司法書士事務所尼崎リーガルオフィスのブログ

このブログは司法書士業務に関しての内容を中心にしたものとなります。 

NEW !
テーマ:

Aさんは長年、お隣に住む一人暮らしの老人Bさんのお世話を、家族同様に行ってきました。
しかし、つい先日、Bさんは病気のために亡くなりました。

 

Bさんには相続人がいないため、Aさんが特別縁故者として自宅の土地と家屋を譲り受けました。

この場合、Aさんは相続税を納めなくてはならないのでしょうか?

 


亡くなったBさんのように相続人がいない人の遺産を、特別縁故者(特別な関係があった人)としてもらうケースはときどきあるようです。

このような場合、相続税法では、分与財産を遺贈によってもらったものとして相続税を課税することが定められています

 


Bさんのように身寄りのいない人が財産を残して死亡した場合、相続人がいるかどうかがまず問題になります。

 

家庭裁判所は、身寄りのいないBさんにお金を貸していた債権者や、検察官などの請求によって相続財産の管理人を選任し、相続財産を管理させます。

 

次に、この事実を公告して相続人が名乗り出るのを待ちます。
一定期間を経過しても相続人が現れなければ、管理人は相続財産の中から債権者へ弁済を行います。
さらに、Bさんが遺言を書いていて「○○さんにこの財産を渡したい」というものがあれば、その財産も受遺者へ渡されます。

 

その後、再度相続人を探すための公告をし、一定期間内に権利を主張する人が現れないときは、相続人の不存在が確定されます。

 


相続人の不存在が確定されたときから3ヵ月以内に、亡くなった人の特別縁故者から請求があれば残った財産の全部または一部を与えることになります。
特別縁故者として認められるのは、Aさんのように亡くなった人の療養看護に努めた人や、生計を一にしていた人、その他の特別の縁故があった人です。

 


特別縁故者として財産をもらった人は、もらったときにおける財産の時価に相当する金額を遺贈によって取得したものとみなされます。

 

つまり、Bさんが亡くなってから5年後に、Aさんが自宅の不動産をもらった場合、5年後におけるその不動産の時価で相続税が課税されることになります。
ただし、その相続税の計算に適用される税率などは、Bさんの亡くなった日に適用される相続税法の規定になります
亡くなってからしばらく経った後に分与を受ける場合には、少しややこしくなりますね。

 


相続財産にかかる基礎控除は、3,000万円+600万円×法定相続人数です。

しかし、特別縁故者が財産をもらうときは、相続人がいない場合なので、基礎控除は定額部分の3,000万円だけになります。


また、特別縁故者は亡くなった人の親族や配偶者ではないので、2割増しの相続税額を納付しなければなりません。

 

相続税の申告は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10ヵ月以内にしなければなりませんが、特別縁故者が家庭裁判所の審判によって財産分与を受けるには、いろいろな手続きが必要になり、かなりの時間を費やします。


そこで、特別縁故者が財産をもらったときの相続税の申告は、分与を受けたことを知った日の翌日から10ヵ月以内となっています。

 

それでも、相続人ではないAさんが特別縁故者としてBさんの財産をもらい、相続税の申告を行うのには、それなりに大変ですね。

 

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

死亡保険金(一時金)では、保険料負担者である契約者、被保険者、保険金受取人がどのような組み合わせになっているかで、課税されるものが変わってきます。


例えば、保険料を負担する契約者が夫で、被保険者が妻となるケースは一般的にも多いと思います。
このように契約者と被保険者が異なるときの、死亡保険金の課税関係についてまとめてみます。

 


ケース①

 

契約者:A
被保険者:B
保険金受取人:A

 

Aさんが保険料を支払い、Bさんが死亡するとAさんに保険金が入る
Aさんに所得税が課税される。

 

保険金は一時所得として所得税が課税されますが、受け取った保険金からこれまで支払ってきた保険料を差し引くことができます
さらに、一時所得の特別控除50万円を引いて、残った額の半分を給与所得などの他の所得と合算して所得税が課されます。

 


ケース②

 

契約者:A
被保険者:B
保険金受取人:C

 

Aさんが保険料を支払い、Bさんが死亡するとCさんに保険金が入る。
⇒ AさんからCさんへの贈与とみなされ、Cさんに贈与税が課税される

 

受け取った保険金から贈与税の基礎控除分である110万円を引いた額に対して、贈与税がかかります
つまり、110万円までは非課税です。

 

 

また、自分で自分の生命保険をかける場合、つまり契約者と被保険者が同じ場合については以下のようになります。

 

