と対峙した。
「これは・・・・・・」
幽々子は先の爆発に不思議そうな顔をしながら、しかし何事もなかったかのように無傷で立っていた。
相手が無傷と言うことは敵の援軍か、と陽琉は即座に推測する。この戦力差がある状態で二対一になるのはあまりよくない、とも。
いずれにせよ、このままでは確実に負ける。そう判断した陽琉は、どこかに話しかけた。
「主、これはAlice殿を回収して退却するのがいいかと思われるが」
「・・・・・・うん、僕もそう思う」
主と呼ぶ相手の了解を得た陽琉は一つうなずき、そしてじりじりと後ずさりを始める。が、
「どこに行く」
後ろからかけられた殺気だった声に押しとどめられた。ゆっくりと振り向くと、短い銀髪の刀を構えた少女が立っていた。
その後ろの方からAliceが駆けてきている。どうやらあちら側でも爆撃があったらしい、彼の服は所々破れている。
逃げられぬか、と陽琉が思うのもつかの間、銀髪の少女が幽々子に言う。
「この攻撃、みすみんですか」
「ええ、そうでしょうね。そこにいるもの」
幽々子は上を指さした。ほかの視線もそこに集中する。
黒い和服を着た姿が、白玉楼の上空からゆっくりと降りてきていた。その姿を見たAliceが、ぼそりとつぶやく。
「みすみん・・・・・・おまえか」
「ああAlice、久しぶりだなぁ。今までどこにいたんだ」
Aliceの声の調子とは対照的に、地面に降り立ったみすみんは明るい調子で答える。そのまま彼は自分に視線を集める皆に対して、
「あ、幽々子様すみません、援護しようと思ったんですが・・・・・・あと初めまして獣耳さん、あと妖夢さんごめんなさい」
一気にたたみかけるように言った。一瞬しらけた場だったが、しかし妖夢がその空気を破り言う。陽琉を指さし、
「・・・・・・幽々子さま、こいつはどうしますか」
「そうねぇ、どうしようかしら」
妖夢の言葉に幽々子は首をかしげた。できることなら手荒なことはしたくないけど、と幽々子は続ける。
しかし、と妖夢は反論する。
「紫様のお言葉では……!」
「あら、私がどうかした?」
突然、白玉楼の庭に新しい声が響いた。突如上空から響いた女性の声に、全員が上を見上げる。
漆黒から時折大きな瞳が覗く空間に、宙に浮く形で座る女性をみて、陽琉がしゃがれた声を出す。
「八雲、紫……!」
ご名答、と紫は応えて妖しい笑みを浮かべる。そして妖夢を見て、言った。
「妖夢、まだ良いのよ。まだ」
「そういうことらしいわ」
幽々子も紫に続ける。妖夢は不服そうな顔をしたが、渋々と言った様子で頷き、刀を納めた。
その様子を確認してよし、と頷いた幽々子は、改めて紫の方を向く。
「迎えに来てくれたんでしょ?」
「そうよ。あっちの準備ができたからね」
「それはいいわねぇ。ご飯は美味しいの?」
「ちょっと、待ってくださいよ幽々子様!」
みすみんが紫と幽々子の会話に割り込んだ。
「どこかに行かれるんですか?説明してくださいよ!」
えーっと、と幽々子は苦笑する。その様子をみて紫はまたにっこりと笑い、言った。
「あなた方はまだ知らなくて良いことです。精々邪魔しない程度に動き回ると良いですわ。
 もう隠れても手遅れです、最悪あの2人だけでも気づかれなければ良いのですから」
紫の言葉に、Aliceが首を横に振った。
「わりぃ、わけわかんねぇわ」
「当然ですわ。分かってもらっては困りますもの」
紫はそれだけ言うと、幽々子の前に大きな黒いスキマを作り出した。
「妖夢、行くわよ?」
幽々子は目の前に現れたスキマをみて、言った。妖夢も頷きを返して幽々子の元に歩いていく。
「ちょっと、待ってくださ……!」
「じゃ、お留守番頼んだわねみすみん」
みすみんの言葉を最後まで聞くことなく告げた幽々子は、妖夢とともにスキマ空間に消えた。
陽琉が上空を見上げるが、先程までいた紫も忽然と姿を消していた。
誰もいなくなった白玉楼で、ただ3人だけが残された。















批評&アドバイス大好評受付中ですの。
2011年10月23日(日)

