司法書士事務所尼崎リーガルオフィスのブログ

このブログは司法書士業務に関しての内容を中心にしたものとなります。 


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お父さんが昨年亡くなり、たかしさんはお兄さんと弟さんの3人で遺産を相続しました。

 

遺産のうちの賃貸物件をたかしさんが相続しましたが、弟さんから「お父さんが亡くなってから遺産分割が成立するまで、数カ月分の家賃収入は相続財産として兄弟3人で分割するべきじゃないのか?」と言われました。

 

お父さんの死後の家賃収入はたかしさんが管理していましたが、言われたように兄弟で分けなければならないのでしょうか?

 


遺産に賃貸物件があり、相続開始後、つまりお父さんが亡くなった後にも家賃収入がある場合は、相続開始後から遺産分割成立までの間の家賃収入が誰のものになるかは、いくつかの考え方があります。

 

① 遺産分割で賃貸物件を取得した相続人

 

今回のケースではたかしさんになります。

民法の「遺産の分割は、相続開始の時にさかのぼってその効力を生じる。」という定めから、遺産から得られた収益も相続開始時にさかのぼって、その遺産を相続した人のものであるという考えによるものです。

 

しかし、この考え方は公平な遺産分割をするためには、それまでの収益を具体的に確定させなければならないため、本格的に遺産分割でもめて裁判所で調停や審判となった場合、分割成立するまでに長期化することを覚悟しないといけません。

 


② 問題の期間の家賃収入も遺産の一部として、相続人で分割する

 

つまり、たかしさんだけでなく兄弟3人で1/3ずつ分けるということです。

この考え方でも、遺産分割が成立するまでに収益がいくらになるのか?を確定しなければならないので、①と同様に相続人同士でもめると解決までに長期化することになります。

 


③ 問題の期間の家賃収入は共同相続人の共同財産であるが、遺産ではない

 

遺産とは別の財産として、どうやって分けるかを兄弟3人で話し合うことになります。

この考え方だと、①②のように遺産分割協議中の争いをなくして、遺産分割成立まで長期化しないようにできますが、遺産分割以外の問題が新たに発生することになります。

 


このように遺産の中に賃貸物件があり、遺産分割成立までの収益は誰のものにするか?という問題について、最高裁判所では「遺産とは別の財産として、それぞれの相続人がその相続分に応じて分割して取得するものと解するのが相当である。」と判決を出していて、相続人の中に家賃収入を独り占めしている人がいる場合は、不当利得返還請求または不法行為に基づく損害賠償請求の問題として、遺産分割とは別に解決を図るようにしています。


たかしさんが「遺産分割成立までの家賃収入を、兄弟3人で分けるべきだ!」と弟さんから言われたなら、たかしさんが独り占めしないできちんと兄弟で分け方について話し合わなければなりません。

 

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最近、お父さんが亡くなった花子さん。
相続人は花子さんを含めて4人います。
お父さんの遺産の分割協議を相続人全員で行っているところですが、銀行の貸金庫の契約があることが分かりました。

 

そこで、花子さんは貸金庫の中に何が入っているのか確認しようと銀行へ行きましたが、貸金庫は開けられないと断られてしまいました

 

どうすれば貸金庫を開けてもらい、中身を確認することができるのでしょうか?

 


お父さんが遺言を残していて、その中で遺言執行者が選任されている場合には、遺言執行者の権限で貸金庫を開けることができます。

しかし実際は、貸金庫を開けるには、相続人全員の同意を得て銀行に貸金庫を開けてもらうよう請求しなければなりません

 


そもそも、貸金庫契約とは、銀行や信用金庫などの金融機関が取り扱う業務の一つで、有価証券や貴金属などその他の物品を預かる契約を指します。
この貸金庫契約の法的な性質としては、金庫という場所を貸すという一種の賃貸借契約と、物を預かるという寄託契約とがあります。

 

