今年は本当に制作と録音の日々だ。
自分自身のアルバムやコラボ作品の制作、企画モノ・・・
その他に友人のミュージシャンの録音もやらせていただいている。
四月から始まった民族楽器のデュオ“KURI
”のアルバム制作、
これは現在続行中なので後日レポートしよう。
この連休5/3~5はオカリナ奏者の堀田峰明氏
の録音。
場所は東京の大塚のスタジオ“ano ano”。
録音機材一式を持ち込んでの三日間だった。
堀田氏とは“虹のひびき
”で数年間を共に活動した。
当時彼はまだ慶応大学の学生だった。
みんなに“峰ちゃん”と呼ばれている。
とても演奏能力が高く、安定したプレイを聴かせてくれる。
今回のレコーディングはオカリナではなく親指ピアノ“カリンバ”のアルバム。
彼の演奏スタイルはいわゆるアフリカ的なリズミカルなプレイではなく、
メロディを強調した彼独自のモノだ。
この“カリンバ”でオリジナルの他、童謡やアイリッシュ民謡やバロック等を弾きこなす。
そのプリミティブな響きと繊細な音選びが独特の世界を生み出している。
そのカリンバだけを使ったアルバム制作だ。
静寂な空間の中にいるのは峰ちゃんと僕の二人だけ。
黙々、淡々とレコーディングは進んでいった。
それは通常の録音というよりはどちらかといえばメディテーション。
彼はは息を整え、心を鎮めて演奏に向かう。
僕はヘッドホンをし、レコーダーのスイッチを押す。
聴いているうちに時折、意識がなくなって別世界にいるのに気づく。
音は鮮明に聴こえている、しかし顕在意識は眠りに近いのだ。
彼の響きと意識がそのまま伝わってくる。
彼は本当に静寂を大切にしている。
三日間とも昼になると峰ちゃんの奥様の美保子さんがランチを届けてくださる。
なんと彼は新婚なのだ。
やわらかくやさしい味・・・元気をいただいた。
美保子さん、ありがとう。
昼食とコーヒータイムの他はほとんど録音・・・まさに三昧の日々だった。
三日間で十数曲を録り終え、これで終了というときに
峰ちゃんが椅子に体を投げ出してカリンバをポロポロ爪弾きだした。
“音が伸びやかに響いている!”
僕はこれを録りたいと思った。
「峰ちゃん、そのままでラクーにやってよ」と言って僕はレコーダーのスイッチを押した。
キモチイイ!なんともいえぬ時空の広がりがそこにはある。
次から次へと思いつくままに演奏してもらい、即興もプレイしてもらった。
その中になんとも可憐なメロディとリズムの曲が生まれていた。
”♪新婚ホヤホヤ♪”と名づけたくなる曲だった。
すべてを録り終え三日間のレコーディングは終わった。
とても静かで充実した時間だった。
峰ちゃんの音楽に向かう真摯な姿勢も素晴らしかった。
そして最後にいただいた時間・・・それはまさにプレゼントだった。
力を出し切り、手放した後に訪れるモノ・・・
「修行ですね」と冗談交じりに彼は呟いた。
そう!それはある意味では修行・・・それも楽しみながらできる修行・・・
なんと有難いことか。
好きなことをやりながら気づき、向上していく・・・
本当に有難いことをさせていただいている僕たちだとつくづく思う。
峰ちゃん、お疲れ様!これからもどんどん素晴らしい響きを奏でていってね。
ありがとう。