おれたちの幻想郷は、ここにある  1日目 午後12時55分

テーマ:企画モノ
※この作品は東方Project二次創作品になります。
※スランプ脱出かと思いきやそんなことはありませんでした。











Aliceは幾重にも襲いかかる刃の攻撃を回避しながら、攻めあぐねていた。
彼がいくら拳術の使い手とはいえ、流石に刃物相手には分が悪い。それに加え、相手もまた剣術の使い手である。
接近して殴ろうにも、二本の刀によって接近が阻まれる。いったん離れて距離を取ろうにも、妖夢のそばに浮いている霊魂に追撃を許してしまい、結局結果は同じ。
「っていうかお前結果的に三刀流じゃねえか!?」
「聞く耳は持たないわよ」
妖夢が右手に持つ楼観剣で放った突きを大きくバックステップでかわし、Aliceは上半身を前に倒しながらバランスを取り着地。しかし妖夢はその一瞬の隙を逃さない。
突きの勢いそのままに足を前に放り出し、大きく前に出る。一気に距離を詰めながら、そして同時に半霊をAliceに突撃させた。
「むちゃくちゃしやがるなほんとに……!」
崩れかけた体勢のまま大きく横っ飛びして、半霊の体当たりを回避。先程までいた場所に妖夢が飛び込むのを確認しながら、その一瞬の間にAliceは体勢を立て直した。
妖夢もいったん立ち止まり、刀を振り払い息を一つ。
「……なんでいきなり襲いかかってきたんだ?」
問うAliceに顔を向けぬまま、妖夢は刀を構える。
「幽々子様のご命令だ」
それだけ言って妖夢はAliceの方に向き直り、そして右手に持った楼観剣でAliceを指した。
「とりあえず危険因子らしいわね」
「……は、言ってくれるじゃねえか」
Aliceもまた拳を構え直し、腰を低くおろす。
「さて、おしゃべりはおしまいよ」
「良いだろう。遊びもおしまいにしてやるよ」
言葉はそれで終わった。再び刀と拳の激突が始まる。



「……近づけぬぞ主!」
しっぽを振りながら謎の声が叫ぶ。蝶の舞う庭を走りながら飛びながら、しかしその手に持ったナイフが幽々子の体に届くことはなく。
幽々子の弾幕は現在、幽々子を中心として展開されている。つまり中心の方が弾幕の密度が高い。
対し陽琉の武器はナイフのみ。懐に飛び込まなければ打撃は与えられない。それを許さぬ幽々子の弾幕は陽琉にとって厄介者以外の何者でもなかった。
「あら、その程度?」
幽々子は弾幕を展開しながら余裕を持った声で言う。く、と息を漏らしながら、陽琉は近づけるギリギリの場所でまるで踊るように弾幕を回避し、時にナイフで弾幕をはじき返していた。
「あのさ、使って良いんだよ?」
「……苦手なのだが、仕方あるまい。お借りするぞ!」
どこからか陽琉の声がする。返事をしながら謎の声は腰のホルスターに手を伸ばす。
「持って行け……!」
ナイフを持ったままハンドガンを二丁ホルスターから瞬時に取りだし、幽々子に向かって連射する。
乾燥した音が連続して響き、幽々子に弾丸が向かっていく。突然の音に驚いた幽々子は、しかしゆっくりと動きながら弾幕の展開をやめることはない。
金属の弾丸は次々と蝶の弾幕に当たり堅い音をたてる。はじかれた弾丸は勢いを失い、少しだけ跳弾して地面に落ちる。
「……っ!?弾切れか!」
ガチ、というかたい音がして連射が止んだ。
「あら、それでおしまいかしら?」
その一瞬の隙を幽々子は見逃さない。右手をかざしたかと思うと、次の瞬間高速の霊魂が陽琉に襲いかかった。回避するのはとてもではないが不可能のなほどの速度で襲いかかる霊魂は、まるで陽琉に吸い込まれるかのように命中する。
庭にはいつの間にか、美しい桜の花びらが舞っている。
「しまっ……!?」
陽琉の周囲が爆発した。






「おい、なんだよ!?」
白玉楼に帰り、そして白玉楼の上に浮かぶみすみんが見たのは二カ所で行われている激しい戦闘だった。
誰が戦っているかまではわからないが、庭の方に舞う蝶の弾幕から判断して幽々子が戦っているのは確実だった。
このままではいけない、と本能的に理解したみすみんは周囲に桜を展開させた。
みすみんが瞬時に周囲に展開させた桜の花びらは一度だけみすみんの周りをくるりと周り、そして白玉楼の周囲に降り注いだ。
ゆっくりと、しかし確実に広がっていく桜の花。ある程度拡散したのを確認したみすみんは、
「咲き乱れろ」
言い、その瞬間白玉楼の周囲で大量の爆発が起こった。














批評大好評受付中です~!
2011年10月16日(日)