貸金庫契約の約款には、利用者が死亡したときには、銀行側から貸金庫契約を解約できるという内容の規定が置かれていることもありますが、銀行側から死亡と同時に解約されなかった場合には、その相続人が契約を引き継ぐことになります。
そして相続人が複数いる場合には、貸金庫契約の借主の地位は共同相続することになります。

 


共同相続人である花子さん一人でも借主として一定の権利があるはずなのですが、実際には、銀行は被相続人(花子さんのお父さん)の出生から死亡までの戸籍謄本等の提出を求め、相続人が誰であるかを確認します。
そして、相続人全員の実印の押印と印鑑証明書の提出を求めます。

 

つまり、遺産分割協議が成立する前に、相続人のうちの一人から「貸金庫の中身を確認したいので、開けてほしい」と請求があっても断られます。

 

これは、貸金庫を開けたことによって相続人間の争いに銀行が巻き込まれるのを避けるためであるようですが、法律的にも貸金庫契約の解約は処分行為として、相続人全員の同意が必要になります。

 


しかし、貸金庫を開けるにはもう一つ方法があります。

 

公証人に立ち会ってもらい、貸金庫を開けて中身を確認し、再度中身を金庫に戻すまでの状況を見てもらうという方法です。
公証人が立ち合い確認した内容を『貸金庫の開扉点検に関する事実実験公正証書』として作成します。

 

この公正証書を作成するには、公証人の立ち会いの時間と証書作成時間を合わせた時間×11,000円と、出張費用や日当が必要になります。
少しお金がかかることと、手間もかかることからちょっと面倒ですね。

 

このように公正証書にするよりも、相続人同士がもめていないのであれば、全員の署名押印と印鑑証明書を集めた方が良いかもしれません。

 

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登記申請の際は、登記申請書や添付書類(附属書類)を法務局に提出します。

 

その結果は登記簿に記録されますが、様々な事情で登記申請書や附属書類を確認したいことがあります。

 

例えば、登記申請をした覚えがないのに自分が所有しているはずの不動産が他人の名義に変わっている、知らないうちに会社の取締役になっている、逆に取締役を辞任したことになっている…と分かった場合、登記簿を見てもそれ以上のことは分かりません。調査すべきは、その際の登記申請書や附属書類です。登記申請を代理人に依頼した場合には委任状が必要ですし、不動産を売却するには実印を押印した登記原因証明情報、取締役を辞任する際には辞任届等も附属書類に含まれており、その書類原本を確認すれば、自身で作成したかどうかの判断が可能だからです。

 

当事者(その相続人を含む)や利害関係人は、手数料を支払って登記簿附属書類閲覧申請が可能ですのでその手続きについて紹介します。

 

■登記簿等の保存期間

閲覧が可能であったとしても、法務局に書類が保存されていなければ閲覧のしようがありませんので、まずは調査したい登記申請が保存されている期間内かの確認が必要です。

登記申請書及び添付書類については次のように規定されています。

・不動産表示登記に関する申請情報  5年※H20/7/21までの受付分で廃棄認可済分

 不動産表示登記に関する申請情報 30年※H20/7/22から受付分と廃棄未認可分

・不動産権利登記に関する申請情報 10年※H20/7/21までの受付分で廃棄認可済分

 不動産権利登記に関する申請情報  30年※H20/7/22から受付分と廃棄未認可分

・商業法人登記の閉鎖登記記録(登記簿) 20年

・商業法人登記登記申請情報等(申請書・添付書類)5年

※平成20年7月22日不動産登記規則の改正により保存期間が変更となったため、平成9年までの受付の登記申請書と附属書類は改正前の保存期間(10年)が適用され、改正前(平成20年7月)に廃棄されている可能性があります。

 

■閲覧できる人

当事者及び利害関係人(当事者の相続人等を含む)

※登記当事者が閲覧申請する場合は本人であることを確認できる本人確認書類の提供が必要です。また、印鑑証明書の提供を求められる場合もあります。

※利害関係人は、訴状(写し)等の提供が必要となります

※司法書士等を代理人として申請する場合には委任状が必要です

 