ケース③

 

契約者:A
被保険者:A
保険金受取人:D(相続人)

 

Aさんが自分で保険料を支払い、Aさんが死亡すると相続人であるDさんに保険金が入る。
⇒ AさんからDさんへの相続とみなされ、Dさんに相続税が課税される

 

相続人が保険金を受けとった場合には、非課税金額の適用があります。
非課税金額の上限額は、法定相続人数×500万円となっています。
それぞれの法定相続人が受け取った保険金の額(割合)によって、それぞれ相続人の非課税額が変わります。

 


ケース④

 

契約者:A
被保険者:A
保険金受取人:E(相続人ではない人)

 

Aさんが自分で保険料を支払い、Aさんが死亡するとEさんに保険金が入る。
⇒ AさんからEさんへの遺贈とみなされ、Eさんに相続税が課税される

 

このケース④では、保険金を受け取った人が相続人ではないため、ケース③のように非課税金額の適用はありません
つまり、受け取った保険金全額が相続税の対象となります。


ちなみに、社員や従業員またその家族のために、保険料を会社や雇用主が負担していた場合は、それぞれの社員や従業員が保険料を負担していたものとして取り扱われます。

 

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

相続税は、相続や遺贈によってもらったすべての財産に課税されます。

 

金銭に見積もることができる経済的価値のあるすべてのものが、相続税の課税対象になります。
他には、相続税法の規定において、相続や遺贈によってもらったものとみなされる「みなし相続財産」にも課税されることになります。

 


たくさんありますが、相続財産の具体例を以下に挙げてみます。

 

① 土地

 

田畑 :自用地、貸付地、賃借権(耕作権)、永小作権
宅地 :自用地(居住用、事業用、その他)、貸付地、貸家建付地、自用借地権(居住用、事業用、その他)
山林 :普通山林、保安林(またはこれらに対する地上権、賃借権)
その他の土地 :原野、牧場、池沼、鉱泉地、雑種地(またはこれらに対する地上権、賃借権、温泉権または引湯権)

 


② 建物

 

家屋 :自用家屋、貸家
構築物 :駐車場、養魚池、広告塔

 


③ 事業用財産

 

機械・器具・農機具・その他の減価償却資産 :機械器具、農機具、自動車、船舶など、牛馬などの家畜、果樹、営業権
商品・製品・半製品・原材料・農産物等
売掛金
その他の財産 :電話加入権、受取手形など

 


④ 有価証券

 

特定同族会社株式・出資 :配当還元方式によるもの、その他の方式によるもの
上記以外の株式・出資 :上場株式、気配相場のある株式
公債・社債 :国債、地方債、社債、外国公債
受益証券 :証券投資信託、貸付信託の受益証券

 


⑤ 現金・預貯金等

 

現金 :金銭、小切手
預金・貯金・その他 :普通預金、当座預金、定期預金、通常郵便貯金、定額郵便貯金、定期積金、金銭信託など

 


⑥ 家庭用財産

 

生活用具 :家具、什器
装身具 :貴金属、宝石
趣味用品 :競走馬、ゴルフ会員権、ヨット、書画、骨董、スポーツ用品など
交通手段 :事業用でない自動車等

 


⑦ その他の財産

 

立木 :杉、ひのき、松、雑木など
その他 :特許権、著作権、電話加入権、貸付金、未収配当金、未収家賃など

 


次にみなし相続財産は、次のようなものです。

 

生命保険金、死亡にともなう損害保険金

 

退職手当金など

 

・生命保険契約に関する権利

 

・定期金に関する権利

 

・保証期間付き定期金に関する権利

 

・契約にもとづかない定期金に関する権利

 

・特別縁故者に対する財産分与

 

・低額譲受や債務免除、その他の事由による経済的利益

 

 

AD
いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

不動産売買契約書、工事請負契約書、金銭消費貸借書などの契約書は、印紙税法上の課税文書として定められた金額の収入印紙を貼ります。

 

課税文書に印紙を貼らなくても契約が無効になることはありませんが、税務調査等で指摘された場合は印紙税の3倍または1.1倍過怠税が課せられます。過怠税は損金算入ができない上、契約金額によっては税額が高額になるため注意が必要です。

 

■文書の表題に『○○契約書』という名称がなければ印紙は不要か?