俺たちの幻想郷は、ここにある  1日目 午後12時50分

テーマ:企画モノ
※この作品は東方Project二次創作品になります。
※スピード感のある描写ができるようになりたいなって。









「・・・・・・っ、体を借りるぞ主!!」
その場にいる誰のものでもない声が叫んだ。
突然の幽々子の攻撃に、しかし陽琉は驚異的な垂直跳躍をもって応える。陽琉の眼前を、数多の蝶が飛んでゆく。
そのまま陽琉は空中で身をよじり、腰に差している二本のナイフを両手で抜き逆手に構え、
「逃がさん・・・・・・!」
腕を顔の前で交差させるようにして幽々子に突撃した。重力による加速を得て、陽琉は瞬間的に幽々子がいた場所に落下する。
「甘いわねぇ」
陽琉の眼下で、陽琉を見上げる幽々子はやれやれといった様子でそう言い、すっと半歩身を引いた。
わずかな距離ではあったが、陽琉は空中で体を制御する術を持っていない。飛ぶこと位はできるものの、落下時の姿勢制御に使えるほど陽琉のその技術は洗練されていなかった。
従って半歩でも陽琉の突撃を回避するには十分。また、反撃の用意をするのにも十分。幽々子は再び色とりどりの蝶の弾幕を、陽琉の落下地点にばらまいた。
「っ!」
その危険を感じ取った陽琉は何とか身をよじり弾幕が体の正面になるように体制を調整。そして弾幕の中に落下した。幾多の衝撃が陽琉を襲い、しかし陽琉はそれに屈することはなく、
「そちらも甘いな!」
弾幕の一瞬の切れ間を縫い、陽琉はガードを解除。胸の前に開いた両の手でナイフをつかんだまま地面の砂利に手をつき、そのまま爆転の要領で後ろに跳んだ。
その距離は幽々子との対決を仕切り直すには十分な距離。両手脚を使って着地した陽琉は、体勢を低くしたまま幽々子と対峙する。
「ふぅん、やっぱり少しおかしいなとはおもってたけれど」
戦闘態勢を崩さない陽琉とは対照的に、右手に持った、少し開いた扇子を口元に当て、まるで戦闘を楽しむかのように言う。
「貴方・・・・・・物憑きね」
その言葉に、陽琉は身を震わせる。その頭に生えた、獣の耳がぴょこんと動いた。
「貴女には関係のないことだ」
尻尾を振るいながら吐き捨てるように陽琉は言った。その声は今までの陽琉のものでなく、ずっと陽琉と会話していた謎の声。ナイフをしっかりと構え直しながら、幽々子をにらみつける。あらあら怖い、と幽々子はおどけて見せた。
「ねぇ、大丈夫なの?」
どこからか陽琉の声がした。ふ、と小さく笑いながら、陽琉の体を使っている何者かは応える。
「大丈夫だ、主の体には傷はつけないし・・・・・・主ではきっとこいつを倒せない」
「言ってくれるじゃない?」
幽々子は笑いながら言った。そして、扇子をパチンと閉じ、こちらに向ける。
「いいでしょう、かかってきなさい。貴方が私を倒せるのかどうか、やってみることね」
は、と陽琉の体の”今”の持ち主は応えた。
「いいだろう、亡霊の女王と言われる貴女がいったいどの位の力を持っているのか、見せてもらうぞ!」
言葉とともに陽琉は幽々子に向かって疾走。その陽琉の行動に、幽々子は弾幕の展開を持って応える。
ナイフが弾幕とぶつかる音とともに、戦闘が再開された。






「おい、こりゃなんのおとだ!?」
白玉楼の裏口側を捜索していたAliceは戦闘音に驚き、顔を上げた。
今まで手をかけていた裏口のノブから手を離し、音の聞こえたほうへと駆け出そうとする。しかし、
「どこに行くんですか?」
背後から聞こえる凛とした声に呼び止められた。
「・・・・・・っ!」
Aliceは驚きを隠せないまま振り向いた。気配が全くない。地面は土であるのに、それを踏む音すらしなかった。だが今なら感じる。声の主は、まるで刃物のような殺気をほとばしらせていた。
その視線の先にいたのは、銀髪の少女。傍らに人魂のような物を浮かばせている彼女は、
「魂魄妖夢・・・・・・庭師か」
「ご名答です」
妖夢は腰に差した刀の柄に手をかけながら応える。Aliceはその様子を見、そして軽く腰を落とし身構える。
「あんまり友好的、ってわけじゃなさそうだな」
「空き巣に対して友好的態度をとる人なんかいないと思いますけどね」
「は、そりゃそうだな」
Aliceは小さく笑った。妖夢は応えず、ただ目を閉じる。しばらく時がたち、そして、
「・・・・・・貴方に恨みはないですが、ここでしばらく一回休みになってもらいましょう」
その言葉とともに、今まで以上に殺気をほとばしらせた。まるでそれだけで人が殺せそうなほど鋭いそれはAliceの体を貫くが、しかしAliceは動じない。
腰をさらに深く落とし、いつでも突進ができる体勢を作り、Aliceは答えた。
「・・・・・・あんたに恨みはないが、やるってんなら仕方ないよな」
Aliceの言葉が終わるか終わらないかのうちに妖夢は抜刀。Aliceもそれに劣らないスピードで、妖夢にぶつかっていった。











批評&アドバイス大好評受付中ですの~!!