■申請書

申請人で適宜に登記簿附属書類閲覧申請書を作成して提出することも可能ですし、法務局で定形の閲覧申請書があればそれに記入します。

※当事者が閲覧する目的・利害関係を有する事情は不動産・商業登記ともに記載が必要です(この記載が不十分であれば閲覧はできません)。

※平成28年10月に商業登記規則が改正され、閲覧申請に際しては厳格化されました。

【閲覧しようとする部分】と【当該閲覧部分について利害関係を有している理由】の記載が必要となり、【利害関係を証する書面の添付】も必要となりました。そのため「当該会社の債権者だから全部閲覧したい」とするのではなく、「○○の事情で債権を有しており、○○を理由として、○○の決議に関する株主総会議事録を閲覧したい」と事情と対象書面の特定をすることになります。

 

■申請する法務局

その登記を受付した法務局です。郵送で閲覧申請はできませんので、遠方であっても当該法務局に行く必要があります。

※保存期間内であっても、法務局の保存場所等の都合で、管内の別の法務局に書類保存場所が移転されていることもありますので、事前に問い合わせをした方がよいです

 

■手数料

1件につき450円です(平成29年2月現在)

 

手続きが可能なのは、あくまでも「閲覧」です。謄写(コピー)や証明書の発行等はできません。閲覧においてカメラ・携帯等で記録をデータ保存は可能ですので、閲覧時には忘れずに持参しましょう。

 

閲覧する登記申請書等は法務局内の書庫?に保管されている場合もあるため、突然に行っても探す時間を要してしまいます(時間帯によっては当日に閲覧ができないこともあります)ので、予め法務局に連絡をして該当する登記申請書等を準備してもらうことがスムーズです。

 

 

 

 

 

 

 

 

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成年後見人になると本人(成年被後見人)の財産を管理する義務が発生します。

 

本人の財産は本人のために使うのであれば、特に使い道に制限はありませんが、当然ながら金額や支出の必要性、相当性、使うお金と得られる結果のバランスが求められます。この点、後見人として業務を行っているとどうしたものか、と悩むことがあります。

 

本人の生活費、入院費や施設費、税金等は当然支出してよいと判断する点は問題ありませんが、贈与や寄附行為は原則として支出はできません。無償での財産移転については本人のために使うものではなく、相続税対策として贈与をする場合も相続税納税者は本人ではないためです。

 

では、法事費用や本人名義で出す冠婚葬祭の祝儀や香典、本人の扶養家族(配偶者や未成年の子)の生活費、被後見人の生前墓、本人名義の負債、後見人が選任される前の立替金(領収書等が必要)、被後見人の見舞いに訪れる親族への交通費 などは本人の財産から支出できるでしょうか? 

 

これらは、「事情により」支出ができると言えます。後見人は財産管理義務を財産確保義務と考えてしまうと、冠婚葬祭費用は支出する必要がないと結論するかもしれませんが、本人と冠婚葬祭の対象となる方との御付き合いの程度支出する金額等により常識的に許容されると後見人が判断すれば支出は可能です。むしろ、後見人は身上監護義務を負っており、法事や冠婚葬祭を拒否することで本人と親族間の関係が悪化すれば、将来的に本人の医療行為への同意や本人の葬祭に関与が望めなくなることもあります。

 

生前墓や見舞いに来る親族の交通費は悩むところですが、本人の希望や金額等によって判断することになろうかと思います。

 

後見業務は法的な解釈だけではできず、世の中の慣習や常識により遂行していくこともあります。そのため、六法を見るよりも第三者の意見(同じく後見人となっている方の意見や病院・施設の担当者等)を聞いた方が判断に役立つこともあります。

 

それでも判断に迷う場合には、管轄の家庭裁判所に相談してください。

 

後見人は本人のために十分な注意を払い、誠実にその職務を遂行する責任を負っています。故意はなくとも過失により本人に損害を与えた場合には賠償責任を負うこともありますので、迷ったときには自分だけで判断をせずに相談することを原則にすべきです。

 

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「法テラス」をご存知でしょうか? 