 課税文書かどうかは文書の表題や名称で判断するのではなく、文書の記載内容が契約の成立等を証明するかどうかで判断します。

 そのため、「合意書」や「覚書」であっても、それが相手との契約の成立や変更を証明する『紙』の文書であれば印紙税法の契約書になります

「申込書」「注文書」「依頼書」などは一般的に契約書に該当しないため、印紙は不要ですが、注文に対する『注文請書』になると双方が契約を合意した文書となるため印紙が必要な課税文書となります

 

■契約書を2通以上作成した場合、すべてに印紙を貼る必要があるか?

 印紙税は文書課税のため、作成したすべての契約書に印紙を貼る必要があります。

 

■契約書のコピーにも印紙は必要か?

 契約書のコピーは正本等の単なる複写にすぎないため、印紙を貼る必要はありません。契約書を1通作成し、一方が原本を所持し、もう一方は<控えとしてコピーを所持する>であれば原本のみに印紙を貼付します。

 

■契約書をPDFなど電磁的記録として電子メールで送信する場合、印紙は必要か?

 印紙税は文書課税のため、電子メールやFAXなどの電子データで送付される『電子的契約書』に対しては課税されません

 紙の契約書に記名押印して電子メール等で送信するのみで、原本を相手に交付しなければ印紙を貼る必要はありません(ただし、契約内容の改ざんなどのトラブルが起きないよう防止策をとることは必要です)。

 現在は、定款や手形などの電子化が進んでおり、これらの電子文書には印紙税はかかりません。

 

印紙を貼る必要がある契約書の例は、『印紙税額一覧表』(印紙税法別表第一「課税物件表」)に掲げられた文書に対して課税されます。また、印紙税額は文書の種類と記載金額により異なりますので、都度に確認されることをお勧めします。

国税庁・印紙税額一覧表

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

花子さんは家庭裁判所に遺留分放棄の許可を申立てて、無事に許可を得ました
ところが、事情が変わったため、花子さんはこの許可を取り消したいと思っています。

 

許可の取り消しはできるのでしょうか?

 


結論から言いますと、遺留分放棄の許可を取り消してもらうことができるケースもありますが、極めて限定的な場合に限られるようです。


民法では、相続の開始よりも前に家庭裁判所での許可を得て、遺留分を放棄できることを規定しています。
遺留分をもらう権利を放棄するかどうかは、本人の自由のはずですが、遺留分の放棄を軽く見ることはできないということで、遺留分を放棄したい人の真意や、遺留分を放棄する理由などを確認して、家庭裁判所で許可を得ないといけません

 

それなりに手間がかかる手続を経た後に、家庭裁判所が一度出した遺留分放棄の許可をまた別の理由で取り消すことはできるのでしょうか?


家事事件手続法では、家庭裁判所は審判をした後、その審判を不当と認めるときは、職権で取消・変更することができるとしています。

ただ、すべての審判について取消や変更が認められるわけではありません。


申立によってのみ審判をすべき場合において申立を却下した審判や、即時抗告をすることができる審判については、取消・変更は認められていません。
また、上記を除く審判についても、取消や変更を簡単に認めると、それを前提に形成された法律関係などに多大な影響を与える可能性もあります


取消や変更が認められるのは、非常に限られたケースであるようです。


遺留分放棄の許可の取消が可能になるのは、次のような条件が必要になると考えられます。

 

相続がまだ開始されてない
・遺留分を放棄する合理性や相当性を裏付けていた事情が変化している
・事情の変化により、遺留分放棄の状態を存続させることが客観的にみて不合理・不相当である

 


ちなみに、具体的には次のような例が、遺留分放棄の許可の取消に至ったようです。

 

① 父親の後妻と養子縁組した人が、父親の相続に関して遺留分を放棄。
その後、父の後妻である養親から何の財産ももらうことなく離縁(養子縁組をやめる)したため、事情の変更を理由として父親の遺留分放棄許可審判の取消が認められた。

 


② 農業を営んでいる父親には長男と長女がおり、長女が婿を取って農業を継ぐ約束をしたため、長男は父親の遺留分を放棄して家を出た。
その後、長女は農業を継がず嫁に出てしまったため、長男が家に戻ることになったことにより、遺留分放棄許可の取消が認められた。

 


③ 長男に財産を単独で相続させたい父親により、次男が遺留分放棄させられた。
次男は遺留分に見合うだけの贈与などももらっていなかったため、父親の死後、長男と次男とで相続をめぐり対立していた。
このケースも事情変更により、取消が認められた。

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

Aさんが賃貸マンションを所有していた場合、賃借人から毎月賃料がAさんに支払われます。

 