2011年10月09日(日)

俺たちの幻想郷は、ここにある  1日目 午後12時40分

テーマ:企画モノ
※この作品は東方Projecct二次創作品になります。
※いやぁなんかもう忙しいしスランプだし! 参った参った博麗神社。








「さて、そういうわけで白玉楼に到着したのはいいんだけどよ」
「いいんだけど、何ですかAliceさん?」
「人の気配が全くしないよな……」
Aliceは肩を落とした。
ここは冥界、白玉楼。Aliceの友人を訪ねて来た二人であったが、そこには人の気配は全くなかった。
あるのはほとんど葉も落ちてしまった桜の木々、綺麗に整備された庭、時折現れてはふわふわと宙に浮かび、そして消えていく人魂だけ。
「あいつあんまり外に出ないだろうと思ったんだが……」
ため息をつくAliceに、陽琉はなんとか慰めようと声をかける。
無理もない、幻想郷からこの白玉楼にあがってくるには気も遠くなるような階段を上ってこなければならない。数時間かけて収穫がゼロとは、Aliceにとってあまりにもひどい報酬だった。
「まぁまぁ、まだ中にいるかも知れないじゃないですか。もうちょっと捜してみましょうよ」
「……それもそうだよなぁ」
もう一つため息をついたAliceは、背筋を少し伸ばして陽琉に向かい合う。それから屋敷の方を指さして言った。
「じゃ、おれはあっちを捜す。お前誰か人影を見つけたら呼んでくれ、たのんだぜ」
「わかりました」
陽琉は頷いた。



「で、どうすればいいのかなぁ」
Aliceと分かれた後庭の方から屋敷周辺を探索していた陽琉は、一人呟いた。何者かの声が陽琉の問いかけに答える。
「どうすれば、といわれてもな。捜せばよいのだろう?何を迷うことがある」
「そ、そうなんだけどさ」
数ある桜の木のうちの一本の下に立ち、屋敷を見回しながら陽琉は何者かと会話する。
「だれもいる気配ないんだけど……ねぇどう?」
「……主よ。捜そうと言ったのは主ではないか」
「ま、まぁそうなんだけどさ」
謎の声に痛いところを突かれて焦る陽琉。こんどは庭全体をゆっくりと見渡した。
「なら文句をいわず働くが良い」
謎の声はそれっきり何も言わなくなった。陽琉は大きくため息をつき、庭の隅の植え込みに目を向ける。ちょうど人が一人隠れられそうな大きさのそれは、まるで陽琉を誘っているかのようだった。できるだけ綺麗にならされた砂を踏まないように、慎重に歩く。
「いるとすればあの辺かなぁ」
そんなことないか、と苦笑しながらも陽琉はその植え込みに向かう。近づくとその植え込みがなんなのかよくわかった。花はもう散ってしまっているが、ツツジの木。おそらく時節があった頃には、美しい花を咲かせるのだろう。
「うーん、やっぱりいないよね」
ツツジの裏まで回ってみるが、やはり誰もいない。しゃがんで観察してみるが、植え込みの中には流石に人は入れなさそうだ。陽琉はあたりまえか、と独りごちる。
「Aliceさんのほうはどうなったんだろ」
陽琉はそういって立ち上がった。と、そのとき。
「あら、お客さんね? ……まぁあなたたちなら帰っていただかないとだけど」
陽琉の後ろから声がした。おっとりとした、しかし言葉の後半には若干の殺意が秘められた女性の声。驚いて振り向くと、そこには白玉楼の主、
「西行寺、幽々子さん……?」
「あら、ご名答」
陽琉から2メートルほど離れた場所で、幽々子はからりと笑った。しかしその笑みにはどうも妖しさが感じられる。にこにこと笑んだまま、幽々子は言った。
「さっき紫から聞いたのだけれど……あなたたち、ちょっとマズいみたいね」
「……は?」
「だから、いまここにいたらちょっと問題なのよ」
意味がわからないといった風に答える陽琉に、幽々子は言い聞かせるように言い、そして。
「……お帰りいただきますわ」
突然に、何の前触れも無しに、幽々子はおびただしい量の美しい蝶の弾幕を展開した。













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