 

司法書士業務をしていれば当然に知っているのですが、一般の方にはまだなじんでないように思いますので紹介いたします。

 

借金を抱えて日々の生活すらできない離婚の協議が整わない相続が起こったが遺産分割協議ができない親が認知症になり銀行預金が降ろせない等、法律に関するトラブルは日常的に起こりえます。弁護士や司法書士等と継続的な付き合いのある方は限られていると思いますので、こういった法的トラブルにあった際に誰に相談すればいいの?と迷う方も多いはずです。

 

法テラスの正式名称は日本司法支援センターといい、国によって設立された法的トラブル解決のための総合案内所と言えます。刑事・民事を問わず、国民の方がどこでも法的なトラブルの解決に必要な情報やサービスの提供を受けられるようにしよう、という構想のもと、総合法律支援法に基づき平成18年4月10日に設立された法務省所管の公的な法人です。

 

具体的に事件の依頼をするに至る前に、その法的トラブルにはどんな解決方法があるのかの法律上のアドバイス、お住まいの地域で相談対応できる機関の情報提供などに対応していることから気軽に活用することができます。

 

当事務所の司法書士も法テラスに登録をしていますが、最も活用するのは民事法律扶助です。法テラスの趣旨が国民誰もが法的サービスを受けられること(これは憲法でも保障された裁判を受ける権利の実現でもあると言えます)であり、弁護士や司法書士に支払う報酬がないために手続ができないことはその趣旨に反します。

 

そのため、法テラスでは経済的に余裕がない方が法的トラブルにあった時に、無料で法律相談を行い(「法律相談援助」)、具体的に弁護士・司法書士へ依頼をする際の費用の立替を行う(「代理援助」「書類作成援助」)民事法律扶助業務を行っています。

 

■民事法律扶助を利用できる人

 国民及び我が国に住所を有し適法に在留する外国人の方

※法人・組合等の団体は対象に含まれません

 以下の要件を満たすこと

①資力が一定額以下であること

  夫婦間の紛争の場合を除き、配偶者に収入または資産がある場合には、原則加算した金額で判断されます。

A.月収が一定額以下であること

・単身者の場合20万0200円以下(東京・大阪等の都市圏基準、それ以外は18万0200円)

・2人家族の場合27万6100円以下(同、25万1000円)

・3人家族の場合29万9200円以下(同、27万2000円)

・4人家族の場合32万8900円以下(同、29万9000円)

※医療費、教育費等の出費がある場合には一定額が考慮されます

※家賃・住宅ローンを負担している場合は上記収入基準に一定額が加算されます

B.保有資産が一定額以下であること

・単身者180万円以下

・2人家族250万円以下

・3人家族270万円以下

・4人家族300万円以下

②勝訴の見込みがないとはいえないこと

 和解、調停、示談成立等による紛争解決の見込みがあるもの、自己破産の免責見込があるもの等を含みます

③民事法律扶助の趣旨に適すること

 報復的感情を満たすだけや宣伝のためといった場合、または権利濫用的な訴訟の場合などは援助できません

 

■立替額

 事案により変動が生じる場合もありますが、一例は以下のとおりです。

 ・自己破産申立(書類作成援助)10万3400円(※平成28年度標準額、以下同じ)

 ・500万円請求の訴訟(代理援助)25万1000円

 ・後見等開始申立(書類作成援助)6万9000円

 

■立替額の償還(返済)

 事情により決定されますが、毎月5000円~1万円程度のことが多いようです。

 償還額に利息はつきません。ゆうちょ銀行からの引落、振込、持参等の方法があります。

 