Aさんに相続が開始した場合、相続人となる 妻B・長男C・長女D の間で遺産分割協議を行い、本賃貸マンションは長男Cが取得することになり賃貸人となりました。

 

この事例で、

・Aさんが健在の間の受領賃料 はAさんの相続財産であり、遺産分割協議の対象となる

・長男Cさんが遺産分割協議後に賃貸人となった後の賃料はCさんに帰属する

ことに問題はないでしょう。

 

では、Aさんに相続が開始した後遺産分割協議が成立するまでの賃料は誰に帰属するのでしょうか

 

最高裁判例(平成17年9月8日)では、【相続開始から遺産分割までの間に共同相続に係る不動産から生じる賃料債権は、各共同相続人がその相続分に応じて分割単独債権として確定的に取得し、この賃料債権の帰属は後にされた遺産分割の影響を受けない】としています。

 

そのため、上記事例では相続後~遺産分割までの賃料については妻Bさんが2分の1、長男4分の1、長女4分の1の割合で取得することになります。

 

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

相続が開始し、被相続人が不動産を所有していた場合には「所有権移転登記」を行います。その場合、登記原因が何であるか?の問題が生じます。

 

「遺産分割」は相続人全員により協議を行い、不動産の取得者を決定するものですが、相続開始の時にさかのぼって効力が生じます。また、相続開始後に登記申請を行わない間(この間は法定相続割合に応じて遺産共有されている状態)に相続人間で遺産分割の協議が成立すると、相続人は自己に帰属した不動産について直接「相続」を登記原因とした所有権移転登記ができます。

 

「共有物分割」は不動産の共有者間の協議によるものですが、 遺産分割の時期的限界を超えた後(=遺産分割が終了した後)に登記原因として考えられます。

 

具体的には、①法定相続分と異なる相続登記がなされた場合、②共同所有関係の中に(相続分譲渡等によって)相続人以外の第三者が介在した場合 です。

 

遺産分割協議が成立しない場合には家庭裁判所で分割が行われることになりますが、共有物分割は通常裁判所にて共有物分割の請求がされることになりますが、これに関して最高裁判例(昭和62年9月4日)は、【相続により相続人の共有となった財産について、共同相続人間に遺産の分割の協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、遺産の分割の審判を求めるべきであって、共有物分割の訴えを提起することは許されない】としています。

 

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

会社経営をしていた父親が、長男に会社を譲って、今は隠居生活をしています。
母親はすでに亡くなっていて、父親の相続人になるのは長男、次男、三男の3人の子どもです。

次男と三男は、父親の相続の時に問題が起こらないように、兄である長男に全財産を引き継いでもらいたいと考えています。

 

スムーズに父親の全財産を長男に相続させるには、どういった準備が必要なのでしょうか?

 


相続放棄という制度がありますが、これは被相続人である父親が死亡しなければ、家庭裁判所に申し出ることはできません。
父親が生きているうちは、次男も三男も相続放棄はできないのです。
また、自分たちで「父親の相続は放棄します」といった内容の書類を作っても、法的な効力はありません

 

そこで、父親が「全財産を長男に相続させる」と書いた遺言を作ります。
相続人のうちの1人に全財産を与えるという遺言は有効です。
しかし、ここで問題になるのは、次男と三男に遺留分があることです。


遺留分とは、相続財産のうちで最低限保証されている取り分のことです。
せっかく遺言で長男に全財産を相続させると書いていても、次男と三男の遺留分を無視するわけにはいきません。


このように相続人のうちの誰か1人に全財産を与えるという遺言がある場合には、高確率で相続人同士が遺留分をめぐってもめることになります。

ただし、遺留分については、被相続人が生きている間でも放棄することが認められています

 


相続の開始前の遺留分の放棄は、家庭裁判所の許可を受けたときに限り有効と民法でも規定されています。

なので、父親が「長男に全財産を相続させる」という遺言を作成したタイミングでも、次男と三男が家庭裁判所に遺留分放棄許可の申立てを行うと良いです。


この申立てでは、本人の真意に基づくものであるか、放棄する理由が妥当であるか、現行民法の均分相続制の理念に反しないかどうかを考慮して判断されます。
そのため、次男と三男がこれまで全く父親から財産をもらっていない場合などでは、許可されない可能性もあります

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

相続の遺産分割以外で、遺産または財産を与える方法としては、遺贈・死因贈与・生前贈与の3つがあります。

 

遺贈は、遺言に書いておくことによって遺産を与える方法です。

 

