このお話は2話連続の後編です。


前編をお読みになってから読んでください。




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 奇妙な生活といっても渡瀬にしてみればそれは極当たり前のものであった。


 美女達とのロマンスを楽しみつつ、時折現れる敵を倒す甘く危険な生活。唯一の違いは毎日病院で執り行われる検査だけであった。その検査にしても2本のパイプが繋がれたカプセル型のベッドに1時間ほど横たわっているだけで、検査らしい検査は何一つ行われていないのだ。


「そろそろ約束の半年だな」


 部屋のカレンダーを見ながら渡瀬が呟く。


 この半年の間に倒した敵は6人、どれも以前敵対した組織の殺し屋達であった。そして彼らと戦うたびに現れる美女、彼女らはみな素晴らしい女性であった。


 そして夜になり、いつものように病院に向かう渡瀬。


「どうぞこちらへ」


 いつものように医師が渡瀬をカプセルベッドへと誘う。


 いつもと同じような一日が過ぎようとしていた。


 プシュー


「こ、これは!」


 カプセルの中に睡眠ガスが吹き込まれ、再び渡瀬は夢の中へと連れ込まれていった。




「うう……、ここは……?」


 重い頭を振り渡瀬が周囲を見回す。見慣れた天井、見慣れた壁、見慣れた家具がそこにはあった。


「こ、ここは俺の部屋?!」


 窓を開けて外を見ると、懐かしいロンドンの町並みがそこにはあった。


 そしてテーブルの上にはまた段ボール箱が置かれており、半年前につかまった時に渡瀬が持っていたものが全て入っており、また一番奥に1枚のCDが貼り付けてあった。


『やあ、お目覚めかね? Mr.渡瀬』


 Tの声がノートパソコンのスピーカーから響く。


『約束どおり君を解放したよ。君のおかげで我々の研究は非常に進んだ。君には感謝いている。英国情報部には事情を話してあるので問題なく職場復帰できるはずだ。これからも君の活躍に期待しているよ。もっともあまりわが国には来て欲しくはないがね。またいつの日か会える日のことを楽しみにしているよ』


 メッセージが終わり、CDがフォーマットされる。


「いったい、何がどうなってるんだ!」


 ドンッ


 あまりにもわけのわからない状況に渡瀬は苛立ち、思わず机に拳をたたきつけた。




 一方、『T』こと高瀬は上がってきた報告書と小さな小瓶に顔をほころばせていた。


「よし、早速分析をして量産にこぎつけてくれ」


 高瀬が部下に指示を出す。


 高瀬は内閣府直属の『少子化対策局』の局長である。そして彼が今、手に持っている小瓶の中には、日本の少子化を改善するための秘薬が入っているのだ。


 この半年、『0007』ことMr.渡瀬の体臭を集め凝縮して液体化したのがこの秘薬である。


 日本の少子化の原因の一つに『結婚できない男』が増えている現状があった。


 そこで高瀬が目をつけたのは『スパイ』の存在であった。スパイには何故か美女が集まってくる。その現象を研究した結果、彼らの醸し出す『甘く危険な香り』が美女をひきつけているのだと結論が出たのだ。


 そこでアジアナンバーワンと言われる『0007』を捕まえて、『甘く危険な香り』を採取、それを元に特殊な香水を作り上げることになったのだ。


 もちろん複製品なので美女とはいかないまでも、普通の女性に対し十分に効果がある。


 この香水を結婚したくても出来ない適齢期の男性に配布して少子化を食い止める、それが高瀬の『0007 甘き危険な香り作戦』であった。


「後は政府に子育て支援をさせるだけだ。とにかく子供が生まれなければどうにもならないからな」


 高瀬が大きくタバコをふかし、紫煙が部屋に充満する。


 コンコン


 ドアがノックされ部下が部屋の中に入ってくる。


「失礼いたします。局長、会議の時間です」


「うむ、わかった。今、行く」


 高瀬はタバコをもみ消して席を立った。


 これから新しい少子化対策の作戦会議である。日本の少子化の根は深い、いくら対策を立てても立て過ぎることはないのだ。


 内閣府直属少子化対策局局長高瀬。


 彼は少子化を食い止めるためには手段を選ばない。



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スパイも少子化に貢献です。

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