民事法律扶助を利用するには審査が必要ですが、利用条件は案外低いと思います。審査が認められれば、利用者の方は弁護士や司法書士に事件の依頼をしますが、費用の清算は弁護士や司法書士に支払うのではなく法テラスに償還をします(弁護士や司法書士は法テラスから費用の清算を受領します)ので、費用面で心配することなく、法的トラブルを専門家に依頼して解決できる点が民事法律扶助のよい点です。

 

また、生活保護受給をされている方等については、立替額の償還を免除あるいは猶予することも可能です(これも審査があるため、必ず免除がされるとは言えませんが、現実として生活保護受給を継続されていれば法テラスに償還することはできないものと思います)ので、民事法律扶助を利用したが結局借金が増えた、という事態になりません。

 

民事法律扶助を利用する場合、法テラスの各事務所に相談予約をする または 法テラスに登録している弁護士・司法書士に直接相談をする ことから始められるとよいです。

当事務所の司法書士も法テラスに登録をしていますので、直接に相談に来られて、民事法律扶助が利用できる場合であれば司法書士から法テラスに利用申請を行うため、利用者の方には利便性が高いと言えます。

 

当事務所でも自己破産、成年後見等の申立、相続放棄、貸金請求訴訟等多くの事案を民事法律扶助を利用して行ってきました。一般的に法テラスで定められた立替額基準は各事務所の報酬基準より安いこと、生活保護受給されている方は原則として償還免除となる可能性が高いことなどから、多くの市民の方に活用いただきたい制度です。

 

 

 

 

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起こり得る確率は少ないでしょうが、不動産売買契約等を締結し実体上も所有権が売主から買主に移転した後に、売主または買主が死亡した場合の登記申請についてです。

 

法律上の原則は、売買契約が成立した時点で所有権は移転します。売買代金の授受は関係ありません(民法555条)。*不動産売買契約書には、「所有権移転時期の特約」があるのが通常で、それは売買代金全額を支払ったときとされていると思います。そのため、不動産売買契約は締結したが売買代金の支払いがまだであるときは実体上の所有権は売主にあるので、今回紹介するケースには該当しません(この場合、売主が死亡すれば相続登記を経た上で所有権移転登記をせざる得ないです)。

 

贈与を原因として所有権移転する際の例がより分かりやすいのですが、贈与は無償での財産移転のため、そもそも代金授受はなく、贈与契約成立をもって実体上の所有権も贈与者から受贈者に移転したことになります。登記申請はあくまで実体上の権利を登記簿に反映させるための手続となります。

 

登記申請は登記申請人が行う手続きですので、申請時点で死亡していれば当然ながら申請行為自体ができません。この場合、本来の登記権利者または登記義務者等の相続人その他の一般承継人が登記申請をすることになりますが、この場合の申請書の記載については次のとおりになります。

 

■本来の申請人が登記を申請する前に死亡したときは、その者が本来申請すべきであった登記を相続人が申請することができます(不動産登記法62条)。

 権利者 (住所)乙山花子

 義務者 (住所)甲野太郎相続人 甲野一郎

 

■上記の場合において、登記名義人となる登記権利者の相続人が申請するときは、登記権利者の氏名および(死亡時の)住所を記載します(不動産登記令3条11号ハ)。

 権利者 (住所)乙山花子

        (住所)上記相続人 乙山一郎

 義務者 (住所)甲野太郎

 

登記義務者は登記簿上権利を失う立場であり、新たに登記申請人の住所が記録されることはありませんが、登記権利者の場合には住所が記録される(上記例では亡乙山花子の住所)ことから記載に違いがあります。

 

また、登記申請書には相続証明情報(登記権利者または義務者の死亡記載のある戸籍と登記申請人の戸籍等で相続関係にあることを証明します)が必要となります。

 

 

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田中一郎さんは生命保険の契約をした際に、妻の花子さんを保険金の受取人に指定していました。

先日、田中さん夫婦は交通事故により同時に死亡してしまいました。田中さん夫婦には子どもがいません。
それぞれの両親もすでに亡くなっていて、一郎さんには弟が、花子さんには姉がいます。

この場合、一郎さんの生命保険金は誰が受け取るのでしょうか?