死因贈与は、贈与者の死亡によって効力を生じる贈与契約(死因贈与契約)を締結しておくものです。
財産が渡るタイミングは遺贈と同じですが、先に契約をしておく点が異なります。

 

生前贈与は、贈与者が生きているうちに贈与契約を結んで、贈与を行うことです。

 


これら3つの遺留分減殺請求の順番は、遺贈⇒死因贈与⇒生前贈与の順になっています。


遺贈、死因贈与、生前贈与を被相続人がしていた場合には、まず遺贈から減殺を行います。

 

民法でも「贈与は、遺贈を減殺した後でなければ、減殺することができない」と規定されています。


遺贈が最初に減殺される理由としては、以下の点を考慮するためです。

 

遺贈は相続開始によって初めて効力をもつものであること
遺贈よりもはるかに前に行われた贈与を減殺すると遺留分減殺請求の相手方の利益を損ないやすいこと
・減殺をすることであらわれる第三者への影響は、遺贈よりも贈与の方が大きいこと

 


そして、贈与については、後に行った贈与から順番に減殺を行うことになっているので、生前贈与よりも死因贈与が先になります。


後に行った贈与から減殺を行うのは、以下の理由からです。

 

・贈与がされてからの期間が長いものの方が、減殺したことによって法律関係の安定や取引の安全を害する恐れがあること
相続開始時に近い贈与ほど、遺留分侵害により直接的な影響を与える可能性が高いこと

 

なお、減殺対象とできる贈与は、原則として相続開始前1年以内にされたものと民法で規定されています。

 


また、生前贈与がいくつか行われていた場合は、後のものから減殺します。

 

例えば、父親が亡くなる6ヵ月前に知人Aに6,000万円を贈与し、亡くなる3ヵ月前に知人Bに2,000万円を贈与していた場合は、相続人である長男はまず知人Bに減殺請求を行います。
その後、不足する分について、知人Aに減殺請求をすることになります。

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

テーマ:

父親の遺言に「財産はすべて長女に与える」と書いてあったので、長女が全遺産を相続しました。

 

しかし、相続で取り分のなかった次女が、「私にも遺産を分割してほしい!」と言ってきました。

 

長女としては次女の遺留分に当たる割合を、お金で弁済して、遺産を分割するのを避けたいのですが、それは可能でしょうか?

次女が、代わりのお金ではなく、遺産を分割してほしいと言ってきたときはどうしたら良いのでしょうか?

 


遺留分の減殺請求があった場合、その減殺された遺産の現物で返還することが原則となっています
しかし、不動産などで分割が難しい、または分割したくないというときには、現物の返還の代わりとして、遺留分に相当する金額を代償することで現物の返還を免れることができます
これを『価額弁償』と言います。

 

しかし、「遺留分に当たる財産を、代わりにお金で払うよ。」と言うだけでは、ダメです。

 

価額弁償を行うときは、遺留分の対象となる遺産の総額を計算し、遺留分を求める相続人(今回のケースでは次女です)の遺留分の価額を算出して、その金額を実際に用意して、支払わなければなりません
それなりに手間がかかりますね。

 


もしも、次女が「現物じゃないと嫌だ!」とお金を受け取らなかった場合は、弁済の提供(次女がお金を受け取れば返還が完了するというところまで準備をしておくこと)をして、供託(供託所に預けることによって、相手方に支払ったことにすること)をすれば、現実に支払ったものと同様に評価されます

 

そこまでしておくと、長女は現物の返還を強制されることはありません。

 


価額弁償では、遺留分に相当する遺産を返還する代わりに、価額を計算して金銭で弁償するわけなので、目的物である遺産と等価であることが必要になります。
したがって、弁償する時点の目的物の価額を基準にして計算します。
しかし、目的物が不動産などであれば、その時点の評価額がいくらになるのか?と、当事者間でもめることもあるようです。


最初のトラブルの元を作ったのは、すべての財産を長女一人に相続させると遺言を書いた父親です。
遺言を書くときは、相続人全員の遺留分に考慮して書くべきですね。

 

いいね!した人  |  コメント(0)  |  リブログ(0)

AD

ブログをはじめる

たくさんの芸能人・有名人が
書いているAmebaブログを
無料で簡単にはじめることができます。

公式トップブロガーへ応募

多くの方にご紹介したいブログを
執筆する方を「公式トップブロガー」
として認定しております。

芸能人・有名人ブログを開設

Amebaブログでは、芸能人・有名人ブログを
ご希望される著名人の方/事務所様を
随時募集しております。