生命保険金の受取人は、契約者が死亡などの保険事故が発生したときに保険金を受け取ることができます。
受取人の方が先に死亡し、契約者が新たな受取人を指定しないまま死亡したときは、すでに亡くなった受取人の相続人が保険金を受け取ることになります。


一郎さんが花子さんを受取人に指定したまま亡くなった場合、次のようなパターンが考えられます。

(A)一郎さんが亡くなった後、花子さんが亡くなったとき

まず花子さんが保険金を受け取ります。
保険金は花子さんの財産なので、その後花子さんが亡くなったときには花子さんの姉が相続人として引き継ぐことになります。


(B)花子さんが亡くなった後、一郎さんが亡くなったとき

一郎さんが亡くなった時点で保険金を受け取る権利は花子さんになりますが、花子さんはすでに死亡しているため、花子さんの相続人が引き継ぎます。
花子さんの相続人は、夫である一郎さんと花子さんの姉です。

花子さんが亡くなった後、すぐに一郎さんが亡くなれば、一郎さんの相続人である弟が引き継ぎます。

⇒つまり花子さんの姉と一郎さんの弟の2人で保険金を分けることになります。


(C)一郎さんと花子さんが同時に亡くなったとき

被相続人の死亡時点で生存していなかった者は、その法定相続人になることができないため、花子さんと同時に亡くなった一郎さんは、花子さんの相続人にはなれません。

花子さんが受取人となっている保険金は、花子さんの相続人である一郎さんと花子さんの姉が引き継ぎますが、一郎さんは同時死亡のために相続人になれないので、花子さんの姉だけが相続人となります。

ちなみに、花子さんの兄弟姉妹が姉だけでなく、複数いた場合は、その兄弟姉妹で分割することになります。
 
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太郎さん、次郎さん、三郎さんのお父さんは生命保険契約で、保険金の受取人を『法定相続人』と指定していました。
そのお父さんが先日亡くなりましたが、次郎さんと三郎さんは相続放棄の手続きを行い、太郎さんだけが放棄をしていない状態です。

この場合、太郎さん一人が生命保険金の受取人となるのでしょうか?


相続放棄をした人は『初めから相続人ではなかった』ものとみなされます。
そうすると相続放棄をした次郎さんと三郎さんは、法定相続人が受取人となっている保険金も受け取れないように思えますね。

しかし、被相続人であるお父さんが持っていた財産を引き継ぐのが相続です。
死亡保険金はお父さんが持っていた財産ではなく、お父さんが死亡したことにより発生した財産なので、相続財産には含まれません。
契約の効力が発生した(お父さんが亡くなった)と同時に法定相続人の固有財産となります。

平成26年の神戸地裁尼崎支部での判決では、「法定相続人が相続放棄をして、保険金を受け取らないとの意思表示をした場合であっても、別段の意思表示がない限り、相続放棄した相続人の保険金請求権が相続財産に帰属すると解することはできない。」とされています。

次郎さんと三郎さんが相続放棄をしたからといって、兄弟3人の固有財産となった保険金も相続財産に含めることにはならないこと、保険金をもらう権利まで太郎さんに譲渡したことにはならないことなどを考えると、次郎さんと三郎さんも保険金を1/3ずつもらうことができると言えそうです。


 

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平成27年1月より相続税課税基準が改正され、従前の基礎控除5000万円が3000万円に、相続人1人あたりの控除1000万円が600万円になりました。

 

当事務所でも不動産や銀行預金等の相続手続を行っておりますが、改正により相続税申告が必要になった方の増加を感じます。

 

改正により相続税課税対象となる方に向けて信託銀行や保険会社、税理士事務所等主催による「相続税対策セミナー」も頻繁に開催されています。生命保険料控除などの控除制度の活用が主なテーマとなりますが、その一つとして養子縁組が挙げられます。

 

上記のとおり相続人の数が増えれば1人あたり600万円の控除が適用されます。10人の相続人がいれば600万円×10人=6000万円が基礎控除3000万円を加算した9000万円が相続税課税基準となります。税法上、この相続人には養子縁組により子になった者も含みますが、実子がいる場合には養子は1人まで、実子がいなければ2人まで控除対象となる相続人とされます(民法上は養子縁組の数の制限はありません)ので、節税目的で養子縁組をするケースは少なくないようです。

 

今回の事例では、2013年に82歳で亡くなった男性が亡くなる前年に長男の息子で当時1歳だった孫を養子縁組をし、共同相続人であった娘2人が「亡くなった男性(娘の父)に養子縁組の意思はなかった」として【縁組は無効】との裁判を起こしました。娘2人にすれば養子縁組が有効であれば相続人が1人増え、各々の法定相続割合も減る事情がありました。

 

一審の東京家裁では、「男性本人が養子縁組届を作成した」として有効と認定。二審の東京高裁では、「税理士が勧めた相続税対策にすぎず、男性は孫との間に真実の親子関係を創設する意思はなかった」として無効の判断をしました。

 

最高裁では、「節税の動機と縁組の意思は併存し得る」と指摘し、縁組の意思があれば節税目的の養子縁組を認める初の判断を示した上で、「男性に縁組の意思がないとはいえない」として孫との縁組は有効と結論づけました。

 

この判決により節税を意識した養子縁組は広がるだろう、と言われています。ただ、養子縁組は本来的に法律による親子関係の創設であり扶養義務も生じますので、当事者の意思があることが大前提のものです。

 

相続税法は「相続税の負担を不当に減少させる結果となる場合は、税務署長の判断で養子を算入せずに税額を計算することができる」とあることから、充分に検討をした上で養子縁組を行うことは引き続き大切であることに変わりありません。

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長年別居状態にあった夫婦の夫が亡くなりました。
夫の死亡保険金の受取人は妻に指定されていますが、妻は「夫の保険金なんて要らない」と保険会社に連絡してしまいました。

この場合、夫婦の長男が代わりに保険金を受け取ることはできるのでしょうか?


生命保険契約では、受取人を自分以外の人に指定する場合と、自分自身に指定する場合があります。
受取人を自分にしておくと、死んだ後に自分は受け取ることはできないので、実際は自分の相続人に保険金を受けとってもらうことになります。


一方、冒頭のケースでは、保険契約者は夫ですが、受取人は妻になっています。
このような契約は、保険会社と契約者(夫)以外の第三者が登場することから、『他人のための保険契約』と呼ばれます。

他人のためにする契約については、民法にも規定がありますが、受益者(保険金を受け取る人=妻)が受け取るという意思表示をしたときに、権利が発生します。
しかし、保険法ではこの民法の特則として、「生命保険契約ではこの商法の規定が優先して適用される」となっているため、生命保険契約については、受け取る意思表示をしなくても当然に権利を取得することができることになります。


ただし、生命保険契約では保険事故(契約者が死亡するなど)が発生するまでは、保険契約者が保険金受取人を変更できるようになっているのが一般的です。
そのため、夫が生きているうちは妻から長男に受取人を変更することはできます


しかし、契約者である夫が亡くなった後で、受取人である妻によって受取人を長男に変更することはできません

保険契約者が死亡すると保険契約に関する処分権は消滅し、保険金受取人の保険金を請求する権利が確定的となり、具体的な金銭債権となります。
ここで妻が「夫の保険金なんて要らない」などと言って、保険金請求権を放棄したことで、保険金請求権は消滅したことになります。


ただし、妻が保険金は要らないと意思表示する前に、長男へ債権譲渡した場合は、長男が保険金を受け取ることができます
 

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